田切通信

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平日の川越散歩 その3 最終回

2024-12-24 12:19:27 | 旅行

 喜多院で折り返して帰ります。喜多院を出て立ち寄ったのは川越熊野神社です。

 

 大正ロマン通りの入り口付近にある川越熊野神社です。参道の両側は足つぼマッサージの健康ロードになっています。はだしになって乗るとすごく痛い!僕はかなり不健康のようです。

 

 熊野さんは八咫烏さんがシンボルです。通常3本足のカラスとして描かれますが、でも「3本足である」と言う記述は確かなかったんじゃないかな。

 

 金と黒の八咫烏さんが寄り添っています。奥に見えるのが本殿です。他に銭洗い弁天様が鎮座していますが、こちらの弁財天様は川越七福神巡りの弁財天様とは別人です。

 

 八咫烏さんのおみくじがあって、大量に結び付けられていました。

 

 デカい八咫烏さんもいます。だいたい大人と同じ高さがあります。これ等大小の八咫烏さんは発泡スチロール製で、川越在住の作家の人の製作物です。

 

 境内にあったパネルです。川越はいくつかの作品の舞台になっていて、その紹介です。川越って、こうした聖地巡礼の対象になる作品群があるのに、それを観光に旨く生かしていないように感じます。そう言っちゃうと身もふたもないですが、「うちはアニメなんかに頼らなくても、観光客は充分に来てるんだよ」という本音が見え隠れします。あくまでも僕個人の感想ですが。

 

 帰り道の路上でいくつか面白いものがありました。

 古いマンホールの蓋です。最近マンホールはやたら人気があって、マンホールカード集めしている人も多いです。ただ、観光用に作成されたカラー蓋や、アニメや漫画のキャラクターの蓋ばかりが取り上げられているようです。こうした何でもない鉄蓋に注目する人はほぼいません。さて、これが何で古いと分かるかと言うと、滑り止めのパターンのデザインが古い事、そのすり減り具合、そして何より盤面のそり(中央部が微妙に盛り上がっている)が見られる、等々の見立てによります。

 

 このように並べてみると、何となく古さ加減が感じられると思います。新しい方の蓋のすべり止めパターンはJIS規格に定められている基本パターンです。

 

 裏路地にはこの古い蓋がけっこう残ってます。産業文化財的な価値は一般に認められてれていないので、道路の舗装工事などに合わせて交換されてしまう事もあります。

 

 謎の建造物その1 この壁のような物は、政治ポスターを張るためにあるのではありません。だいぶ前は壁の前に自動販売機がずらっと並んで置かれていたのです。自販機が撤去されて壁だけが残った遺構です。朽ち果てつつあり、危険なのか近寄れないようにフェンスが建てられています。

 

 こんなものが貼ってありました。川越市としては危険なので撤去させたいのでしょう。所有者不明とあります。法的な手続きって面倒ですね。

 

 謎の建造物その2 マンションのごみ置き場にあった小屋です。正面の窓以外に開口部はなく、天井が低い2階建てになっています。1階には机のような物が置かれています。2階には窓の上に小さな横引きの窓もあります。

 

 奥行き感はこんな感じです。上下の窓の間に床があります。床の広さはだいたい畳1枚ほどでしょう。つまり1畳間の2階建てです。出入りは正面の窓からしかできません。これって一体何の用途で建っているのだろうか?

 

 こうやって歩いて見ると、なかなか面白いものに出会います。心と体の健康のためにも歩き回りましょう。


平日の川越散歩 その2

2024-12-23 07:41:41 | 旅行

 成田山川越別院を出たら、ほぼ隣接するような距離感で喜多院さんがあります。喜多院さんは川越観光の代表格で、時の鐘と双璧と言ってもいいと思います。(あくまでも個人の感想です)移築された江戸城内の建物が現存する唯一の場所です。その見学には別料金が必要ですが。

 

 喜多院さんに着きました。休日は多くの観光客で賑わいますが、平日の午前中は空いていて静かです。

 

 目立つ多宝塔の前にある小屋が川越七福神の大黒天様ですが、時間が早いせいか扉が閉まっています。

 

 前回の成田山川越別院で手水の縁に紐が張ってあって、何でだろうと思っていましたが、どうやらこれが原因のようです。喜多院さんの手水には紐がなく、鳩たちが縁にとまって水を飲んでいました。そう、鳩避けですね。

 

