田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

「ザ・プロファイラー~夢と野望の人生~」ビビアン・リー 「没後10年 高倉健にあいたい」 「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」犬神家の一族~エンターテインメントの革命児たち~

2025-01-05 15:21:27 | テレビ

年末年始に見たNHKの映画関連ドキュメンタリー。

「ザ・プロファイラー~夢と野望の人生~」ビビアン・リー 愛に芝居に…燃え尽きるまで(2024.12.26.)

 

 「私は女優になりたいの。大女優に」演技の勉強もしていない学生のビビアン・リーは、こう言い放った。以降、女優の道をまい進。そして『風と共に去りぬ』(39)のスカーレット役を勝ち取る。役を生きるかのように演じ切り、アカデミー賞を受賞。私生活でも憧れの俳優ローレンス・オリビエと結婚するなど順調な人生を歩む。しかし何を演じてもスカーレットと言われ、思い悩むうちに精神を病んでしまう。そんな時に『欲望という名の電車』(51)で身を削るようなハードなブランチ役と巡り会うが…。


「没後10年 高倉健にあいたい」(2024.12.29.)

 高倉健没後10年の2024年。健さんをよく知る人々とのエピソードや生前の映像、言葉から、“日本一愛された男”の素顔を浮き彫りにしていく。出演は、山田洋次監督、佐藤浩市、武田鉄矢らかつての共演者たち。彼らが健さんから継承したものとは? 唯一無二のスタイルを作り出した高倉健が愛された理由を探っていく。

「没後10年高倉健の世界」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/61665843deec91d685ed38707ecc65cd

『任侠映画のスターたち』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/85483d84925a696f8b433dd5ed395419


「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」「犬神家の一族~エンターテインメントの革命児たち~」(2025.1.5.)

 映画『犬神家の一族』(76)誕生の舞台裏に迫る。おどろおどろしいマスク姿の佐清、せい惨な連続殺人、それにまつわる数々の謎をとぼけた表情で推理する名探偵・金田一耕助の物語は、日本中に強烈なインパクトを与えた。

 だが、映画製作の舞台裏には、日本のエンターテインメント界に革命を起こそうとした男たちの野心があった。映画未経験の出版社の若き社長・角川春樹&鬼才・市川崑監督、金田一役の石坂浩二の知られざる物語。

『犬神家の一族』4K修復版
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8a3ea11048287138d4a7de3d9183c507

市川崑は文芸映画の監督でもあった
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/1c70eff55ee456f1dbeebf39ec5e6913

「悪魔が来りて笛を吹く」と角川映画
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/fd4ce566775e74e9d01cead0bff8b4d0

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『劇映画 孤独のグルメ』

2025-01-05 11:20:26 | 新作映画を見てみた

『劇映画 孤独のグルメ』(2024.12.19.東宝試写室)

 輸入雑貨の貿易商・井之頭五郎(松重豊)は、かつての恋人の娘・千秋(杏)からの依頼を受けてフランスへ向かう。 パリに到着した五郎はいつものように空腹を満たし、依頼者である千秋の祖父・一郎(塩見三省)のもとを訪れる。

 五島列島出身の一郎は、子どもの頃に飲んだスープをもう一度飲みたいと願っており、五郎にそのレシピと食材を探してほしいと依頼する。わずかなヒントを頼りに、究極のスープを求めてフランス、韓国、長崎、東京を駆け巡る五郎だったが、行く先々でさまざまな人物や事件に遭遇することになる。

 原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる同名漫画を実写ドラマ化した「孤独のグルメ」シリーズの劇場版。松重が自ら監督を務めた。韓国領の島で暮らす志穂(内田有紀)、スープ探しを手伝うことになる中川(磯村勇斗)、ラーメン店店主(オダギリジョー)、五郎の同業者・滝山(村田雄浩)、韓国入国審査官(ユ・ジェミョン)らが登場する。

 最近の年末年始は、このドラマのスペシャルと再放送を見て過ごすことが多いが、今年もそうだった。大まかに言えば、ただおじさんが食べ歩きをして独白するだけのドラマなのになぜか続けて見てしまう。もちろんその最たる理由は、うまそうな料理と松重の食べっぷりの良さにあるのだが、全体に流れる緩い雰囲気やBGMに癒やしの効果があるような気もする。ただし、このドラマや映画は空腹の時に見てはいけない。

