かわずの呟き

ヒキガエルになるかアマガエルなるか、それは定かでないが、日々思いついたことを、書きつけてみようと思う

週刊ダイヤモンドの「そうだったのか!ピケティ」が届き夢中で読みました。

2015-02-14 | 気ままなる日々の記録

  最初に思ったことですが、経済界の人たちは本当によく勉強するなあ。ということです。

  科学の最先端のことを説明した雑誌を経済関係の出版社が特集すればこれが飛ぶように売れ、今度はフランスの経済学者が書いた本が最初アメリカで30万部も売れ、それの訳本が上下2冊になって出版されるとこれが日本で驚異的に売れているようで、この週刊誌はその本の概要を紹介したものです。

  ピケティ氏はフランスの経済学者で『21世紀の資本』と云う論文を世界の経済学者と共同研究と云う形で書き上げ、その論文が世界的に注目されているということのようです。この雑誌は、その内容を池上彰氏がピケティ氏と対談しながら詳記するという形式で編集されているところばがいい。分かりやすく読みやすい。従来はお金持ちと貧乏人の間の格差は、その国のGDPが大きくなれば縮小すると楽観的に考えられていました。しかしピケティたちの調査研究によると実はGDPが大きくなれば格差が拡大することが証明されたというのがこの論文の骨子です。つまり高度成長を続ける国にとっては強力な格差縮小政策が必要だというのです。つまり低所得者層への強力な支援政策です。例えば子育て中の所帯に対する各種の補助政策です。イギリスが社会主義政党に政権を取られないように実施した「揺り籠から墓場まで」政策です。財源はもちろん高額所得者から徴収します。実はこの政策は行き詰って,イギリスが『イギリス病』と呼ばれた長期的な不況に悩まされ、サッチャ^-さんが、福祉政策に大ナタを振るいやっとGDPが増加する国になったという歴史があります。

ところで、ピケティ氏は低所得者層への支援政策についての財源に言及していません。

普通に考えると累進課税か消費税かである。私は累進課税がいい制度だとは思えません。

人間には個性があり能力差があります。努力を重ねあるいは能力を発揮して高額所得を得た人から罰金を取るように高額の税を取るという社会が健全な社会と 思えないからです。議会で決めれば低所得者が圧倒的に多いから、累進課税の税法はすぐに成立するでしょう。恒久的にそうした制度で固めようとしたのがマルクスであり社会主義社会だととも言えます。

相続税の高額化も同じです。能力のある人が自分の子どものために頑張って多額の資産を残したのを税でとってしまうなどということは、紳士のすることではないとと思えるからです。

 能力のある人、良く努力した人は尊敬されるべきです。どんな名前であれ、罰金を払わせられるべきではありません。会社を興しその会社を大きくすれば雇用が生まれ法人税も払ってくれます。

しかし、あまり法人税が高いと法人税のない国へ本社を移し、世界中から本社が移された国もでてきました。

アメリカでは、高額所得者が集まる地方自治体が生まれ、低所得者が、移住しにくい制度を作ったとかいう話も聞きました。こんな地域割りが進むと、ゆくゆくは内戦が起こるでしょう。

そうではなく、気持ちよく助け合いがなされ、皆が自分の個性や能力を精一杯発揮できる社会はどうあるべきか、経済学者も社会学者ももっと考えるべきでしょう。マルクスの提案も失敗、その意味でピケティ氏の発見も問題提起に留まっていて、それほど騒ぐ価値もないと思われます

 低所得者が何でも政府に要求し、自己努力や自己開発を怠るような社会になってしまったらそうした社会は、重症患者と云うべきでしょう。とくに官僚が累進課税や高額相続税などを提唱し社会を病気に追い込み自分たちが担当している仕事に沢山の予算を獲得しいい顔をしようとする傾向がありますから要注意です。

ピケティ論文が話題になっている今こそ、経済学を専攻している研究者にお願いして、個々人の能力を最大限発揮し、全国民が努力を惜しまず、尚且つ人間性豊かにみんなで助け合う社会を構築するには、経済システムはどうあるべきかを研究していただきたいと思います。マルクスの提案は一見良さそうでしたが、根本的な失敗があったことは明らかです。マルクスは人間理解が劣っていたといえるでしょう。