飛行館展示物の紹介を続けます。
入口すぐの天井に吊り下げて展示されていた機体は、ライト兄弟が作ったライトフライヤーの複製品です。人類最初の動力飛行機として飛行機の歴史上外せない機体です。
飛行館の横庭に野外展示されている機体が数機ありました。主翼の無い黄色い機体はT-6テキサン練習機。アメリカ製の練習機ですが、戦後は日本でも使われました。このずんぐりした飛行機は昔の戦争映画(トラ・トラ・トラなど)では緑色に塗られてゼロ戦として登場しました。そもそも飛行できるゼロ戦がほぼ残っていないのだから仕方ないとしても、スタイル違いすぎです。
F-86Fセイバー戦闘機のブルーインパルス塗装機体です。こちらは主翼がちゃんとついています。
T-33Aシューティングスター。こちらの自衛隊でも使っていたジェット練習機です。左わきにセイバーの尻が写り込んでいますが、それほどひしめき合った展示になっているのです。
H-19ヘリコプター(左)とS-2F対潜哨戒機(右)の頭部分。ここまで荒れてしまうと博物館の展示物として如何なものかという気になります。
再び館内に戻り、壁際に横たわっていたのはこのジェットエンジン。F-104戦闘機のエンジンでした。左下に扇風機が写り込んでいますが、飛行館は倉庫建てですから全館空調が恐らくありません。そこで各所に扇風機が置かれていましたが、こうして展示物の真ん前にあるのはちょっと・・・ね。
館内でひときわ目を引くのはこの一番大きな機体。一式陸上攻撃機、通称「一式陸攻」です。こうして文字に起こすとあまり略していないように感じます。全長が20mにもなる大型機ですがもちろん主翼はありません。定説では装甲が貧弱で銃撃されるとすぐ火を噴くので「ワンショット・ライター」と呼ばれたとされていますが、最近では装甲も必要充分にあり、すぐに火を噴くというのは誤りだというアメリカ側の分析記録が出ています。
後ろ側から見るとこんな感じです。主翼が付いていたら相当でかいでしょう。
実はこの大きな機体の前半分は復元されたものです。それでも現存しているのはこの機体のみです。
これは特攻機の桜花です。ロケットエンジン付きの1.2トン爆弾。一式陸攻の下部に吊り下げられて敵艦に接近し、切り離されて突入しました。現在ならドローンがこうした攻撃を担っていますが、そんな制御技術の無い時代には人間が乗って操縦して体当たりしていました。
さて、今回(今季)の展示の目玉がこれ、艦上偵察機「彩雲」です。ミクロネシアのジャングルで発見された残骸をここまで復元したものです。例によって実機はこれ一機のみ。来年8月にはもう少し復元が進んだ姿を見ることが出来るのか?
飛行館の紹介はこれで終わりです。世界でここにしかない実物が多数展示されていて、見学する価値は高いと思います。さて、せっかくここまで足を延ばしたのだし、8月しか見られないので、自動車館も見学することにします。