軽減税率、誰得？

どうやら軽減税率が「食」関連の相当広範囲に認められそうな勢い。
しかし、これってほんとに低所得者対策になるの。

前々から言われていたことだけど、高級食材を買う人ほど得になる。

１００ｇ１００円の安い肉を買う私らにとっては１００ｇ当り２円の得。
１００ｇ４０００円の高級肉を召し上がる方には８０円のお得。

外食も対象に入るらしいので、一皿１００円の回転ずしをいただく
我々にとっては２円/皿、１０皿食って２０円のお得。
回らないお寿司屋さんで１人前２万円のコースをお召し上がりになられる
方々にとっては４００円のお得です。

お店にとっては処理が面倒になるし、売り上げだけでなく、
仕入れ側の税金もちゃんと切り分けてやらないとね。
インボイスにしたってかなり面倒で経済界がこぞって反対していたのもわかる。

それに減税減税と浮かれてられないのは、この軽減税率で減った分を
別の所からとる算段らしいから。

つまり、今のところ食品以外で１兆３千億円の増税が必要になりそうだ。

何から取るのかね。
法人税や自動車取得税は減税や廃止が予定されているし、
配偶者特別控除とビール類の課税見直しは見送られた。

その他に、となるとガソリン税、自動車重量税、固定資産税、
所得税、住民税、贈与税、たばこ税、免許更新料、相続税
その他のいろんな手続きの申請料、何になりますかね。

税を増額するだけでなく、健康保険の自己負担率の引き上げ、
高額医療費の限度額見直し、医療費や保険などの税額控除の見直し、
結局消費税の軽減税率の分だけ別の所から取るんだから、
減税ではなく、税の負担配分の見直しに過ぎない。

どうせ賢明聡明な財務省の高級官僚のお考えになることだから、
広く薄く、増税感がなるべく薄まるように取るんでしょう。

減らす所は目に見えるように、増やす所は目立たないように。

軽減税率って本当に誰得なの？
公明党は元々矛を収められないし、自民党も言っちゃった以上後に引けない。
しまったな、とか思ってんじゃないかな。

国民全体はどう思っているか知りませんが、
少なくとも低位層に属する私としては当初から大反対。

当初はともかく、今の方向では、本当に低所得者層の事を慮って
考えられたこととは思えません。

本気でやるなら、消費税を１５％とか２０％にして軽減税率を５％とかに
しないと効果ありませんが、それはそれで実現はもっと難しい。

範囲を広げれば広げるほど線引きが難しい。
ただ、ミニスカートが流行ったのは軽減税率のおかげですから、
悪いことばかりではないかもしれません。

今となってはもうやれないんでしょうけど、本当に低所得者対策なら、
軽減税率ではなく税還付ｏｒ給付です。
この点は珍しく民主党の方がまともです。

どうせ実現しないとは思いますが、最も好ましい結末は次の通り。
増税分をどうするかで与党間で揉めて決まらず時間切れ。
まずは、全部一律で１０％で始める、で、なし崩しに軽減税率止め。