田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

沁みる夜汽車④〜枕木の協奏曲

2021-05-17 19:31:53 | ヒゲの毒舌
さてと、ヒゲが乗車している夜行列車・天草号は、熊本へと走り続けています。
岡山に入る頃にはもう暗くなって、車内ではお喋りする客はあまり居ません。
“ 押し黙っている ” と云う表現がピタリ合うような雰囲気です。
おそらく多くの客は、ヒゲと同じ様に、福岡〜熊本に向かう方々でしょう。
それぞれの人生を抱えての夜汽車。
故郷に錦を飾る志で関門海峡に渡ったけど、都(みやこ)の風は冷たくて ・・・ 。
      ♫ 夢は〜 むなしく消えて 🎶
親族に渡す若干の土産が、精一杯の心遣いなのかもしれません。
汗と涙が満ちているような空間が感じられます。 
           
ヒゲの駅弁もそろそろ終盤で、コップ酒も少なくて寂しくなります。 (笑)
残して置いた半分の塩サバで、俵おにぎりを頂いて終了。
木製の折り箱に、竹箸とコップを入れ、蓋をして紐で結んで椅子の下に。

窓側に身体をもたれかかると、列車の音が良く聞こえます。
枕木の軋みが旅情をかき立てるではありませんか。
時折、鉄橋を通過する時の音の変化が愉しい。
カタン・カタンと乾いた音になり、軽やかな感じです。
もう幾度となく慣れ親しんだ音響が心地よい。
しかし、トイメンから来る列車とすれ違う時の音は、かまびすしくて慣れない。

後年、 “ ヒゲは鉄音フェチ? ” と気付いた。 (笑)
お客さんが、プレゼントを持って来たのです。
列車に乗り込んで録音した手作りのカセットテープです。
色んな鉄道まわりの音色が収まっていました。
当然ですが、そのテープを肴にカウンターで一献やろうと云う魂胆。
『 枕木の協奏曲 』 に耳を傾けながら盃を傾けるって、
なんて酒呑みは不思議な動物(!?)でしょうか!
そんな素敵なT海大の先生ご夫婦でしたが、お亡くなりになってしまいました。
懐かしく思い出深いお客様方々のお一人です。
      
          
        

さて、天草号のヒゲは壁にもたれて、鉄道の協奏曲に身を委ねていると、
やがて眠気に襲われていきます。
夜汽車は広島に入る頃でしょうか ・・・ もう、車窓は真っ暗です。
           
               《 こんな感じだったでしょうか? 》

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