 本殿の裏手にモミジが多数あって、真っ赤に紅葉していました

 

 紅葉をバックに、はいからさんのような時代がかった衣装で撮影している女性がいました。なかなかいい雰囲気でした。そういった楽しみ方もあるのだと思いました。

 

 喜多院さんと言えばこの「五百羅漢」が有名です。中に入って見学するには、参拝料が別に必要ですが、扉の隙間から少し覗き見ることもできます。自分に似た顔の羅漢さんが必ずいるとか言われています。そりゃあ500体もあれば・・・。中にお一人だけ眼鏡を掛けた羅漢さんがいらっしゃいます。喜多院さんを訪れた際には、拝観料500円を払って見学しましょう。

 

 喜多院さんとは敷地が繋がった隣に、仙波東照宮があります。日光と静岡の久能山と並んで三大東照宮にあげられるお宮です。まあ、この「三大」の三つ目には色々と候補があるのですが、江戸徳川家との繋がりの深さを考慮すると、この仙波が揚げられるのも頷けます。東照宮さんに移動する道に小さな看板が出ていました。「CAFE AND ON」だから多分カフェでしょう。

 

 東照宮さんの階段下に真新しい建物がありました。これが「CAFE AND ON」です。この場所には前は古~い団子屋さんがありました。それが建て替わってすごくお洒落になっています。御洒落過ぎておっさんは入り難いぞ。まだ、開店準備中でした。

 

 カフェの前の切株にこんな飾り(?)がありました。左はちいかわかな、右は猫です。それにクワガタとカブトムシ、サンタクロースに雪だるま。特に神社に関係する神様的な装飾ではないようです。

 

 この階段の上が仙波東照宮さん。三大東照宮なのに普段は無人です。社務所はなく神職さんも居なくて、お札やおみくじも買えません。

 

 もう一つ、喜多院さんの山門(正門)前の道を挟んだ場所にある盛り土の林は「日枝神社」さん。日枝(ひえ)神社と聞いて通常思い浮かぶのはと東京赤坂の方だと思います。

 

 でも、こちらの日枝神社さんが小さいけど本社なのでした。意外です。

 

 その3に続く。


平日の川越散歩 その1

2024-12-17 07:25:47 | 旅行

 12月16日月曜日、雲一つない晴れで青い空でした。最近入間川方行にばかり出掛けていたので、飽きないように川越の観光地に向けて歩くことにしました。西川越を出て、西武線の本川越駅方向に進み、川越の代表的な観光施設である喜多院を目指します。

 歩いて移動すると速度が遅い分だけ、車やバスや自転車と違っていろいろな物が目につきます。散歩中に見つけた面白い物を紹介しましょう。

 

 UR住宅の敷地入口で見つけた物。歩道と車道を区切る車止めですが、面白い形をしています。何だろうこれ?近づいてよく見ると目玉がある。それぞれにペイントが違っていて、デザイン化したアザラシとかペンギンとかクジラでした。

 

 とある駐車場にて。普通に月極めの駐車場ですが、奥の方に何やらある。注目すると祠でした。赤い鳥居もある。川越は商業の街なので、商売繁盛を祈るお稲荷様かもしれません。駐車場内は関係者以外立ち入り禁止だったので、これ以上は近づいて確認できませんでした。ゆうに車1台分を占領しているし、何より両隣の車は出入りに気を遣うでしょう。

 

 街中華のひかり飯店です。地元の人たちには人気の店らしいです。前々から気になっているのですが、まだ入ったことはありません。

 

 外に張られていたメニューを見ると、麺類などと半チャーハンのセット物がとにかく押しみたいです。

 

 この様な店頭のメニューサンプルも、最近はあまり見なくなりました。なんかいい感じです。

 

 街灯には付近にある商店や会社の名前や宣伝が掲げられています。ではこれは何だろう?「てんごく」ではあるまい。付近にこの名前が出ている店や会社は見当たりませんでした。

 

 連雀町の交差点にある公衆トイレの前の歩道にあったデザインマンホールの蓋です。川越市のマンホールカードにもなっています。

 

 うなぎの名店、「いちのや」さん前の交差点ですが、歩道の先の方が狭くなっているので、交通弱者用の押しボタン付近が人が一人立てる分しかない。

 

 掲示板に貼ってあった気になるポスター、「ねこ展」。このポスターを数か所で見る以外に情報が出ていないので、何だろうと気になっていました。こうしてじっくり見ると、前に見に行った「ぜーんぶカエル展」と同じ発泡スチロール造形作家さんの展覧会があるようです。

 

 喜多院さんのすぐ手前にある成田山川越別院に立ち寄りました。七福神巡りで訪れる場所です。

 花手水です。縁に紐が張ってありますが、手や口を清めるには少々邪魔になる。何でこんなことをしているのか不思議でしたが、次の喜多院さんで、その訳が分かります。

 

 川越ではこのような花手水がよく見られます。華やかでいいですね。

 

 その2に続く。


埼玉ミュージアムカードをゲットしよう!

