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今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

「真実とはなにか?」 米澤穂信 「真実の10メートル手前」

2016-10-21 15:11:37 | 日記
米澤穂信「真実の10メートル手前」読みました。私、この人の作品も、読むの初めて。ホント、しみじみ思いますが、本読んでないですね。昔は、よく読んだものだったんですが。
さて、この作品 大刀洗万智(たちあらいまち)というフリーの女性記者が主人公の連作小説 6編の短編から成っています。取り扱われる事件は様々。表題作「真実の10メートル手前」は、ベンチャー企業美人広報の失踪 「正義漢」は、電車の人身事故 「恋累心中」は、高校生の心中 「名を刻む死」は、独居老人の死 「ナイフを失われた思い出の中に」は、幼女殺人 「綱渡りの成功例」は、災害から無事生還したお年寄り夫婦。彼らにまつわる「真実」を、大刀洗万智が、思わぬ観点から導き出していくというストーリー。ただ、短編ですので、大どんでん返しがあるわけでは、ありません。正直、先が割れたなと思う作品も、ありました。
私的に、オッと思ったのは「正義漢」これは、ほかの作品と視点が違うので、うまくヤラレタ感があります。このあたり、この作者の上手いところでしょう。それと、なぜ、私が読む気になったかというと、扱われている事件が、すべて、毎日どこかで起きているようなものばかりだったから。だから、この小説は、いつ現実のものとなってもおかしくないものばかり。この事件選びのセンスは、さすがだと思います。あとは、この主人公のフリーライターに興味がもてるかどうか。かなりのクールビューティーという感じ。私ぐらいの年になると、頭のいい 隙のない人はどうもねぇ・・・