プロボクシングの元ヘビー級3団体統一王者のマイク・タイソンと元4階級制覇のロイ・ジョーンズによる、ヘビー級エキシビションマッチが行われた。結果は予定通り?のドローだったが、タイソンの動きがが思いの外よかったことに驚いた。10年ほど前に見た、タイソンのドキュメンタリー映画のことを思い出した。
『マイク・タイソン-THE MOVIE-』(08)(2010.4.24.スペースFS汐留)
40歳になったタイソンが、己のことを赤裸々にしゃべりまくるドキュメンタリーだが、圧倒的に強かったころの試合と、めちゃくちゃな私生活とのギャップ、そしてボクサーとしてのまさかの衰えを見せられると、タイソンが孤独な裸の王様のように見えて切なくなってきた。
とにかく全盛期のタイソンは強かった、速かった、うまかった。その戦いをリアルタイムで見られたことを誇りに思えるボクサーだった。だが、いまや“~だった”とすべてを過去形で語らなければならない。時は流れたのだと改めて実感させられた。
モハメド・アリのように自分をコントロールするのが苦手なタイソンにとって、致命的だったのはチャンピオンになる前に恩師カス・ダマトを失ったことだろう。人生に「もし」はないが、こうして彼の波乱の人生を見せられると、やはり、もしカス・ダマトがもう少し長生きしていたら…と思わずにはいられない。最後にタイソンが「俺の過去はヒストリー、未来はミステリー」と語ったひとことが印象的だった。
タイソンが出演した『イップ・マン 継承』
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