Ｂ級映画

「ゲットスマート」を見て、あぁ面白かったとシアターを後に、
ロビーに戻る途中、前を歩いていたご老体が、
「あー、面白かった。やっぱりＢ級映画は良いねぇ。」と、のたもうたのだ。

Ｂ級？

「ゲットスマート」のこと？
どこがＢ級なのさ、あれは、Ｂ級じゃないでしょ。

とそのときは心の中で思ったものの、
ちょっと［Ｂ級映画］について、
考え直してみるきっかけにはなった。

人によって、定義と言うと大げさだけど
「Ｂ級映画とは何か？」の意味するところは違うでしょう。


「低予算で無名の俳優をキャスティングした映画」と言うことであれば、

「ゲットスマート」は、製作費８千万ドルを掛け、
スティーブ・カレル、アン・ハザウェイ、ドゥエイン・ジョンソン、
脇にもアラン・アーキン、テレンス・スタンプなどを配している。
到底、低予算で無名の俳優で撮ったとは言えまい。


「人気がなく、大した興行成績をあげられなかった映画」であれば、

アメリカでは、４０００近い館で封切られ、ランキング１位スタート、
全米興行収入は１億３千万ドルと、ヒットの目安である１億ドルを軽く突破、
アメリカ以外分でも現在までにほぼ１億ドルを稼いでいる。
あの「ピンクパンサー」を軽く凌駕する興収だ。


「安直なストーリー展開、脚本も演出もいまいちの映画」とすれば、

基本的にコメディの大筋は踏み外していないものの、
大掛かりなセットやロケ、派手な演出で一応ハラハラドキドキ、
驚くほどではないが、一応どんでん返しもあるし、
細かい点まで気を使った演出だと思うから、これも該当しない。


観る側にとって、製作費が多かろうが少なかろうが関係ないし、
「サウンド・オブ・サンダー」みたいに、何でそんなに金が掛かったのか、
全く理解できない映画もあるから、演出が一番大きいのかなぁ。



じゃあ、件のご老人が「Ｂ級映画」とおっしゃったのは
いったいどういう意味なのだろう。

これは推測だが、彼の方の中で「Ｂ級」とは
シリアスな映画以外のものを言い、それにコメディが含まれるのかも知れない。

あるいは、ずばり、コメディ＝Ｂ級なのかもしれませんね。

あなたの中の「Ｂ級映画」って、どんなものですか。