毎年、11月の後半になると、
朝、もしくは夕方から夜にかけて、
救急車のサイレンの音をよく聞きます。
特に今年は、本当に多く、
ひどい時は1日に4~5回以上、
耳にすることがあったりします。
この原因は、当然いろいろとあるでしょうが、
圧倒的に多いのは、ヒートショックにより、
浴室内で意識を失っていたり、
溺れてしまっている方が多いということ。
家庭内での死亡事故は、
交通事故よりも圧倒的に多いのです。
この原因は、浴室と脱衣室における、
断熱と換気が圧倒的に不足しているからです。
床断熱工法を採用している会社の場合、
浴室下の断熱、並びに浴室と脱衣室の間の断熱や気密が
非常に取りにくくなりがちなのですね。
北海道の場合、床断熱を採用する場合は、
浴室の下に断熱材の受けを設置し、
断熱材をビッチリ入れたり、ブローイングを吹くのですが、
2005年に関西に帰ってきて、
建築現場を回って浴室周辺の断熱について、
気を使って施工している会社は当時なく、
そりゃ、お風呂場が冬に寒いよなぁ、と思ったものでした。
浴室や脱衣室の断熱と気密を取る上で、
最も効果的なのは、
私が推している基礎断熱なんですけどね・・・。
ちなみに、北海道の住宅会社の大半が
基礎断熱を採用しているので、
北海道ではお風呂場が寒い、ということがありません。
古い家や、断熱や気密の知識が欠けている会社で、
家を建てたご家庭は、冬、本当に危険となります。
これを防ぐためには、家をリフォームするか、
脱衣室とお風呂場に暖房機器を置いて、
最低でも脱衣室やお風呂場の温度を
16℃以上に保つようにすることです。
日本の家の性能は、本当に低すぎる。
救急車のサイレンを冬場、耳にする度に、
いつもそう思ってしまいます。
冬でもあたたかい浴室で入浴可能な、
性能の高い家を広めていきたいと思っています。