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田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

恩讐の彼方に

2019-12-21 19:36:29 | ヒゲの盤上の世界
12/15(日) 午前中のTV。
日曜美術館から引き続き将棋フォーカスを鑑賞。
         
すると、1986年のNHK杯で優勝した前田 裕司 七段の勇姿(!)が、紹介されていた。
トーナメントで、唯一の優勝。
彼にとって、最初で最後の勲章になった。
懐かしい顔を見て、前田君との激闘を思い出す。
   ≪ 前ブログ ( 2008. 9. 28 ) でも書いている。 ≫

ヒゲが、高校三年生の時でした。
当時の前田君は、「 熊本初のプロ棋士か? 」 と、熊日新聞でもてはやされていました。
同じ時期のヒゲはと云えば ・・・
全国高校将棋選手権の参加申込書を携えて、生徒指導部教員に許可をもらいに行った。
教員 「 なに~イッ 💢  将棋だとー。
      あのヤクザ者の手慰みの将棋の大会に、本黌の名前で出場すると~?
      ならん、ならん、絶対に許可できん! 」
けんもほろろに嘲られ、どう喝され、引き下がるしかなく、悔しさが尾を引いてる頃。
“ 将棋 = 極道者的 ” な大説教を思い出すたびに、ムカついて来るのです。
当然、ヒゲは、激しい嫉妬心にかられた。
同じ将棋を指すのに、一方は郷土のヒーローと讃えられ、もう一方はと罵倒される。
こんな理不尽があってたまるか?
そんな怒れる男の行動は決まっています。 そう、討ち入りです! (笑)
道場の入り口に立って、 「 頼もう! 」 と叫ぶやつ。
高校生の一分。 ヒゲの意地とプライドを懸けた闘い。
こうして無名の高校生と、将来有望視されていたプロ入前の前田君との三番勝負が
始まるのです。

道場では、前田君との対局を望む者が列をなしていて、ヒゲもその最後尾に。
前田君は、バッタバッタとなぎ倒していきます。 
「 ハイ、次! 」 やっと、ヒゲの番です。
ヒゲは、黄線の帽子をとり、頭を下げた。
当時は、大山名人の全盛期。
保守王国の熊本では、大山流四間飛車が大流行です。
当然、前田君も四間飛車。
その一局目は、フワッーと終わります。
首を傾げる前田君。

二局目の四間飛車は慎重な指し手に。
ヒゲは、山田定跡で挑みます。
変化手順までは知らない前田君が、 「 モウ、一丁! 」 と。

三局目は、真っ赤になりながら慎重に読む前田君。
やがて、すっきりした顔で道場を後にする高校生ヒゲでした。

NHK番組での情報では、前田君は熊本に帰っているらしい。
もう一度会って、昔の将棋界の話しを肴に、盃を交わしたいもんだ。
                  

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最年長チャレンジャー

2019-11-05 19:29:01 | ヒゲの盤上の世界
にっぽん丸クルーズから帰った夜は、孫たちと一緒の我が家ディナー。
賑やかで楽しくもあるが、ヒゲとニャンコの三人は疲労困ぱい。
その翌日の10/27(日曜日)、やっとこさ床を出てTVをつける。
毎週お決まりのNHKの将棋番組を見る為です。

将棋フォーカスの話題は、王位戦に挑戦した 『 木村 一基 八段 』 です。
相手は、若手の豊島 将之王位です。
巷もヒゲも、もちろん豊島王位のりです。
         
なるほど、解説では人気者の木村八段ですが、タイトル戦では苦渋の舐めっぱなし。
以前のタイトル戦では、三連勝して、あとひとつ勝てばでタイトルに手が届くのに、
四連敗して歴史に名を遺したのです。
普通(?)、三連勝後に四連敗した将棋指しは立ち直れません。
心理的ダメージが大き過ぎるのです。

しかし、『 百折不撓 』 の棋士・木村一基は、別格です!
臥薪嘗胆、トラウマを乗り越え、再びタイトル戦の最終戦に挑んだ。
おおよそ、最終戦までいった闘いは、最後は若手が勝つのが定跡(?)です。
体力勝負になるから、年寄りに不利なのは、言うまでもない事でしょう。
そんな下馬評をくつがえして、まさかのタイトル奪取!
将棋指しになった以上、一度はタイトル保持者に成りたいものです。
たとえ、それが一期だけのものであってもです ・・・ 。

