鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4497回】 出店する姿勢に、その会社の本質が出る

2023年04月23日 | 住宅コンサルタントとして

私、大学を卒業後、

最初に勤めさせていただいた会社で

北海道の旭川に行くように命じられ、

以降、旭川と北見を9年間で計5回、転勤しました。

 

北見営業所時代の思い出と言えば、

素晴らしい上司・先輩と一緒に仕事ができたこと、

週に2~3回、網走から斜里へ続く、

オホーツク海沿いの国道(冬は流氷も見られる)を

車で走れたことと、

北見で大人気の回転寿司屋さんに月1回、

給料日の後に行ったことです。

 

この地元で大人気の回転寿司屋さん、

土日は行列が本当にすごくて、

北見市内にももっと店舗を出して欲しい、

という声や、札幌など他都市にも出店の要請が

かなりあった、ということを噂で聞いておりました。

 

ところが、この回転寿司屋さんを運営する会社、

なかなか出店されなかったのです。

 

これも噂で聞いた話ですが、

社員さんの接客や製造の技術がある一定以上のレベルになり、

お客様にご迷惑をおかけしない状態になってからでないと

新規に出店はしないという、会社の考え方とのこと。

 

もっと気軽にこのお店のお寿司を食べたいと思っていた私ですが、

この話を耳にした際、なんて素晴らしい考え方なんだ、

と20代ながら、個人的に思いました。

 

そしてこういう考え方こそ、商売の基本なのではないか、

とも個人的に感じたのです。

 

いたずらに規模を拡大せず、

今のお客様に満足していただくことを最優先に、

自分たちの商品やサービスを磨く。

 

そして新たに出店しても、問題ないレベルに到達してから、

新しいエリアに出店する。

 

ところが、これと逆を行っているケースが多いのが、

住宅業界です。

 

近年、急速に全国展開している某メーカー。

 

ヘッドハンターに依頼し、

出店するエリアでそれなりの実績のある会社の

営業マンや設計、監督を大量に引き抜き、

大幅値引きキャンペーンを仕掛けて

一気に大量受注を獲得する。

 

そういう無責任な出店や受注をして、

いざ着工し、工事の間に設計や監督が退職する。

 

結果、もの凄い勢いで人が入れ替わり、

現場もメチャクチャだったりするのです。

 

でも、こんな無責任な展開に違和感を感じずに

大幅値引きに価値を感じ、契約するエンドユーザーと

ヘッドハンターの甘い誘惑に引き寄せられる、

営業マンや設計士、監督が実際にいる訳です。

 

いずれも、ちょっと見る目の無い、

本質を見極められない残念な方たちですが・・・。

 

日本海側の都市に本社がある、無責任に多店舗展開する会社。

 

現場がメチャクチャで、すぐにボロが出るかと思っていましたが、

近年まで順調に推移していたようです。

 

ところが昨年くらいから、そのいい加減なやり方を

一般の方も理解されたのか、勢いが完全に止まりました。

 

今、全国展開している、私が一番嫌いなこのビルダーも

5年以内にボロが出ることでしょう。

 

無責任な出店を繰り返す会社か、

しっかりと足元を固め、体制を整えてから出店する会社か?

 

出店の姿勢に、その会社の本質が出るのです。


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