徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

古典技法シリーズ:サイアノタイププリント講座<前半>

2013年05月05日 | 古典印画技法講座

青の表現に取り組む
サイアノタイププリント講座
2度の土日開催で全4回の講座です。
講座レポートは
前半と後半に分けて報告いたします。 



まずは
記録写真がないですが
2種の粉状の薬品を
調合するところからスタート。
完成した感光液を支持体へ塗布します。
支持体は布・紙、可。

紙に塗布すると写真技法
布に塗布すると染色技法

言われる点は
本技法の面白いところ。

ちなみに
私は大学時代に
染色技法として出会っています。



上の写真は大学時代の恩師
染色家・山口通恵氏(故人)による
個展の会場写真。

光で染め上げた“光の染色作品”です。



前置きが長くなりましたが
講座での作業内容を紹介します。 



薬品の塗布の仕方は
人によって様々ですが
均一に塗ろうとする場合は
スポンジ刷毛がオススメです。



最初の感光紙作りでは
塗布面に鉛筆で線を引きました。
これは何故?



TIPA校庭(自称)は、たくさんの花が咲き
とても気持ちの良い空間です。
ここで日光による露光作業をおこないます。



まずは、段階露光により
露光時間と青の発色の関係を学びます。



未露光部分の薬品を水で洗い落とします。



水洗中に
徐々に鮮やかな青色が発色します。
この色の変化は感動的です。



この技法のシステムを理解した後は
様々なモチーフを感光紙の上に置き
光と影による像を写し撮る
フォトグラムとしての制作に取り組みました。



次なる取り組みは・・・



デジタル写真時代の到来に伴い普及した
デジタルネガフィルムを作成。
そして
日光の代わりに
露光機を用いて露光する工程を体験しました。


大きなサイズも対応できるTIPA自作の露光機です。

露光機を使うと
一定の光量で露光できるため
イメージ通りの結果を得る事ができます。





講座前半の成果です。



様々な実験がなされた事が伺えます。



こちらは講座中に仕上がった1枚。



ガラスの花瓶を感光紙に置いて
日光で露光した図柄です。
目では認識し辛いガラスの屈折が
細胞のごとく現れています。

光と影による
写真の魅力の極みだと思います。



講座後半は更なるサイアノの魅力に取り組みます。


 記:徳永好恵


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

にほんブログ村 写真ブログへ 人気ブログランキングへ