鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第5156回】 過去の成功体験を忘れられるか?

2025年02月10日 | 住宅コンサルタントとして
過去の成功体験が忘れられない人が、
かなり多いのではないか、と最近思います。

ローコスト層の顧客は、昨今の物価高の中、
毎月の生活に追われていて
マイホームを建てるような心境ではない、
ということを何度もお伝えしてきているのですが、
過去、ローコストで成長してきた会社や、
ローコスト住宅の販売で結果を出してきた営業マンは、
ライバルよりも安くすることで選んでもらえる、と考えがちです。

今、家を建てようと動かれている方は、
それなりに所得が高く、良いものを見てきているので、
例えば外壁や床材などは、
イミテーションではなくホンモノの材料を使った方が良い、
とお伝えしても、
キズに強いカラーフロアを採用したり、
お手入れ楽で価格も安い窯業サイディングを
採用したりするのです。

結果、今の市場にわずかしかいない、
ローコスト層のお客様を同じようなローコスト系の会社と
奪い合う、という悲惨な戦いをしているのです。

今、住宅事業で成長するのであれば、
アッパーミドル層の顧客のニーズに合う商品を開発し、
その層の方たちが情報収集をしているところで
その価値を伝えていかなければならないのに・・・。

過去、安さの訴求で多くのお客様を集客し、
スピード感ある契約をバシバシしていた時の経験が
忘れられないのでしょう。

また15年クライ前から、
センスの良い規格住宅を扱うことで
効率よく契約し、成長した住宅会社も、
その時の経験が忘れられなかったりします。

今のお客様はInstagramやYouTubeで
いろんな建物の動画や平面図を見まくっているので、
自分なりの要望をかなりお持ちですから、
自由設計に対応しなくては今後、難しくなる、
ということをお伝えしても、
なかなか自由設計に対応しなかったりするのです。

過去の成功体験が忘れられず、
今のお客様の要望に対応しなければ、
それは集客や受注が下がるだけなのです。

過去の成功体験、
捨てることができますか?

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【第5155回】 業績が芳... | トップ |   
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

住宅コンサルタントとして」カテゴリの最新記事