将棋盤の前で、勝利者インタビューが始まります。
家族の事に質問が及ぶと、声がつまり、目に涙。
                
それはそうでしょうねぇ。
今までは、解説者として、「 話のオモロいおっちゃんやな~ 」 程度の人気者。
それが、今日からは、 「 木村 一基 王位! 」 タイトル・ホールダーです。
第一、実入りが違います。
辛抱かけた家族のことを考えると、おもわず落涙します。
最年長チャレンジャーの快挙に、ヒゲおじさんは万歳しました。
                 
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盤上のヒマワリ

2019-10-29 17:01:52 | ヒゲの盤上の世界
NHK BSで放送された将棋ドラマ 『 盤上の向日葵 』
今は将棋ブームとは云え、こんな地味系な映像もありなのか?
マニアじゃない方々が楽しめるのか?
ヒゲは、心配してしまいます。
     
白骨死体が発見されて、物語が始まります。
おかしな事に、死体は将棋の駒を抱きかかえていた。
其処に居合わせた、元奨励会の女警官の役も面白い。
               
主役のオヤジ役は、DV?
            
いわくの駒は、まぼろしもの!
 
             
ツゲの盛り上げ駒云うて、漆を何度も塗り重ねて創るモノです。
全体に灰色がかったモノトーン調の展開が続く。

竹中直人演じる真剣師が秀悦。


あのピカピカと光る艶の頭を観たら、昔の将棋指しを思い出した。
           
東海の真剣師で、付け出し五段でプロ入りが認められた異例の棋士。
彼の特集が、“ 近代将棋 ” と云う月刊誌に載り、ヒゲ高校生も精読したもんです。
俳優・竹中そのままの風貌の花村八段。
風貌も異形でしたが、将棋の指し手も異様でした。
プロの常識とはまるでかけ離れた、定跡外れの序盤戦。
そして、中終盤戦に、ヒョイと三段(或いは四段)玉に登る指し手が曲者です。

なるほど、こうすると、案外寄せ難いのだな!
ヒゲの目から鱗が落ちた瞬間でした。
コレが、後のヒゲの駒落ち戦に時々登場する 『 6三王 』 になったのです。
飛車角落ち戦の勝率9割7分の一翼を担なう戦術です。

ドラマのシーンで、気になるのが在った。
折角の銘駒が登場するのに、 【 音が悪い! 】
将棋は素人の俳優だから仕方ないのだが、盤に着く時の駒音が、「 ガツン、ビシャッ 」 と。
強いヒトが指すと、駒が盤に吸いつくような音がします。   「 スー、ピタッ 」
銘駒も準主役だったのに、駒音が惜しかった!

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外国人との闘い②

2019-06-25 16:20:59 | ヒゲの盤上の世界
そして、西城選手に続けと、たくさんの日本選手が海外戦に挑みました。
しかし、 “ アノ格言 ” が、再び立ちふさがります。
海外タイトル戦には、日本人は全く勝てない年月が流れるのでした。

そんな中、あの伊藤雅雪選手がアメリカでタイトル戦に勝ったのは、もう奇跡でしょう。
      
              
ボクシング界には、もう一つ有名な格言があります。
“ 世界タイトルは獲るのも大変だが、防衛するのはもっと難しい! ”
伊藤選手がアウェーの地の防衛戦でアメリカ人に負けたけれど、そんな卑下する事はない。
非難する連中は、タフな米国人と闘ったことがなく、好きに言っているだけヤ。
そう、アメリカ人は自信家で、闘志まんまんでケンカ好きな人たちばかり。

1970年前半、日本人には、まだ外国人へのわだかまりが残っている頃です。
そんな時代に学生だったヒゲは、東京の東 公平さんのチェス・クラブを訪ねた事があります。
そこで紹介されたのが、中年の白人男性でした。
ヒゲにとって、生まれて初めての外国人とのチェス対局。
                    
まぁ、こんな席ですからと、ヒゲは親善お好み対局感覚。
10手ぐらいで手打ちかなと、思い込みがありました。
ゲームは早い時期から、ヒゲのアドバンテージです。
しかし、相手は ・・・ こんな風に思ったかも知れません。
   何だ、これは?
    こんな黄色い日本人相手に、
     偉大な国アメリカの俺が苦戦するなんて考えられない!? 

