『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
通勤電車を舞台にした至極のサスペンス
『トレイン・ミッション』
リュック・ベッソンの自由奔放なイメージが爆発した
『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』の2本立て
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https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1145837
「わろてんか」で広瀬アリスが歌った「アラビアの唄」で二村定一のことを思い出し、もう一度彼らが活躍した時代について書かれたものが読みたいと思った。そんな中、タイミングよく日暮里の「古書ほうろう」で本書を発見した。エノケン=榎本健一を中心に、過ぎし日の東京喜劇を研究したこの本は、資料としても貴重だ。
「映画のなかのエノケン」(佐藤利明)、「エノケンとジャズ」(瀬川昌久)、「エノケンとチャップリン」(井崎博之)など、やはりエノケンと映画の関わりについて書かれたものが印象に残る。
研究員の一人である原健太郎氏があとがきで、エノケンたちの舞台について「わたしたちの世代は、確かに何も見ていません。生まれる以前におこなわれたことなのです。時代を共に生きてこなかった以上、それは不可能です。では、わたしたちは何も言う資格はないのでしょうか」と書いていた。
この言葉は、自分が生まれる前に作られた古い映画について書いたり、語ったりする時によく感じるジレンマと通じるものがある。ところが自分も、今の若者が1970~80年代の映画について書いたものを読むと「リアルタイムじゃないだろ」などと素直に認めないところがあるのだから、困ったものだ。
「アラビアの唄」 エノケンとその仲間たち
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c5c5c9c9e274cc51e260d9cdea01cd0a