ダウニー・Jr.が一人四役で見せる
『トレマーズ』(89)『シティ・スリッカーズ』(91)に続いてロン・アンダーウッドが監督した“ゴースト・コメディ”です。
出産直前で病院へ急ぐ夫婦を乗せた車がバスと衝突。事故で亡くなった4人の乗客(チャールズ・グローディン、カイラ・セジウィックら)が幽霊となって、事故時に生まれたトーマスのお守り役になります。
1950年代を舞台にしたこの導入部のノスタルジックな雰囲気がなかなかいいのです。
やがてトーマスの将来を気遣った4人は身を隠しますが、成人したトーマス(ロバート・ダウニーJr.)は彼らの存在を忘れて無慈悲な仕事人間に。
そんな中、成仏の時が迫った4人は、トーマスに乗り移ってこの世に思い残したあれこれを達成しようとします。
ここからこの映画はコメディとしての真価を発揮します。4人に乗り移られたダウニーJr.が一人で四役を演じて大いに笑わせてくれるのです。
同時期に『チャーリー』(93)で喜劇王チャールズ・チャップリンを見事に演じた、彼ならではの芸当です。
そして笑った後にはトーマスと4人による心温まる人情話も用意されています。
スティーブン・ビショップが歌う主題歌「Heart and Souls」もメロウな名曲です。