鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第982回】 住宅業界も多店舗化の時代に・・・

2013年09月08日 | 住宅コンサルタントとして
住宅業界は、他のいろんな業界と比較して、
チェーン展開が難しいと言われていましたし、私自身もそう思っていました。

しかしながら、いよいよ多店舗展開の時代になったなぁ、とつくづく感じております。

大手ハウスメーカーと地域を代表する住宅会社さんの争いが激化すると共に、
建設業の発想から抜け出せない会社の仕事量が激減するであろうと思います。

これまで住宅業界では、個人経営と言ってもいいような規模の工務店さんも
仕事を受注することが出来ていました。

一方、食料品販売の業界では、大半の個人商店は淘汰され、
イオンやヨーカドーなどの全国大手と、
それから中部エリアのバローや北陸エリアのナルス、北海道エリアのアークスなどの地場系のスーパーが
しのぎを削って日々、商売をされています。

住宅業界もそうなっていくことでしょう。

それなりの規模になると、個人経営の工務店さんとの仕入れコストの差が大きく異なり、
材料が圧倒的に安くなります。

また、電気や設備、基礎、屋根など職人さんの手間がコストに大きく反映する分野に関しても、
コストダウン交渉や工程管理がスムーズな会社が仕入れ価格を安く実現するので、
恐らく原価の部分では圧倒的な差がつくでしょう、特に増税後の反動時期に・・・。

良い家をつくる技術やデザイン力は、当然ながらこれからも必要ですが、
それだけで成長出来なくなる時代がもうすぐそこまで来ています。
ただ、それに気づいていない経営者が多すぎなんですよね・・・。

本当にこれからの工務店さんは、経営についてしっかりと勉強しなくてはなりません。
そして経営者が経営という本業に従事しなければならないと思っています。

ご縁を頂戴しているクライアント様の中で、
間違いなく勝ち残る企業さんの経営レベルは、ハンパなく高く、
ちょっと良い家をつくることができるだけ
(←こういう言い方は気分を悪くされる方もいるでしょうが、ご容赦下さい)
の工務店さんとの意識・レベルの差は、開く一方な感じがします。

会社の規模を大きくすることが目的だと本末転倒ですが、
良い家をつくり続け、その情報を発信し続け、スタッフが育つ環境を用意し続け、
新たなサービスを開発し続け、コストダウンをし続け、品質を上げる。
こんなことは、経営者一人では出来ないのです。

新人を採用し、育つ環境をつくれる企業が、この業界にも少しずつですが、増えてきました。

最終的に、スタッフを育てられる、もしくはスタッフが育つ環境をつくれる企業が、
20~30年後に勝っていると思います。

目先の仕事確保にだけ、躍起になる。
そういう会社が淘汰される時代になりました。

皆さんの会社は、そういう意識ではないですよね?
コメント
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