顔面を真っ赤にしながら、全身を使って挽回しようとアメリカ人は踏ん張ります。
ドローのオファーはなく、対局は続けられました。
だけど、お互いの力量差は明白です。 
なにしろヒゲだって、もう日本タイトルを狙う立場に居ます。
まさか、無名の米国人にそうそう負ける訳にはいきません。
こうしてゲームは、お互いのプライドをかけて、引くに引けない闘いに。

結果は、ボロボロになった米国人が、憮然としてキングを横にするのです。
しかし、納得できない彼は、苦虫をかみつぶした顔つきでボードを見つめ続けていました。
 「 何で我が国の国技たるチェスで、こんな薄汚れた日本の学生に負けるんだ? 」
とでも、言わんばかりに。

その時、ヒゲが感じたのは、“アメリカ人の負けず嫌いの凄さ” でした。
こんな狩猟民族系の人達と闘うのは、日本人には大変な高いハードルだなぁと。

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外国人との闘い①

2019-06-11 16:40:35 | ヒゲの盤上の世界
ボクシング・フェザー級の伊藤雅雪選手が、アメリカでの防衛戦に敗れた。
「 な~んだ? 」 と、失望を隠せない日本人の方も多いと思います。
              
が、ちょっと待って頂きたい。
70年初頭の日本ボクシング界 ・・・ 
フライ級などの軽量級では、多くのチャンピオンを輩出していた頃です。
日本ボクシング界隆盛の時代と、言われたこともあります。
そんな時でも、日本には、ある格言(!?)が流れていました。
格言と軽く云うには違和感がある、ある種の絶対的な “ 定説 ” でした。
曰く、 『 日本選手は、外国では世界タイトルを獲ることが出来ない!! 』
                 
原因を求めると、日本人の内気な性格とか言われたもんです。
まぁ、アウェイでの闘いに、大きなプレッシャーがあったのは確かです。
特に、アメリカとタイの地では。

ついでに言うと、当時は韓国選手と闘うことは、鬼門でした。
まだ、戦時中の 【 怨 】 が、ビリビリ残っている時代です。
日本選手相手には、120%で挑んでくるコリア選手は難敵でした。
例えば ・・・ もう力量差は明らかで、韓国選手は血まみれです。
        立っているのも不思議なくらい大差が付いている試合。
        普通ならあきらめても、タオルでもおかしくない。
そんな時でも、日本選手相手なら死ぬ気で体をぶつけてくるファイトは、
寒気が起きるほどでした。

そんな定説が続いたある時、とんでもないニュースが飛び込んできた。
日本人ボクサーが、アメリカで世界タイトル戦に勝ったと言うのです。
日本全国が、狂喜乱舞しました。
“ 西城 正三 ” と云う選手が、フェザー級の世界タイトルを獲ったのです。
ほとんど無名の選手の快挙に、“ シンデレラ・ボーイ ” のドリーム名がついた程。
なにしろ、日本選手が外国で世界戦を勝つのは、絶対不可能と云う定説があった時代。
その定説をくつがえしたのですから、立派なもんです。
しかし、喜びは長く続きませんでした。
                 
その後、日本ボクシング界は、再び闇の時代に。
誰も、海外では世界タイトルを獲れないのです。

                           ~~~ つづく ~~~

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学而時習之

2019-06-04 17:51:10 | ヒゲの盤上の世界
2015年の電王戦ファイナル。
ポナンザ VS 村山 慈明七段 戦は、相横歩取り戦に向かいました。
ポナンザが、3四飛車と横歩を取った定型の局面。
      
対し、後手の村山七段が、8ハ角成りから、7六飛車と金取りに回った問題の場面。
      
マシーンは、大して迷いもせず 『 7七歩 』 と打ったのです。
居合わせた解説陣も、そしておそらく村山七段も、“見た事もない”手に戸惑いを隠せません。
なんて、窮屈な一手でしょう。
プロなら、一顧だにしない手です。
         
なにしろ、見るからに息が詰まりそうです。
7七と云う領土内のハイウェイ交差点に、壁をこさえたようなもんです。
壁のおかげで、自軍の銀や桂馬が動けない。
王の逃げ道も無くなります。
解説陣が、見た事もないと悪評の一手。

しかし、ヒゲは、見た事があります。
記憶をたどると、昭和43年。
高校三年生のヒゲが、当時の熊本大学・将棋部とよく交流戦をしてる時です。
対局の戦型は、横歩取りが多かった。
で、ヒゲの定跡の勉強は、当時の芹沢八段の本 『 ヨコ歩取り戦法 』 でした。
その本の中に、『 7七歩 』 と云う、おもいつきの一手がありうると明言してあります。
その時覚えた7七歩が、47年程の時を経て、目の前の対局で再現された!
これって、文字通り、孔子さまが言っていた。
 「 学んで時に これを習う また よろこばしからずや 」
それにしても、時にこれを習うまでの、時が47年とは孔子さまも気が長い? (笑)

昭和43年当時のプロ将棋界は、【 四間飛車とやぐら戦法 】 がほとんどでした。
ヒゲが持っている糸綴じの和紙の実戦譜。
         
そこに紹介してある戦法は、江戸時代の 【 雁木や相掛かり 】 がほとんど。
       
高校生ヒゲは、疑問に思いました。
今どき、こんな江戸時代の雁木や相掛かりなんて誰も指さないのでは?
そんな時代遅れの戦法を学んでも、しょうがないのじゃあないか?
そんな思いが、常にまとわりついていました。

ところが、電王戦から5年程たった現在のプロ将棋界。
輪廻と云いますか?
流行の戦型は、雁木や相掛かりです。
こんなことなら、江戸の実戦譜をもっと勉強しとけば良かった! (汗)

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ボビー・フィッシャーを探して

2019-05-02 16:03:16 | ヒゲの盤上の世界
最近放映された映画 『 ボビー・フィッシャーを探して 』 つい観てしまった。
もう何度も観てるハズなのに。
主役の少年と母親が、公園チェスの光景を眺めた時のシーン。
ヒゲ・ブログ 『 幻の対局⑤ 』 に、何気なく登場してます。
主人公・ヒゲが、玉木記者にインタビューされた時の “ 昔話し ” と、
まるでカブっているのが面白い。
公園のチェスボード上は、まるで賭場みたいに現ナマが飛び交い、
タバコの煙りがけむたい。
母親が、眉をひそめるシーンが広がっているのです。
   
      

NHK BSの国際報道で紹介されたチェスの話題。
去年あった 『 アジアのパラスポーツ大会 』 でのチェス競技。
ひとつは、視覚障害者の部門です。
ヒゲの知っている目隠し将棋とは随分違うやり方。
    

駒の動きを、言葉で伝えるのではありません。
なんと、プレイヤーは、まず手で触って駒を確認します。
ボード上に穴が掘ってあり、駒を刺して動かない工夫がしてあります。
なるほど!
これなら、動かす先のポイントに、ズレずにスポット収まる訳ですネ。
       

しかし、この駒を触っての行為に若干の違和感があるのが、普通のチェス・プレイヤー。
チェスのルールに、 “ タッチット ピース マスト ムーブ ”  と云うのがあるからです。
将棋とは、ずいぶん違うルールです。
触った駒は、動かさないといけない。
まあ、このタッチ・チェスは、視覚障害者が行なえば ブラインド タッチ チェス か。
キーボード操作の ブラインド タッチ と同じ語感がイケてる?
       

このパラ大会でのチェスには、別のもう一つの競技もあったそうです。
それは、車椅子障がい者の部門です。
それには、ヒゲも非常に興味を持ったのですが、番組では紹介はありませんでした。
グラリきました。
想像するしかありませんが、まさか車椅子に乗った障がい者同士が、
ただボードを挟んで対局するだけとは思えませんが?
せめて、参加資格の条件ぐらい教えて貰いたかったですね。
障がいの程度のクラス分けとか。
将来? ひょっとしてヒゲが参加する、その日に備えて ・・・ (笑)

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朋有り~タイムスリップ

2019-04-23 19:15:01 | ヒゲの盤上の世界
まるで、京都衣笠の学生アパートみたいな光景の写真が出た前のブログ。
しかし、よ~く見ると、時代考証的に違和感がある箇所が? 
               
