小さな幸せ

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吉原と外

2023-01-03 11:11:19 | 読書

 

中島 要著

「吉原と外」

なかとそと

 

 

元花魁と女中が二人暮らし。

出るのは鬼か・・・。

気っ風と純情

江戸の女を描き尽くす著者新境地!

「あんたがお照で、あたしが美晴。

何ともお似合いの二人じゃないか。」

 

お正月にぴったりな華やかな表紙です

装画は 中川学さん

 

18歳で身請けされた元花魁の美晴

その美晴の身辺の世話をするのが仕事のお照は23歳

 

しかし、このふたりに次から次に鬼やら何やらが出てきます

これを3歳で吉原に売られた美晴が

吉原で苦労して身に着けた知恵を働かせて解決していきます

 

それに比べてお照は世間知らずでうぶ

 花魁という仕事に見下している気持ちが根底にありました

 

朝、中々起きない美晴を起こすシーン

「ほら、おつけが冷めちまいます。さっさと起きて食べてください」

「もうちょっと寝かせてよ。昨夜は遅かったんだから」

「同じように遅かった旦那様はとっくにお帰りです。

美晴さんは二度寝したんだし、もう起きられるでしょう」

「まったく、これだから年増の生娘は困るんだよ。

男より女の方が身体にこたえるものなのに」

やけに生々しい言葉を耳にして、お照の顔が熱くなる。

「何だい、真っ赤になっていやらしい。

男と女のまぐわいなんて、あんたが思うほどいいものじゃないよ」

「あ、あたしは別にっ」

「歳だけ食った耳年増ほど、変に夢見がちなんだから。

あたしは金のためでもない限り、男と寝るなんて真っ平御免さ」

 

18歳の美晴にいつもやりこめられるお照

 

しかし、一緒に暮らせば情も移ります

美晴が熱を出せば、おかゆを炊いて親身に介抱し

美晴が危険だと気づけば、身体も張るお照

 

このふたりの掛け合いは中々楽しい

 

最後は色々あって美晴の旦那が亡くなります

この二人どうして生きていくのかと心配になりましたが

 

あたしはあんたがこの世で一番信じられる。

幸い、旦那がくれたお手当はしっかり貯め込んであるんだよ。

あんたの給金くらい一生だって払えるさ。

 

美晴とお照の明日は明るい

ふたりはこれから何をして暮らすのだろうか

美晴の知恵と才覚があればどんな商売でもどんな捕物でもできそうな気がします

多分、シリーズ化されると思います

楽しみにしています

でも早めにお願いします

すぐに内容を忘れちゃいますので・・・

 


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