私プリマバレリーナになります

突然配偶者からこういわれたら驚きますね。しかしあなたが20歳代、奥さんも20歳代でバレーの練習を続けていた方であれば話は明るい。良い旦那さんであれば「経済上の事は心配するなしっかり練習を続けなさい」見栄の一言くらい切るかも知れません、相手によりけりですが。奥さんが30歳代とすると話は別ですね。いくら過去練習していたといえ、30歳代の今プリマになってなければこれからも難しいーとは常識的な判断です。やめた方がよいとだれも応えます。
奥さんが50歳代、それも50の後半でバレー向きの体躯ではとうにない、たとえ端役でも実績が皆無、昔小学生のころ1年間バレー教室に通ってた程度。そんな奥さんが面と向かって「プリマバレリーナになりたい、経済的にもっと応援してくれ」ときたらどうしますか。笑い出してしまうか、不機嫌になるか。プリマの目標が実現可能かどうかという現実議論はしませんでしょう。

これは友人宅で実際に起こった実話です。ただ各条件（年齢、経験など）は奥さんに前向きでしたが。

この話を披露するためではありません。同じ事が最近私の身に起こりました。私事は滅多に書くつもりないのですが。今回だけとして、

私は団塊世代の後半、50歳代の終わりをむかえています。ブログとHPを始めた直接の理由は「リストラ」、8月で早期定年退職しました。幸い1年くらいは「喰える」モノをもらったので、再就職などそっちのけでサイバー執筆しているのですが。近親から、
「次はどのように働くのですか」と詰問された。
「私は小説家になるのだ」と自信げに答えました。相手は驚きを通り越してあきれ果て、さらには内心怒りの絶昂進を迎えたようです。顔つきで分かっちゃうので。
私は、理解の足りないヒトだとタカをくくったのですが、しかし思い起こしたのが知り合い奥さんの「プリマバレリーナ」のいきさつ。私の転身願望もプリマと同じ受け止められ方だったのだ！と思い直すと同時にがっかりしました。

私過去の何十年間、文章を書いたこともなく作想を練ったこともない。そんなおじさんが、突然仕事・家庭をほったらかしで「作家に」なりたいとは。近親のあきれ顔、あきらめと怒りの横顔がヨークわかりました。作家、たとえサイバーライターと言ったところで、文章でヒトを魅了し口嗽ぎの一杓も稼ぐのは、はたから見るとプリマの夢と同列だった。しかしここで気を引き締め今度は居直りするしかない。

失敗してもいい、オムドラマンチャ、マンチャの男を見習って見果てぬ夢を追いかける。金のことなど今しばし忘れよう、部族民なんだおいらは。