かわずの呟き

ヒキガエルになるかアマガエルなるか、それは定かでないが、日々思いついたことを、書きつけてみようと思う

二月の夕焼

2015-02-27 | 気ままなる日々の記録

  

  

  

宗教学者山折哲夫氏の随筆にあったと思うが、日本人は世界一夕日を眺めることが好きな民族だという。その背景にあるのは、もちろん仏教で、浄土宗・浄土真宗の広まりとともに、夕日の向こうに浄土を見ていたというのである。能登半島や東北地方の西側海岸線に、日本海の彼方に沈む夕日を拝む絶景ポイントがあり、有名な観光スポットとしてベンチが設けられたり宿泊施設ができたりしている。

オーストラリアの西海岸にパースと云う都市がある。ここは、英国人が最初に入植し、建設した都市だけあって、なかなかいい街である。シンガポールから空路この地に降り、レンタカーをレンタルして、インド洋の海岸線に沿って車で南下するという旅をしたことがある。圧巻は勿論、インド洋の彼方に沈む夕日、連日それを楽しみながら地図上の南極海まで行った。小さな町のスーパーに入って家内が食料品を仕入れ、私はワインを選び、モーター・インに入って自炊、と云う毎日だった。雄大な自然に囲まれ、人々は親切で親日的、シニア―世代の人がサーフィンを楽しみ、日暮れとともにボードを小脇に抱え頭から水滴を落としながら浜辺を歩いていたりする。

 モーター・インに帰ってシャワーを浴び、ベランダに出て、インド洋に沈む夕日を見ながらワインをたしなむ。夕日が当たるワイングラスも格別である。

サン・セット・ビューといえばサンフランシスコも有名です。市街地から車で簡単に入れるツイン、ヒルズ(二つの丘)の一つの頂上にベンチなどが置いてあって太平洋へ沈む雄大な夕日を見ることができます。しかし、実はここからは、サンフランシスコの美しいネオンに輝くお花畑のような夜景も楽しむことができ、アメリカ人はこちらの方が好きのようで、ここは、熱いデート・スポットとしても有名です。

若いときは、夕日を見ながら、夕日が沈むのは地球の自転のせい、地球の自転の速さはどのくらいだろうか、もちろん場所によって違うだろうが、赤道面で時速何キロだろう、などと云うことを考えていた。地球の赤道面の胴回りは40000キロだから24で割ればいいはず、答えは1670㎞、凄い速さだ。空気も連れて廻っていてくれるから何事も起こらないが、そうでなかったら、人間もビルディングも強風によって吹き飛ばされている。いや、これは赤道面の話で、北極点は胴回りが0mだから、風は吹かない、正しくは緯度によって風速が違うはず。思えば地球の自転・公転から降り注ぐ太陽光とスすべての動物の食糧となっている植物の葉で行われている炭酸同化作用まで、全ては巨大な大自然の営みであり、この中に、人間の生活があります。逆に言えば、人間の生活も、大自然の営みの一部分にすぎないことを、忘れてはいけません。すべてが大自然の奥に鎮座まします大御神の思召しのとおりです。(註)1670000÷3600≒464  つまりおよそ秒速464mの強風です。