鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第1002回】 健全成長の条件

2013年09月28日 | 住宅コンサルタントとして
工務店さんの中には、ちょっと頭が切れて、
自分一人の力で企画・マーケティング・営業・設計・現場管理までを一人でそれなりの棟数、
出来る方が、稀におられます。

先代の頃は単なる大工で、年間1棟元請物件があるかどうか、くらいの規模だったり、
先代の頃には年間せいぜい3~4棟程度の元請だった工務店さんの2代目。
はたまたある工務店に勤めていた方で、独立した方などに、
一人で何でも出来てしまう方が、数としては少ないですが、そこそこおられます。

そして、そういう個人として出来る方が、ある程度実権を握ると、
市場に対していろいろと仕掛け、年間15棟~30棟前後にまで成長されるケースもあります。

しかしながら、そこから先、成長がパタッととまるんですね・・・。
棟数の成長というより、組織として、会社としての成長が止まる感じです。

その後、スタッフが定着しない状態がずっと続く訳です。
そして最終的に経営者のバイタリティーや感性の衰えと共に、会社の業績は右肩下がりになる・・・。

こういう工務店さんがそこそこあるのです。

住宅業界は、なんだかんだ言って、最終的に人で決まる業界です。
それなりの棟数を安定して受注し、高い品質で施工し、お客様が満足されるようなアフター対応をするためには、
どうしてもスタッフの頭数が最低限、必要です。

安定成長していく上で絶対に欠かせないのが、
「この会社で働きたい」とスタッフの方に思ってもらえる会社づくり。

そして出来れば、優秀なスタッフが「働きたい!」と思ってもらえるようにしたいのです。

組織が大きくなっていかない会社の経営者は、完全に自分を基準にして、
スタッフの人の仕事っぷりやパフォーマンスを評価しがちです。

自分が基準だから、ほぼすべてのスタッフの働きに不満を持っていたりします。
それがいつしか溝を生み、スタッフの方が去って行ってしまうのです。

一方、健全に成長している会社は、
経営者が「経営者とサラリーマンはそもそも違う人種」ということをよく分かっていて、
スタッフの方に過度の期待はしていないのです。
そしてそういう会社の経営者は、謙虚で感謝の気持ちも強いので、
スタッフの方がちょっと結果を出すとすごく喜ばれ、感謝されたりするのです。

まあ、社員さんを大切にする、という感じでしょうか。

もちろん、たまに退職するスタッフもおられますが、
何よりトップ自らスタッフの方たちに対する感謝の気持ちを持っているので、
会社の雰囲気が非常に良いのです。

企業が健全に成長していこうと思えば、スタッフが会社や仕事を好きになり、定着してくれ、
更に成長していってもらえることが欠かせないのです。

皆さんの会社は、そうなっていますか?
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