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心肺停止の違和感

2015-05-29 00:52:07 | 観察
前々から気になっているTV用語と言うか報道用語。

「心肺停止の状態で発見され、その後死亡が確認された」

これ「心肺停止の状態で発見」って言わなきゃいかんのか。

確かに法的には死亡を宣言できるのは医師のみで、
たとえ死んでいるように見えても医師が確認しないと
死んでいるとは言えないのは判る。

また、素人目には死んでいるように見えても実際にはまだ生きている場合もあり、
救急隊員が死んでいると判断、その後警察が「遺体」を病院へ運んだところ、
かすかに息をしていることがわかり、助かったなんて事例もあるし、
いつぞやの松村邦彦のようにマラソン中に急性心筋梗塞で心肺停止になったが、
周囲の人々の機転でAEDによって助かった例もある。

しかし、死んでいたとか遺体発見と言っちゃいかんのは判るにしても、
「心肺停止状態で発見」と報道され、一縷の望みを感じた直後に
「その後死亡が確認されました」と言われるとなおさら悲しみが増す。

大規模災害の時はなおさらで、先日の川崎の簡易宿泊所の火事の報道でも、
「焼け跡から心肺停止状態で発見」って、絶対助からない感との違和感がこの上ない。

焼死体発見とか、遺体発見って言え、と言っているわけではなく、
「心肺停止状態で発見され」とわざわざ言う必要があるのかって気がするのだ。

同じことは病院で亡くなられた方にもいえるし、場合によってはもっと違和感。
全ての報道がそう言っていたわけではないが、ある報道では
「入院中だった男性1人の死亡が確認され」となっていた。

この方は、少なくとも暫くは生きておられたわけで、
病院にいるんだから、確認したのは医師に決まっていることだし、
「入院中だった男性1人が死亡し」じゃいけないのか。

重傷、重体で病院に運ばれ、懸命の手当て空しく亡くなられ、
医師が死亡を確認したということは理解するが、
「入院中だった男性1人の死亡が確認され」と言われると、
「病院に連れてきたけど手当のしようもなく死んじゃった」と言われてる感半端ない。

正確を期すということと、感情に配慮することは両立しないのか。

「心肺停止状態」の使い方に無機質感を感じるのは私だけだろうか。
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