2024-12-11 07:11:00 | その他

 今年の10月12日(土)~12月15日(日)の間で「埼玉ミュージアムカード」が配布されています。これがちょっと変わっていて、主催しているのは「埼玉県博物館連絡協議会・西部地域会議加盟館園25施設」です。つまり埼玉県下全域でやっているのではなく、県内西部地域にある加盟施設25館(園)でやっている、ちょっとローカルなイベントです。カードは各施設で2000枚印刷されて、無くなり次第終わりとなっていますが、期日指定がある以上は残っていても12月15日で配布終了するのでしょう。他のイベントと期間や実施地域が被るので、3種類くらいのイベントを掛け持ちで参加しています。

 12月5日(木)の午後に少し時間があったので、近場の2施設でミュージアムカードをもらってきました。

 まず訪れたのは跡見学園女子大学花溪記念資料館です。女子大に付属する美術系の資料館で、平日しか見学できません。25ある施設には、ここのように平日のみ開館の施設が少しあって、カード集めの高い敷居になっています。

 正門の受付で資料館を見学したいと申し出て、入門手続きをしてから学内に入ります。敷地の少し奥にあるこの建物の1階に資料館はありました。見学は無料でした。

 

 窓張りのポスターがありました。女子大学だけあって花村紅緒さん(はいからさん)ですね。

 

 玄関ホールを入ると、床置きの案内看板がありました。特に受付とかはなく、少し分かり難い・・つまり入り難い・・感じがしました。ホールの壁際に学内の敷地から出土した土器が展示されています。

 

 ミュージアムカード配布中!ののぼりも出ていました。肝心のカードは、この入り口横の誰もいないカウンターの上に置かれていて、一人一枚ご自由にどうぞとなっていました。

 

 館内ホールにもはいからさんがいました。これは人間大のパネルで、横とか前に立って記念撮影が出来るようになっていました。

館内の展示物は撮影禁止だったので写真はありません。一通り見学して退館しました。

 

 次に向かったのは三芳町立歴史民俗資料館です。

 こちらの入口にもミュージアムカード配布中!ののぼりが出ていました。入館無料です。これは嬉しい。民俗資料館などはこのように無料の所と、100~200円程度の入館料を取る施設がありますが、いずれにしても安いです。

 

 

 駐車場に火の見櫓がありました。民俗資料としての展示物なのか、現役なのかは不明です。

 

 屋外に展示されていた大八車です。交通標識以外で実物を見る機会は極めて少ないです。

 

 同じく屋外展示の力石(”りきいし”ではなくて”ちからいし”)です。余興で力競べ(ちからくらべ)をするための物で、明治~大正期に使われた記録が残っているそうです。80キロ~100キロ越くらいの重さです。

 

 馬の埴輪です。足が長い。

 

 近寄って見たら、尻穴がありました。・・・なんでだろう?

 

 ここも館内の展示物は撮影禁止でした。敷地内に古民家が建っています。

 これは民俗資料として移築保存されているもので、旧池上家住宅です。江戸時代後期~明治の頃に建てられた大型の民家だそうです。資料館の開館中は開けられていて、上がり込んで中を見学することが出来ます。

 

 平日だからか、こちらは案内とか管理の人は不在でした。上がり込んで畳に寝転ぶこともできます。室内は飲食禁止と表示されていましたが、この縁側では飲食しても良いそうです。何も用事が無い時は、こんな場所でお茶でも飲みながら半日くらいボーっとしたいです。

 

 今回ゲット!できたカードはこの2枚です。見ての通り、縦か横かのデザインは施設に任されているようです。配布期間ももうすぐ終了ですが、全部は集まりませんでした。11月末で冬季休館に入った施設があって、そこが入手できなかったからです。まあ、全部集めたところで何か特典がある訳でもなく、得られるのは「集めたぞ!」と言う達成感だけだから、まあいいか。でも、こんなことが無ければ女子大学内の資料館なんか絶対行かなかったし、良いイベントだと思います。