 今回は映画版ということでちょっと心配したが、フランスや韓国にもロケをしてドラマ版とは一味違う広がりを感じさせながらそつなくまとめていたので一安心。ポン・ジュノに監督を依頼したが断られ、松重自身が監督をしたというのも笑える。

 料理や食べることを題材にした映画で言えば、自分には同時期に公開された『グランメゾン・パリ』よりもこちらの方が性に合っているとつくづく思った。


「孤独のグルメ」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/1219cd30dcb0ff995c0863c3f6b81906

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『映画 サラリーマン金太郎【暁】編』『映画 サラリーマン金太郎【魁】編』

2025-01-05 10:24:31 | 新作映画を見てみた

『映画 サラリーマン金太郎【暁】編』(2024.11.30.オンライン試写)

 元暴走族のリーダーでマグロ漁師からサラリーマンの世界に飛び込んだ不屈の男・矢島金太郎(鈴木伸之)が、持ち前の度胸や腕っぷしの強さを武器に令和の社会で大暴れする姿を描く。

 これまでも高橋克典や永井大の主演で映像化されてきた、本宮ひろ志の漫画『サラリーマン金太郎』を前後編2部作として新たに映画化。下山天が監督を務め、テレビドラマ「GTO」シリーズの田中眞一が脚本を手がけた。

 金太郎のライバル鷹司を城田優、金太郎の最大の理解者である大和建設会長・大和守之助を榎木孝明、金太郎と敵対する2代目社長・大島を橋本じゅん、専務の黒川を尾美としのり、金太郎に好意を寄せる高級クラブのママ・美鈴を石田ニコル、半グレグループのリーダー・李秀麗を文音、金太郎を会社で支える社員の一美を影山優佳、物語の鍵を握る老女・加代を浅野温子が演じる。

 昨年話題となった宮藤官九郎脚本のドラマ「不適切にもほどがある!」は、やれハラスメントだコンプライアンスだと何かとやかましく生きづらい今の世の中を皮肉った感があったが、久しぶりに復活したこの映画にも同種のものを感じる。

 時代遅れと笑わば笑えといったところだが、こうしたものが次々に出てくる背景には、今の本音を隠してうわべだけ上品になったように見せかける風潮への不満があるのだろう。ドラマ「バントマン」に続いて、鈴木伸之が熱血男を演じているところが面白かった。


『映画 サラリーマン金太郎【魁】編』

 大和建設に入社した矢島金太郎(鈴木伸之)は、初の本格的な仕事として、九州の地熱発電所のプロジェクトを任される。意気揚々と仕事場に赴く金太郎だったが、下請け会社の工事ボイコットや地元住民の発電所建設反対運動など、多くの困難に見舞われる。そんな中、けがの療養で世話になった温泉宿を手伝うようになった金太郎は、これまで見えてこなかった町の人々の思いや、隠されたさまざまな事情に気付いていく。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『MR. JIMMY ミスター・ジミー レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男』

2025-01-05 09:55:58 | 新作映画を見てみた

『MR. JIMMY ミスター・ジミー レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男』(2024.11.17.オンライン試写)

 新潟県十日町で育った桜井昭夫は高校時代にレッド・ツェッペリンのレコードと出会い、ジミー・ペイジのギタープレーのとりことなる。やがて上京した桜井は、昼は着物のセールスマンとして働き、夜はペイジのギターテクニックと人格を身につけた「ジミー桜井」として活動。35年間にわたって、東京の小さなクラブでレッド・ツェッペリンのビンテージコンサートを完璧に再現してきた。

 そんな中、来日中のペイジ本人が桜井の演奏会場をお忍びで訪れたことで、桜井の人生は大きく動き始める。本物のペイジの喝采に触発された彼はサラリーマンを辞め、家族を置いてロサンゼルスに移住し、レッド・ツェッペリンのコピーバンド「Led Zepagain」に参加する。だが、言葉の壁や過酷を極めるツアー、メンバーとのあつれきなど、さまざまな困難に見舞われる。

 レッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジになりきることをライフワークとする一人の日本人の姿を追ったドキュメンタリー。ペイジを完璧に再現するための桜井の徹底ぶりはもはや狂気的。その狂気に手を貸す、ギターやアンプの製作者、衣装デザイナーといった職人たちの仕事にも驚いた。このドキュメンタリーの核は、桜井はもちろん彼と職人たちとのやり取りにあると言ってもいい。

 ただ、一人でレッド・ツェッペリンにはなれないわけで、自分と同じ熱量や技量を持ったバンドメンバーとはなかなか巡り合えず、桜井が浮いてしまう孤独な姿が印象に残る。直訳ロッカー王様もマニアックだが彼はちゃんと観客との距離を測って楽しませる。それに対して桜井の狂気にはちょっと付いていけないものを感じるのだ。


日本語直訳ツェッペリン研究会
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2425e9ebea4c8b6bf9eae3a6722bb51d

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「BSシネマ」『カメラを止めるな!』

2025-01-04 08:15:58 | ブラウン管の映画館

『カメラを止めるな!』(18)

こんな奇跡がいつ起きるとも限らないから映画作りはやめられない
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e762bcf00aefa8632e51380f68a37003

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「BSシネマ」『ビッグ・フィッシュ』

2025-01-04 08:00:16 | ブラウン管の映画館

『ビッグ・フィッシュ』(03)(2006.1.9.WOWOW)

 

 奇想天外な話で周囲を楽しませていた父エドワード(アルバート・フィニー)と、父の話は作り話だと思い疎遠になっていた息子のウィル(ビリー・クラダップ)。父の死期が迫っていると連絡を受けたウィルは、妻(マリオン・コティヤール)と共に久しぶりに故郷へ戻るが…。

 『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)のような、いかにもアメリカらしい寓話のようなホラ話の連続と、『フィールド・オブ・ドリームス』(89)のようなファンタジーにおける父子の和解、それからフェリーニ風のサーカスと、いろいろな要素が詰め込まれた作品。

 全体的にはティム・バートンにしてはストレート過ぎて抑え気味かとも思えるが、グロテスクな描写やサーカスの場面ではちゃんと彼の個性が発揮され、バランスのいい映画になっている。俳優陣も、エドワードの若き日と老年を演じたユアン・マクレガーとフィニイがそれぞれの良さを出していた。

 とは言え、やはり圧巻は夢(うそ)と現実(真実)が重なるラストシーン。ここはまるでフランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生!』(46)を思わせる。ひょっとしたらバートンの映画の中でこれが一番好きかもしれない。


【インタビュー】『ダンボ』ティム・バートン監督
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/18754cbd4bb244f2cb6b7f0e7a1a7348


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「BSシネマ」『今夜、ロマンス劇場で』

2025-01-03 08:00:09 | ブラウン管の映画館

『今夜、ロマンス劇場で』(18)

綾瀬はるかをいかに美しく、魅力的に見せるかに力を込めた
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/cead5d816f3e228fdc9791be241f73f4

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「BSシネマ」『そして父になる』

2025-01-02 08:15:31 | ブラウン管の映画館

『そして父になる』(13)

血のつながりや家族について問い掛ける
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/54277

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「BSシネマ」『レ・ミゼラブル』

2025-01-02 08:00:45 | ブラウン管の映画館

『レ・ミゼラブル』(12)(2012.12.10.スペースFS汐留)

 19世紀フランス。パンを盗んだ罪で19年間服役したジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、仮釈放されるが生活に窮し再び盗みを働く。司教の真心に触れて改心し、名前を変え事業で成功を収め、やがて市長にまで上り詰めるが、ジャベール警部(ラッセル・クロウ)の執拗な追跡が続く。ビクトル・ユゴー原作のミュージカルを映画化。監督はトム・フーパー。

 テレビシリーズや映画の『逃亡者』の大元は、ユゴーの『ああ無情』だったのか。ただ、この映画に関しては、ほぼ全編を歌で通したのは失敗だったのではと感じた。いいミュージカルは必ず何曲かは耳に残る曲があるのだが、ずっと歌っているからメリハリがなく、ただ右から左へ流れていく感じがして、見ていて疲れた。また、大げさなコメディを見ているように感じるところもあった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする