プクプク日記 観劇 映画 落語 スポーツ観戦 読書の日々

今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

高橋克典 小林聡美「24番地の桜の園」

2017-11-25 11:15:38 | 日記
シアターコクーンで上演中の「24番地の桜の園」です。高橋克典 小林聡美主演。串田和美演出。「24番地」というのは、シアターコクーンの番地だそうです。タイトルから分かる通り、かなりチェーホフの「桜の園」とは趣きが違います。あくまで「24番地の桜の園」です。
主演2人のほか、風間杜夫 八嶋智人 松井玲奈 美波 久世星佳 もちろん串田和美らが出演。それからミュージシャンたち さらにさらに山羊(アントンという名前だそうです)まで登場するという串田さんらしいといえばらしい、カオスな舞台です。
もちろん お話は「桜の園」です。 が、なかで チェーホフのほかの作品の話が入ったり、ちょっと気を許すと、訳分からなくなりそうな舞台です。そんななか、久々の舞台出演という事ですが、高橋克典さんが、成り上がりのロパーヒン演じて存在感発揮してくれました。ちょっと品の悪いところ 一方で自信に満ち溢れたところ そしてワーリャ(松井玲奈)との、なんとも純情な恋のお話 多面的なロパーヒンを観せてくれました。

生田斗真 菅田将暉「ローゼングランツとギルデンスターンは死んだ」

2017-11-24 11:29:24 | 日記
生田斗真 菅田将暉W主演の「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」観てきました。ローゼンクランツとギルデンスターン。「ハムレット」に登場する人物。ハムレットの学友で、国王から、正気を失ったように見えるハムレットの様子を見てくれと頼まれるのですが、なんとも頼りない。任務をきちんと遂行できないうちに、国王からの手紙をイングランド王に届ける事になる。船に乗りこむ2人。が、手紙はハムレットによりすり替えられており、タイトル通り「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」
今作は、2時間半の舞台。途中10分の休憩が2回入るだけの、割ときっちり詰まった舞台。が、かといって、そんなに物事が起こるわけではない。ただ、2人でコインゲームに興じたり たまたま出会った旅役者の一行と行動を共にしたり、物語は遅々として進まない。
ローゼンクランツ演じる生田 ギルデンスターン演じる菅田 共に、その頼りなさが、よく出ていて面白い。2人の関係性でいうと、ギルデンスターンの方がしっかりして見えるのだが、王を始めまわりの者たちは、どっちがローゼンクランツで どっちがギルデンスターンだか分からないんだから、その存在感の薄さは推して知るべし。いや、当人たちにさえ、どっちがどっちか分からない。こうしたバカバカしさのなか、突如シリアスになってみたり、トム•ストッパードの作品は、一筋縄ではいかない。
生田 菅田の他に 林遣都 松澤一之 小野武彦らが出演。下手すれば とりとめのなくなる作品を、きっちりしたものに仕上げてました。さすがは、シス•カンパニーです。

浅丘ルリ子 香寿たつき 相島一之 佐川和正「プライムたちの夜」

2017-11-23 11:44:21 | 日記
新国立劇場 小劇場で上演中の「プライムたちの夜」です。近未来を舞台にした作品。アンドロイド 人工知能を題材に扱った作品。浅丘ルリ子 香寿たつき 相島一之 佐川和正の4人の出演。
冒頭 マージョリー(浅丘)とウォルター(佐川)の会話。ウォルターは、マージョリーの亡くなった夫。アンドロイドです。この舞台では、プライムと言っています。ウォルターは、 マージョリーや彼女の家族から与えられた情報で、自分のこと マージョリーのことを知り、なんとか会話が成立している状況。マージョリーとの会話も、噛み合わない部分もある。が、それでも老いたマージョリーには、若い頃を思い出す十分に価値のある会話。やがて 彼女の娘夫妻であるテス(香寿) とジョン(相島)が登場。話は、甘美な昔話から厳しい現実へ変わる。死が真近に迫っているマージョリーの現状 。ここまでが1幕。
2幕は、マージョリーがプライムとなって登場。テスが、なにかとマージョリーとの仲を悔やんでいる。娘ともうまくいっていない様子のテス。精神も病んでいる。ジョンは、なんとか力づけ 慰めようとするが、なかなかうまくいかない。で、次のシーン。テスのプライムが登場。ジョンが楽しかった新婚時代のことなど話している。ラストは、3人のプライムが話し合う場面。「プライムたちの夜」。
こう書いていくと、なにか暗い芝居の感じだが、なかなか気のきいたセリフもあって、笑わせてくれます。特に、浅丘ルリ子がチャーミング。私見てませんが「やすらぎの郷」でも大活躍した浅丘さん セリフの切れが凄い。なんていうことのないセリフでも、笑わせられてしまいます。

