『英国王のスピーチ』(10)
コリン・ファースよりもジェフリー・ラッシュの映画
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7c16409bd92214c43089ff9b78cf62c5
『英国王のスピーチ』(10)
コリン・ファースよりもジェフリー・ラッシュの映画
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『地平線から来た男』(71)(1977.7.25.月曜ロードショー)
酔ったあげく結婚の約束をした婚約者から逃れようと、こっそり列車から途中下車をしたラティゴ・スミス(ジェームズ・ガーナー)。降りた町パガトリーでは2人の鉱山主が対立していた。
鉱山主のバートン(ハリー・モーガン)からすご腕のガンマンと勘違いされたラティゴは、連れのジャグ・メイ(ジャック・イーラム)をガンマンに仕立てて、用心棒代をいただこうとする。ところが、そこへ本物のすご腕ガンマン(チャック・コナーズ)が現れて…。
『用心棒』(61)と『荒野の用心棒』(64)をパロディ化し、『夕陽に立つ保安官』(69)に続いて、ガーナーとバート・ケネディ監督が組んだコメディ西部劇。『夕陽に立つ保安官』の原題は「Support Your Local Sheriff」。こちらは「Support Your Local Gunfighter」。イーラムの怪演が光る。
『夕陽に立つ保安官』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/411b5ea11a225df63f1c8fa75f6778ba
『マイノリティ・リポート』(02)(2005.7.19.)
2054年、米ワシントンでは未来を予知する超能力者と最新技術によって、罪を犯す前に犯罪者を逮捕する制度が運用されていた。ところが、捜査官のアンダートン(トム・クルーズ)は、殺人犯として予知されてしまう。アンダートンは必死に逃亡し、真実を暴こうとするが…。
『宇宙戦争』(05)の余波をかって未見だったこの映画をDVDで見てみた。クルーズの逃亡劇という点では、この映画の延長線上に『宇宙戦争』があるのは明らかだ。
さて、冒頭の殺人予知システムによる犯人逮捕のスピード感と緊張感が抜群で、こりゃあすごい映画かもと思わされたものの、その後、話が複雑になって説明が多くなり、最初の期待感からはいささか外れる。
このへんが、『プライベート・ライアン』(98)あたりからのスピルバーグの弱点、あるいはストレート勝負が出来なくなった衰えなのかな(『宇宙戦争』も)。
もっともこの映画はやはり原作者である“すれすれSF作家”フィリップ・K・ディックの味わいが濃くて、『トータル・リコール』(90)のダン・オバノンたち同様、今回のスコット・フランク、ジョン・コーヘンもまた、よくもまあこんな話をシナリオ化したなあという感じがする。ディックの“記憶”に対するイメージは夢魔に近い。
『ゴールデン・チャイルド』(86)(1989.10.28.ゴールデン洋画劇場)
謎の邪教集団に誘拐された神の子「ゴールデン・チャイルド」の奪還に奔走する探偵(エディ・マーフィ)の活躍を描く、コミカルな冒険アクション。
『がんばれ!ベアーズ』(76)のマイケル・リッチーの久々の監督作ということで期待を込めて見てみたのだが、ただ単にエディ・マーフィのキャラクターに頼っただけの、どうということもない映画になっていたので、少々がっかりした。
ただ、主役が子どもだから、規制の厳しいアメリカでは、いろいろと抑えて作らなければならなかったのかもしれないが、同種の『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(84)などは、それでもきちんと作っているから、それが言い訳にはならないだろう。
ところで、前から思っていたのだが、近鉄のブライアントは本当にマーフィとよく似ていると再確認させられた。
『君がいた夏』(88)(1989.11.3.ビデオ)
落ちぶれた野球選手のビリー(マーク・ハーモン)は、疎遠だったいとこのケーティー(ジョディ・フォスター)が亡くなったことを知る。6歳年上のケーティーはビリーの初恋の女性だった。故郷フィラデルフィアへ向かうビリーに、ケーティーとの甘く切ない思い出が去来する。デビッド・フォスターの音楽も美しいノスタルジックな青春ドラマ。
映画全体から見れば、ストーリーの脱線や散漫さが目につき、現在と過去の描き方もいまひとつ弱いということでそれほどの出来ではない。ただ、どうもこうした過去と現在が交錯するノスタルジックでセンチメンタルな題材には弱く、どうしても見方が甘くなってしまうところがあった。
加えて、ストーリーのキーポイントに、またしても父と子のキャッチボールがあり、現在の落ちぶれた主人公が過去の思い出にふれることによって、自分の居場所、つまりホームに帰っていくところに、野球と重なる部分があった。どうやら野球には、男を少年に戻してくれる効果があるようだ。
さらに、主人公の年上の女をジョディ・フォスターが演じているのが好ましい。彼女もついに年上の女を演じる年頃になったのかという感慨もあるが、この映画のジョディは、いつもの冷めたイメージ(それもまた魅力的ではあったが…)ではなく、色っぽさに加えて弱さや哀愁を感じさせるところが、男心をくすぐるいい女として映った。
というわけで、野球とジョディの存在にうまくだまされて? 随分と点数が甘くなった気がする。