今回抜栓したイタリアワインはランゲ ロッソ “ダーメ エ フエ”(Langhe Pinot Nero “Dame e Fuet”)2008です。ブドウはピノ ネロ100%から造られます。
先日の山梨のバルベーラにランゲのバルベーラ、バルベーラが何を目指しているのか。このダーメ エ フエを観賞しながら、ふと頭の四隅に思い浮かびました。ひょっとして、バルベーラの酸はピノ ネロの酸に成りたがっているのかな、と。スパイシーもミネラリーな香りも感じることが出来ませんでした。このことが、さらに、そのように思わせます。この発想は根拠がある訳ではありません。何となくダーメ エ フエを味わいながら思い浮かんだことです。
色調はエンジ色を伴わないザクロ色、深く透明感があります。サクマのドロップ キャンディーのような存在感のある華やかな香りと味わい、とはいっても香料の単調な香りではありません。クリーム、グスベリー、チョコレートの香り。ココアのようなほろ苦さを伴った滑らかなタンニンと艶のある柔らかな酸、に優雅な果実味は鮮やかな陰影に縁取られた味わいがあります。