「カムカムエヴリバディ」で野球好きの勇(目黒祐樹)が、「ジャズは野球じゃ。駆け引きと予想外の展開と間が似とる」みたいなことを言っていた。
このドラマは、映画と野球とジャズが絡むところが面白くて見続けているのだが、なるほどそう来たかという感じがした。そこで思い出したのが、ケン・バーンズという映像作家が、MLBの歴史を描いた『ベースボール』(94)というドキュメンタリーだった。
これは、1イニングを1時間とし、9イニング×2の18時間にわたって野球の歴史を描いた超大作だが、その“1回表”の冒頭で、アメリカ文化批評家のジェラルド・アーリーが、アメリカ史にとっての野球の意味について、こう語っていた。
「2000年後、もし誰かがアメリカの文明を学ぼうとしたら、アメリカが残せるものはたったの3つだ。合衆国憲法、ジャズ、そしてベースボール。この3つが、我々の文化が作り出したものの中で、最も美しくデザインされている」と。
ちょっと趣旨は違うが、勇の言葉とも通じるものがある。ひょっとして脚本の藤本有紀は、このドキュメンタリーを見たのかもしれないと思った。『ベースボール』は、随分前に、NHKで放送されたダイジェスト版しか見ていないので、いつかその全編に目を通してみたいと思っている。
https://www.youtube.com/watch?v=-_cuFNFqi2Y