両対局者は、持ち駒を手に握っています。
まるで、小学校時代の将棋光景です。
「 ジュンな、何ば持っとるヤ? 」 (注釈:あなたの手駒は何ですか?)
しかし、ディスクローズしないのも、小学生の立派な手段でした。
そう、相手が困る?
しかし、解決策を思い付くのも、小学生なりの勉強なのです。
盤面と自分の手駒から引き算して、相手の隠し手駒を推測できるからです。

ブログの対局光景で、手に握っているのには、訳があったのです。
盤と一緒に京都から持ちかえった駒台は、三年前の熊本地震で破壊しました。
棚から落ちた時に、重いのが圧し掛かったようで、無残でした。

更に、50年近く前の弥生荘と違うのが、灰皿でしょう。
昔は、対局中の禁煙なんてトンでもハップンの頃です。
“ ヤニ ” は、学生の必需品。 (笑)
その頃の学生は、たばこ銭が苦しくなると、チェリー を ハイライト に、
その次は エコー に切り替えました。
更に苦しくなると、同級生に たかりタバコ でしのぐ日々。 (笑)
当時ともう一つ違うのが、飲み物ですネ。
貧乏学生が、みんなで飲める日本酒は、『 合成酒! 』 。
因みに、大手の 『 三倍醸造酒 』 のもうひとランク下の酒です。
現代人が飲んだら、たちまち人間モルモット化するような恐ろしいアルコールでした。
今は、もう無いハズです。
この合成酒か、徳用レッドウイスキーが学生の飲み物。

この二人の対局中に、夜食用のオジヤを出せば良かったと悔やまれます。
やはり、50年前の弥生荘・仲間(笑)の土鍋で。
ほら、数年前のブログに登場した、水を張って沸かせば、カツオ出しの風味が出るという
幻の土鍋!
薄汚れてますが、カァちゃんも捨てきれずに、取っております。
                 
M吉君 「 わあっ、こるがあん時(弥生荘)の鍋や?! 」
懐かしさで、涙がちょちょぎれたかもしれませんね?
美味しんぼにも、このシーンがあります。
  

  


 
Y和君が突然 「 はちはちふ! を思い出すね。 」 と言った瞬間です。
1970年の出来事が、まるで昨日の事のように浮かんできました。
D大将棋部の新人戦・総当りリーグでの、全勝同士の対決。
先手ヒゲの場面が、 【 6九玉  7八金  8九桂  8七歩  7六歩  6七歩  】 
みたいな、普通の相居飛車戦によくある配置。
相手のY川君が、 「 8八歩! 」 どうだとばかり、桂取りの手筋の歩を放った。
同金と取らせて、壁を作らせる手段です。
ところがヒゲは、7九玉!
観戦者は、思わずため息をもらします。
後手は。 8九歩成り しかなく、同玉。
これで、危険な右辺から遠ざかった。
寄り付きがなくなった後手は、数手後に投了。
50年前の対局が、タイムスリップしたように思い出されました。

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ヒゲといだてん~オリンピック

2019-03-21 19:50:38 | ヒゲの盤上の世界
大河ドラマ 『 いだてん 』 を視聴。
柔道家・嘉納治五郎が、最初のオリンピック選手を探す時のシーンとセリフが、
ヒゲをして昔を思い出させます。
現在と違い、オリンピック開催国への渡航費が問題でした。
               
治五郎さんが言います。
 「 渡航費を持っている者は、オリンピックに行きたがらない。
   オリンピックに参加資格がある者は、渡航費を用意出来ない。 」
日本オリンピックの黎明期だった当時の悲哀感がイタい。
         
             ≪ 熊本の兄ちゃんが工面してくれます。 ≫

ところで、ご存知ない方が多いと思いますが、チェスの世界にもオリンピアードが在ります。
二年に一度、開催されています。
日本チェスの黎明期だった70年代前半。
日本も、やっとチェス・オリンピアードに参加するようになったのです。
もちろん成績は散々でしたが、参加する事に意義があった時代です。
そして、74年の開催地は、フランスのニース(!)でした。
日本人にとってのイメージは、アラン・ドロンの住む夢の国。
しかも、太陽がいっぱいのリゾート都市。
わあーっ! こんな所でチェスが出来るのか。
渡航さえすれば、仏国が滞在費は負担してくれる!
               
