田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

行列のお店に並びますか?

2016-06-05 17:34:41 | 田園ものがたり
70年代後半の熊本市で、ドン底をうごめいていたヒゲの店。
それでも段々と固定客が付き始めた。
そんな時、ビル新築の話しが起きる。
ちょっとためらった後、新しい田園を計画することに。
その頃は、もう日本酒の品揃えだけでも、同業者とはどうにもならない差がありました。
つまり、毎日満席は保証されたようなモノです。

しかし、ヒゲの関心は別の所にありました。
熊本県民気質です。
その当時、県民の方々は、いわゆる“ 食物屋で並ぶ ”習慣などあるはずもなく。
まして、 「 予約してまで、飲みには行かんバイ。 」 と云うことです。
まあ、そんな風な妙なプライドは、細川ドンから下々に至るまで行き渡っておりました。
そのプライド = 食物屋で並んだり、或いは料理店に予約するなんては、
“ 食いもんが無い江戸の田舎者のすること ” だの意識です。
                        
そんな時代の田園。
夕方、飛び込みの客が入ってきます。
玄関に居るママが 「 すいません、もう満席なんですヨ 」
客は、ムカついた。
「 何や! 今日もいっぱいてや? あーたがいは、何時なら来らるっとな? 」
ママ  「 お出掛けの予定が決まったら、ちょっとお電話をして頂けると。 」
客  「 おっどま、酒ば飲もうと云う時、いちいち予約なんかはせんバイ。 」
客の怒りは、ごもっともな所です。

何故、ヒゲの店は、熊本県民が予約の電話を掛けざるをえなくなるようになったのか?
内輪の訳がありました。
その頃、地区No.1の自信のひとつに、価格がありました。
一応のマーケットリサーチで、同業者を調べ尽くしたところ、案外に単価が高い事が分かりました。
つまり、単価を低く設定すれば、充分な競争力が着くと。
そこで、狙ったのが 『 薄利多売主義 』 です。
ダイエーみたいですが。 (笑)    
但し、その為には当然、数(客数)をこなさねばなりません。
店は、大・中・小の部屋がありました。
ヒゲ達が腐心したのが、その部屋を最大客数で満たす事でした。
大き目の部屋を、御二人で使って貰っては困ると云う訳です。
それぞれのサイズの部屋の、適正最大客数で満たす事を目標に、電話予約で調節する。
客が好きな様には、部屋を選ばせないのです。
都ケチの舛添ドンも顔負けの、精査の効いた方法です。
これが、基本のコンセプトでした。
まあ、当時はしょうがない事でしたネ、利益をあげる為には。

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