「ササユリ」の花は ユリ科の中でも特別に好きな花だ。ユリの仲間は香りが強いものが多いが「ササユリ」の香りは 優しい甘さでいい。以前はこの住宅地の近くでも6月になるとあちこちで見られたが 私も含めてよそから引っ越ししてきたものはその香りの素晴らしさと 楚々とした品の良い花に魅せられて 見つけては持ち帰って玄関などに飾った。そんな結果 今ではめったに見ることが出来なくなってしまった。 「ササユリ」は 本州の中部地方以西に自生する 誰からも愛される花だ。東北地方などには 「ヒメサユリ」が自生し 写真などで見ると「ササユリ」によく似ているが 全体に小ぶりなようだ。 近頃は 保護活動も実って近隣の山でも少し増えているようにも思える。岩湧山でも 山頂などの日当たりの良いすすきの原で 沢山見られるようになった。といっても まだまだ一部にしか咲いていないし 以前に咲いていた西側はどうしたわけか全く見られない。
「ササユリ」に会いたくて 体調にも自信はないので岩湧山頂まで行くことが出来るが不安だったが、あまり家籠りばかりでいよいよ足が弱っているように思うので 行けるところまででも行ってみようと お弁当を作って早朝家を出た。 今は夜明けが一番早い時期で朝早く起きるのは苦にならない。 朝の冷たい空気が気持ちいい。駐車場はコロナのせいでどこも閉鎖中だが 岩湧寺まで行くと20台ぐらいは駐車できるので細い林道を上がっていった。 朝7時というのに駐車スペースは日曜日ということもあってか ほぼ満車状態。ギリギリ駐車できた。ここからストックを頼りに一歩一歩上がっていく。若い健康な人だったら「60分」とあるが 私は鳥の声を聴きながらゆっくり進む。 きれいな鳴き声は「キビタキ」だろうか?「クロツグミ」だろうか? 遠くで「アオバト」が 「アオー アオー」と啼いている。鶯は必死に「ケキョ、ケキョ」を繰り返す。 上から 80歳ぐらいに見えるおじいさんが元気に降りてこられた。「山頂はササユリがきれいですよ」と 教えてくれる。お元気だなぁ 2時間近くかかってやっと山頂についた。 1年ぶりの山頂です。 霧が山頂を激しく流れているが 昨夜からのお天気が回復する兆しだろう。 雨のしずくをいっぱいにまとい 登山道わきで 沢山のササユリが迎えてくれた。 ああ, いい香りだ。 6分咲きで まだまだ蕾が出番を待っている。
来てよかった。 山頂は大勢の人がそれぞれ楽しそうに過ごしている。最近若い登山者が多くなった。 他にも見たい花があったので お弁当を食べて、足を延ばしたがさすが疲れはピークに。ほかの人が見たら なんと危なっかしいと思うことだろう。よろよろの足を引きずって 無事帰宅できた。 「これが最後の岩湧山かな」 と取れない疲れに自問する。 まあ、今日ササユリに会えたことに感謝。