当時の日本は、“兼高かおるの世界の旅”でしか外国を観る事が出来なかった時代。
何しろ大阪万博で、多くの日本人が生まれて初めてガイジンを見た1970年。
それから数年しか経てない頃だから、海外旅行なんて、日本人には夢のまた夢。
      ♬ あ~あ~ 憧れ~の ハワイ 航~路 🎶

開催前年の73年に、チェスタイトルを得たヒゲには、充分な参加資格がありました。
しかし、もうその年は、料理旅館に見習いで就職が決まっています。
しかも、実家の料理店は、板場たちの人件費が膨らみ、収益率を圧迫していました。
とても、「 オリンピックに出たい! 」 なんて言えません。
それ以来、一度たりとヨーロッパの地を踏む機会はおとずれませんでした。
まあ、人生なんてこんなモンでしょう!?  

孫 「 じいちゃん、じいちゃん!  ね〜、ニースってえ、どんなとこだった? 」
爺 「 うーん、其処のビーチにはね、べべが居てね ・・・ 」
                 

孫達とのこんな会話が出来たかもしれないんですが ・・・ 。
しょうがなかったとは言え、やはり少し未練が残るヒゲで御座います。


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幻の対局~⑤

2019-03-11 19:45:03 | ヒゲの盤上の世界
昼食後、対局が再開された。
お互いに腰掛銀に進み、最新型と思われた。

昼の休憩中に、ヒゲ冗段から昔の話しを取材できた。
今でこそ、藤井フィーバーや女流棋士活躍で将棋は人気だが、
50年前はそうでもなかったらしい。
特に熊本では、将棋は反社会的勢力の道楽と捉えられていたようだ。
紫煙満ちる道場で、酒を据えての賭け将棋のイメージ。
盤上を札束が交錯する、まるで賭場の雰囲気。
だからヒゲ冗段も、決して人前で将棋の話しは出来なかった。
もちろん、自分の親たちにも隠し通した。
現在の将棋ブームを思うと、隔世の感がすると。

盤上はこう着状態になり、森崎鳳王が手待ちの2六飛車から局面が動き出した。
ヒゲ冗段は角交換の後、金を動かしてきた。
難解な局面、誰もが5五銀と形良く指すと予想していた。
ところが、ヒゲ冗段はなんと5五金と大方の予想の真逆な手を指したのです。
予想外の異形な手に、観戦者やメディアからどよめきが起きた。

しばらく、この局面を眺めていた年配の観戦記者が叫んだのです。
  「 こ、こ、コレは駅馬車定跡だ! 」
“ 駅馬車 ” とは、ジョンウェンの出世作となった西部劇です。
         
                  

昭和23年の京都・南禅寺。 塚田正夫名人 VS  升田幸三八段戦。
この戦いで、新構想を升田八段が披露。
そのイメージが、映画の駅馬車みたいだと云う事で、命名されたのでした。
          

局面が、いよいよ佳境に入った時でした。
読みふけっていた森崎鳳王に異変が。
急いで看護婦さんが駆け寄り、酸素マスクを装着して、バルブをひねりました。
その直後、ヒゲ冗段の様子にも何か起きたような?
顔色が青白く変わっていき、血の気が引いているのです。
気付いた奥様が、準備されていたかのような動きで椅子を運び、
ヒゲ冗段の靴を脱がせ、両足をその椅子に乗せました。
ネクタイを緩め、エコノミー症候群(?)に対処します。

ヒゲ冗段は、「 クスリ、クスリ 」 と言いながらポケットをまさぐります。
昔の白金カイロみたいな、シルバーメタリックな容器を取り出しました。
急いで蓋を外して、飲み始めました。
                    
その瞬間、真っ白だった顔に赤みが差します。
すると、何故か会場にも、シングル・モルトのかぐわしい香りが漂います。
先ほどの白金カイロに見えたのは、ウイスキー携帯用のスキットルだったのです。
                     
来場者から失笑がもれた後でした。
どこからともなく、手を叩く音が ・・・  
次々と、会場から手を叩く音が沸き起こっていきます!
そう、拍手ではなく、手を打っているのです。
会場の空気は、「 手打ちしろ! もう、十分だろう 」 の提案でしょう。
手打ち即ち、“ 指し掛け ” にしましょうとの観戦者たちの気持ちが、
わたくし(記者:玉木宏)の目頭を熱くしたのでした。    
                      
                            ~~~ 終 ~~~  

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