長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

木賊

2009-08-05 06:33:04 | Weblog
とくさで変換すると、こんな漢字がでる。
学名がモクゾク。竹みたいに節があって、緑が織部みたいに
あざやかで、乾燥させると、ハサミをふいたりする道具にもなるので、
昔からお花をやる人たちには、親しまれてきた植物。

まだ一週間もたっていないけど、今住んでいる家は小さな家だけど、
小さな庭があり、そこには小さな池もあり、小さなめだかが楽しそうに
泳いでいる。その池のまわりに、とくさを植えよう!と思いついて、
近くの「きらきら橘商店街」にある、とある花やにいってみた。

「とくさありますか?」と、雇われ店員みたいなおばちゃんにきいたら、
「とくさ なんて おいてません」と、ブスっといわれた。顔がブスなのは
なんともないけど、その態度にきれた。
この商店街は、昔からわる商店街で、下町の情緒が残っていて、
とてもいいのだけど、なんか永年積み重なったアカみたいなものを
感じることが時々ある。
先日も、とあるキムチやさんで、買い物をしたとき、お店で使うので
「領収書をください」といったら、しか、とされたので、
瞬間湯沸器みたいに頭にきて、その店主をどなりつけた。

とくさも、キムチも、お店の近所のオリンピックにいったら売っている。
もちろん黙っていても、レシートはくれるし、植物のコーナーでは、
緑を愛する定員さんが、なんでも質問には答えてくれる。
ぼくてきには、どこの街にいっても、大きなスーパーができて、
みんなそこで買い物をするので、地元の商店街がつぶれていく、
というのがイヤで、なるべく、商店街で買い物をしようと思って
いるのだが、たぶん、この2件のお店のようなお店が、例外でなく
どこでもあるのではないかと思う。

他山の石にならぬよう、こちらも気をつけたいと思う。

夕方こられた都立高校の美術のい先生に、苔の話を聞いた。
カウンターにおいてある、陶芸家の渡辺愛子さんがくれた「さや」
に、こけと、とくさと、セキショウを飾っておいてある。
そのこけが「尻尾苔」ということを、その先生からきいた。
苔はネットで買って、自宅のねこの額ほどの庭で育てているらしい。
「緑」と「縁」は、よく似た字だ。
少し緑に関心をもって、生活をしていると、これまでとは
違う縁ができる。人もお酒もそうだけど、良縁もあれば悪縁もある。
どちらも、無駄のない縁だろうから、大事にしたいものだ。
と、いいながら、こころの奥底では、「あの商店街には二度といかない」
という自分の声が聞こえる。
ひとのこころというのは、ほんとうに妙なものだ。

今日は「かっぽれ」。