台風が来れば、パソコンとにらめっこになる。
霞み始めた「眼」の診断に出かけ、驚いた。
今日は横田基地のお祭りで、
八王子辺りの上空まで、ぴかぴかライトをつけて、
飛行機が空をパレード。
生憎の曇り空なのに、編隊を見ようと車道は駐車場状態。
しかも、八王子は、全国緑化フェアー、秋の会場になっていて、
車、車、人、人、人。
10軒の病院だけの建物、なかは患者でびっしり。
腹は減るし、中抜けはできないし・・・・。
「白内障」の診断を訊いたのは3時間後。
ついでに調べて頂いた眼鏡の度数。
少し変わっていたので、眼鏡屋に。
自宅に戻る頃には、台風の兆し、何ともいやはや!
9月14日、山梨県甲府市の北岳でしょうか。
☟針エニシダのある荒地、花の咲くヒースの荒野、野原や森を
軽やかに流れる小川を眺めることに、私は、生きて呼吸することの
幸せを感じる。それは過ちであろうか。‹モーリス・ド・ヴラマンク›
☟幼いころの夕暮れに見た、小さな谷の中に潜み込んでいる村や
丘の側面に張り付くようにして立ち並ぶ集落の記憶が
よみがえることがある。私はこの気持ちの源泉を、しばしば探し求めてきた。
青い煙が暖炉の煙突から立ち昇り、穏やかに、そしてまっすぐ空へ登っていく。
喧騒はなく、すべて眠りにつく。
なぜ、この情景は、ときには目に涙をうかべてしまうような
感動を、私に与えるのだろうか。‹モーリス・ド・ヴラマンク›
※フランスの小説家にして、画家ヴラマンクの2枚の絵を本人が、
こう解説している。
私は、この1876年生まれの画家が亡くなる1958年、少なくとも彼の後半、
10歳の私は、彼と一緒に10年、同じ空気を吸っていたことになる。
美術家が決めつける、キュビズム、印象派、フォービズム・・・・etc
ヴラマンクは、セザンヌの技法から、ゴッホの絵タッチに感銘しながら、
やがて、どの派にも属さない、独特な雰囲気、「抒情」。
形式にこだわらない彼の絵を見ていると、
いつか、忘れていた、神髄を怒涛の勢いで、胸を締め付けてくる。
そして、何より好きなのは、こよなく田舎を愛し、村の隅々までを、
自転車でかけめぐり、村を描き続けた彼の生涯の、彼の感性と生活。
それが、折に触れると、いつも無気力になってしまう。
甲府・昇仙峡を上り詰めると、31年前完成した、
笛吹川に合流する、岩石や土砂で造った、
小さな「荒川ダム」が見えてくる。
このダム、人造湖・能泉湖には32軒のだった建物が沈んでいる。
瓦を磨いて、移築先に持って行った方、
多額の立退料を受けながらも、長年住んだ村を想い、
湖畔で泣いていた女性もいたという。
先祖のお墓は、湖底に沈んだ、
村の中心に向かって建てられていて・・・・。
今は湖底の村に通じていた道路も閉鎖され、
昇仙峡で明治30年からの「大黒屋」の旅館を預かった
「おかあさん」は、荒川ダムを知る、数少ない方で、
今は旅館を廃し、ダムを見守るように、
ポツンと瀟洒な民芸茶屋を開いている。
ダム完成した最初の冬景色。
湖面の氷に、心を震わせたと・・・。
夕日に、涙を隠しながら、当時を語ってくださった。