井上芳雄&坂本真綾 息の合ったコンビで「ダディ・ロング・レッグズ」 

2017-11-22 11:20:58 | 日記
シアタークリエで上演中の「ダディ・ロング・レッグズ」です。開場10周年の記念公演とのこと。もう3演 アンコール公演入れると4演目ということらしい。人気公演で、今回もチケットはソールドアウト。1万円のチケット売り切れるんだから、大したものです。
「ダディ・ロング・レッグズ」 早い話が「あしながおじさん」名作です。といっても、私、読んだことがないのですが。もちろん 大筋は知っています。孤児院育ちの少女が、篤志家から援助してもらい、大学に通って素敵な女性に成長していくお話。ただ、少女は、老人を想像していたのですが、実は援助していたのは、若い男性だった。そして・・・というお話で、合ってますよね?
小説は 主人公の少女ジルーシャの書簡形式で書かれているそうですが、ミュージカルは、男女2人だけの出演で進んでいき、ジルーシャが孤児院を出る所からスタートします。新たな人生を始める喜びで一杯の彼女。「どんな人が、援助してくれたのか?」想像を膨らませます。彼女の歌 セリフに合わせて 井上演じるジャービスが動くシーンが可笑しい。快調な滑り出しです。
ジルーシャに課せられた条件は「月に一度手紙を書くこと」だけ。彼女は 「あしながおじさん」に宛てて書きます。そうしたやり取りが続くなか、ジャービスはジルーシャに好意を抱くようになります。彼は20代中盤 彼女は10代後半 お似合いのカップルですよね。
大学に入ったジルーシャ。彼女の友達の1人がジャービスの姪。叔父として、ジルーシャに会ったジャービス。ニューヨークに招待したり、2人の仲は急接近。「招待」はしたが、「正体」は明かせない(ウマイ!)そうこうしているうちに、ジャービスに暗雲が。ジルーシャに恋のお相手が? やはり、大学の友達サリーの兄ジミー。「あしながおじさん」に「サリーの家族とでかけていいか?」尋ねるジルーシャ。心穏やかではないジャービスは「おじさん」の秘書になりすまし、妨害します。そして、彼女が大学を卒業する時がきて・・・
いいお話でした。特にラストはグッときた。すべてを知ったジルーシャ。しどろもどろになって、彼女への想いを告白するジャービス。
ジャービス「じつは、君のことをほんとに好きになって・・・」
「続けて・・・」と、なんともいえぬ声音で言うジルーシャが素敵。
再演を繰り返しているだけに、息もピッタリのお二人。何と言っても同い年ですもんね。また再演されたら、観てみたい作品です。

神業を観ました 「柳家小三治 三三親子会」

2017-11-21 10:46:49 | 日記
寒さ厳しくなった日曜夜 銀座中央会館で「柳家小三治 三三親子会」観てきました。
まず小かじの「二人旅」まだ二つ目になって2年足らずの落語家さんですが、なかなかしっかりした口調でした。続いて三三師の「星野屋」お馴染みのマクラから先輩落語家の不倫報道に、ちょっと触れてネタへ。これまたソツなくまとめてくれました。
休憩後は 花島世津子の手品。いよいよトリの小三治師。この会場 毎年12月に師匠が年忘れの「独演会」を開いている場所。もう20年以上続いているそうです。私も、毎年通っておりました。今年は 9月に大手術をした師匠の体調を鑑み 時期も早めて「親子会」にしたとのこと。高座で 近況を話す師匠。「来年も来るつもりです」と力強い一言。ここで ちょっと不満。この一言 客席から大きな拍手がきて当然でしょ。それが 拍手したのは私だけ。気まずくなってしまいました。ウーン 普通拍手だよね。
小三治師の高座に話を戻します。この会場 終演時間に厳しく 超過すると割増料金を取られ 融通もあまりきかない。私も 噺の最中に楽屋から太鼓の音が聞こえて 強制的に終わった記憶があります。で、今回。「今日の私は違います」と マクラも短めに本題へ。「出来心」これが素晴らしい出来。私、最初から最後まで笑いっぱなし。別に目新しいことを喋っている訳ではありません。実にオーソドックスに前座噺を演じていて これだけ面白い。さすがの一言。神業を観た思いです。
帰り道 東銀座から有楽町まで寒いなか歩いたのですが、噺を頭の中で反芻していたら、あっという間でした。