『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
“黒澤映画の影”が見え隠れする
『散り椿』
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/8a/4b4176fdc904644c46a8725e497bca6b.jpg)
詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1165223
両親を亡くしたルイス(オーウェン・ヴァガーロ)は、伯父のジョナサン(ジャック・ブラック)に引き取られ、彼が住む古い屋敷を訪れるが、彼は二流の魔法使いだった。ルイスは、ジョナサンと隣人の魔法使いツィマーマン夫人(ケイト・ブランシェット)と共に、屋敷に隠された“世界を破滅に導く時計”を探すことになる。
この映画の舞台は1950年代だが、監督がホラー畑のイーライ・ロスであるのに加えて、アンブリンが製作したためか、『トワイライトゾーン/超次元の体験』(83)や『グレムリン』(84)、『ロジャーラビット』(88)など、グロテスクでダークな雰囲気を持った80年代のこの手の映画に似ている気がした。
敵役のカイル・マクラクランの怪演は予想通りだったが、70年代から活躍しているコリーン・キャンプが隣の太っちょおばさんとして出てきたのには驚いた。
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
ジョンソンの存在を際立たせるためのアイデアの集積が見事な
『スカイスクレイパー』
詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1164521
三上延の原作小説を、三島有紀子が監督して映画化。
就職浪人の五浦大輔(野村周平)は、祖母(渡辺美佐子)の遺品で、夏目漱石のサインが入った『それから』を、鎌倉のビブリア古書堂に持ち込む。店主の篠川栞子(黒木華)は筋金入りの古書マニアだったが、大輔はこの店でアルバイトをすることになる。
現在と50年前の二つの恋を交差させて描きながら、漱石の『それから』と太宰治の『晩年』をめぐる謎を解いていく、という趣向は面白いが、ミステリーとしては弱く、人物描写も軽いところが残念。
とは言え、大道具としての古書店、小道具としての古書、万年筆、原稿用紙、本をめくる音などで、本好きのツボを突きながら、同時に、本以外のことには無頓着な“古書マニアの業”も描き込んでいるところは面白かった。
黒木華は、どちらかと言えば時代劇や古風な役が似合うので、こうした役は新鮮に映った。