『ブギーマン』(2023.7.28.ディズニー試写室)

母が交通事故死したショックから立ち直れずにいる女子高生のセイディ(ソフィー・サッチャー)と幼い妹のソーヤー(ビビアン・ライラ・ブレア)。セラピストである父ウィル(クリス・メッシーナ)もまた、妻を亡くした悲しみにとらわれ娘たちと向き合えずにいた。
ある日、ソーヤーが家の中で怪しい“何か”を目撃するが、セイディはまともに取りあわない。一方、ウィルのもとにレスターと名乗る謎の男が現れ、奇怪な告白をした後自殺する。そして姉妹を“何か”が襲い始める。
スティーブン・キングが欧米の昔話に登場する恐怖の存在「ブギーマン」を題材にした短編を原作に、得体の知れない何かに狙われる家族の恐怖を描いたサスペンスホラー。監督は『ズーム/見えない参加者』(20)のロブ・サベッジ。
「ハロウィン」シリーズに登場する殺人鬼も“ブギーマン”と呼ばれていたが、要は子どもたちが信じる怪物や幽霊の総称のようだ。今回は、悲しみやトラウマを抱えた家族(家)に謎の怪物が取りつくというもの。
暗闇と光や炎を対比させる映像表現や色遣いは面白いが、あまり怖くはない。それは演出に間延びしたところがあり、人物描写も雑だから、緊張感に欠け、しらけた気分になるからだろう。だいたい、大人たち(特に父親)が皆無能で、見ながら、思わず「おいおい…」と突っ込みを入れたくなるほどだった。
さて、アメリカの家は広くて大きいから、こうした話も成立するのだろうが、欧米に比べて住宅事情の悪い日本では、どこか遠い話のように感じてしまうところもあった。
『ズーム/見えない参加者』
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