『大西部への道』(67)(1975.1.2.)
1843年、ミズーリ。オレゴンで新しい町を築くことを決意した上院議員のタドロック(カーク・ダグラス)は、先住民の妻を失い、隠遁生活を続けているサマーズ(ロバート・ミッチャム)に案内を依頼する。
タドロックが結成したキャラバン隊には、オレゴンこそ安住の地と考えるエバンス(リチャード・ウィドマーク)一家、恋を夢見る少女マーシー(サリー・フィールド)など、さまざまな人々が集う。
ピューリッツァ賞を受賞したA・B・ガスリー・Jr.の小説を原作に、壮大なスケールで描いた本格西部劇。監督はアンドリュー・V・マクラグレン。
この映画を初めて見たのは、遥か昔の中学生時代。正月深夜のテレビ放送だった。3大スターがそれぞれの個性を出してはいるが、全体的には人物描写が大雑把なので、感動は薄く、退屈に感じて、眠いのをこらえながら見た覚えがある。
マクラグレンが活躍した時代は、すでに正統派西部劇は晩年を迎えており、西部の家族劇を基調とする彼の真面目な作風は、残念ながらいささか時代遅れに見えたし、語り口にも冗漫なところが目立った。
ところが、昔は時代遅れと思ったそのゆったりとした演出が、今は逆に心地良く感じられたりもする。これは自分が年を取った性なのか…。
今回は、同じくオレゴントレイルを描いた『ミークス・カットオフ』と、9月23日公開の『カラミティ』つながりで見てみたのだが、こちらは良くも悪くも娯楽作であり、同じ対象を扱っても、描き方はこうも違うのか…という印象を受けた。で、自分はやっぱり娯楽作の方が好きだ。
今回は、3大スターにも増して、怪しい説教師役のジャック・イーラムが印象に残った。
『ミークス・カットオフ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/3c31e072348d273fe28ce5cd1c5e94b5
『カラミティ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b9ecfa801c8b9bf56011a4245d67649c