入間川橋梁の遺構

2024-12-10 12:20:33 | 旅行

 川越から郊外に向けてしばらくの区間はほぼ並行して走っている東武東上線とJR川越線ですが、入間川を越えるのにそれぞれ入間川橋梁を渡ります。まったく別の鉄橋ですが、名称は同じ入間川橋梁です。

 

 こちらはJR川越線の入間川橋梁。川越線は単線なので橋の幅も狭く、ガーダー橋で上面部に構造物が無いので、列車の撮影にはいい場所です。すぐ隣に自動車・歩行者橋の初雁橋があって、その歩道上から入間川に渡る鉄道橋を渡る列車の全景が見られます。

 

 そしてこちらが、東上線の入間川橋梁です。現在の東上線は複線なので橋は幅があり、橋の上部にトラス構造がある立派な鉄橋です。

 さて、この東上線入間川橋梁のすぐ横に、橋の遺構が残っています。通るたびにこれは一体何だろうと不思議に思っていましたが、天気がいいので取りあえず写真を撮りに行って来ました。

 

 現在の入間川橋梁が道路を跨いでいるすぐ横に、レンガ造りの橋台が残っています。午前中は逆光になります。

 

 反対側に回って、現橋梁の下から振り返った様子です。道を跨いでレンガ造りの橋台が綺麗に残っています。

 

 特に文化財として保存している様子はなく、当然いわれを書いた看板などもありません。周囲は田園地帯で、住宅もまばらに建っていますが、大規模に開発されるでもなく、その結果、頑丈ゆえに壊すのも面倒くさいから残っているといった感じです。

 

 すぐ先に現行の入間川橋梁のトラスが見えています。閉じられている鉄の扉は線路面に上がれるスロープで、工事などで必要な時には車両や重機を通すのでしょう。橋台から入間川の堤防に至る路盤は無くなっています。

 川のこちら側(川越市駅寄り)にはこのように橋台が残っていますが、反対側(霞ヶ関駅寄り)はどうでしょう?堤防上を初雁橋まで歩いて入間川を渡り、反対岸に向かいます。

 

 ありました。こっち側も橋台だけが残っています。鉄道の敷地内で柵に囲まれていますので、これ以上中に入ると不法侵入になってしまいます。少し離れていますがこれで我慢しましょう。こちらも重厚なレンガ造りです。それなりに重要な歴史的な遺構ですが、文化財として保存されている様子はありません。落書きもされちゃってるし。

 

 すぐ横を現在の東上線が走っています。

 

 入間川の堤防に上がって見るとこんな感じです。手前側の橋台もこちらの橋台も、それと知って注目していれば東上線の車窓から見ることが出来ます。

 

 入間川の両岸に鉄道橋の痕跡が残っているのだから、川の中にも橋脚の跡でもないかと思い、改めて入間川の中を見ました。

 あ~、ありますね。写真の中央部にすごく分かり難いですが何やら台のような物が見えます。

 

 望遠で寄って見ると、レンガで作られた構造物であるのが分かります。

 

 すぐ横に橋の遺構が残っていて、現行の橋があるというのは、橋の架け替えが行われたことになります。架け替えられるには、それだけの手間をかける理由があるはずです。現地では何の歴史的情報は得られませんでした。こうして記事を上げる前にちょっと調べて見たら、やはり東上線の線路の経路変更による架け替えがあった事や、この手前側の橋台があった付近に駅があった事、更には使われているレンガが深谷のレンガ工場で焼かれたものである事などが分かりました。そうするとかなり重要な歴史的遺構だと思います。市も会社も文化財として保存する意思はないようですが。

 紹介した橋の遺構は、JR川越線の西川越駅か東上線の霞ヶ関駅から歩いて見に行けます。入間川を渡るには少し離れた初雁橋まで迂回する必要はありますが、眺めも良く気持ちのいい散歩になります。航空自衛隊の入間基地が近い(飛行機の距離感として)ので、いろいろな飛行機が頭上を飛ぶのも見られます。遠く富士山が見えたりもします。

 

 こんな感じで、民間では無くなったYS-11もたまに飛んでいます。

 

 普段何気なく目にしている風景も、こうして気にして見ると面白い物を発見することがあります。交通の便も良いので、興味のある方はぜひ訪れてみてください。