鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第986回】 「なぜ?」と疑問に思える大切さ

2013年09月12日 | 住宅コンサルタントとして
住宅業界で売れている営業マンと売れていない営業マンの違い。
それは、お客様のことをどこまで把握しているのかという理解の差だと感じています。

結果が出ていない営業マンによくあるパターンです。
営業会議で見込み客への状況の確認の際に、

上司:「このお客様の予算はどれくらいなの?」
営業マン:「総額で3000万円です」
上司:「なぜ3000万円なの?」
営業マン:「いや、お客様がそうおっしゃってまして・・・」
上司:「自己資金はどれくらいなの?」
営業マン:「確認していないです」
上司:「今のお住まいの家賃は大体どれくらいお支払なの?」
営業マン:「訊いてないです・・・」

というようなレベルの会話になってしまうことがあります。

お客様がおっしゃったことの根拠や理由に関心が無いというか、
お客様がおっしゃったことをそのまま受け止めているんですね。

これでは、とてもお客様のことを把握しているとは言えないです。
でも、このレベルの把握しか出来ていない営業マンがとても多い・・・。

なぜ3000万円とお客様はおっしゃるのか?
今の家賃はいくらくらい払っておられるのか?
3100万円だと、住宅ローンの月々の支払い額が3000円程度アップするが、
月に3000円、住宅ローンの返済が増えるとやりくり出来ないのか?
今の住まいの光熱費はいくらかかっているのか?
もし、光熱費が今のアパートより5000円安くなったとしたら、
その5000円は住宅ローンの返済に回せないのか?
住宅ローン控除でいくら返ってきて、逆に固定資産税がいくらくらいかかるのか知っているのか?
住宅ローン控除額の戻りの方が多い場合、その多い分は月々の返済に充てることは出来ないのか?

などなど、いろんなことが気になって、そうした疑問をお客様にぶつけ、考えていただくことで、
お客様も何の根拠もなく3000万と言っていた、ということに気付くケースが多いのです。

土地を探しているお客様でも、同じようにいろんな質問をぶつけることで、
まとまっていないお客様の考えがまとまっていくのです。

こうして、お金のことや土地のことに対し、
自分達が求めていることを明確化するお手伝いこそが住宅営業マンの使命なのに、
自社の家の商品的特長や自分の会社の良いところを説明し続けて、
お客様の現状を把握出来ていない営業マンが本当に多いのですね。

質問を投げかけ、お客様の漠然とした考えを明確化するお手伝いをするのが、営業マンなのです。

決めるのはお客様。
営業マンのトークで意思が変わるお客様など居ないのです。
お客様の意思決定のお手伝いこそが大切なのです。

そうするためには、お客様が言われることに対して、

「なぜ、そうおっしゃるのだろう?」
「その根拠は何なのだろう?」

と疑問に思える感性が必要です。
ここが、住宅営業の最大のポイントの1つと言っていいでしょう。

「なぜ?」と疑問に思える感性。
皆様にはありますか?
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