國學院大學の伝統文化リサーチセンター資料館(東京渋谷区)に行ってきました。本年(08年)10月1日から全面公開、どなたでも立ち寄れるし入場無料と聞いて早速(10月10日)すたこら。
展示内容は全体のテーマとして「信仰と祈り」。信仰は言葉通りですが、祈りという語で祭式、祭具、祭場など形あるものの展示です。
4コーナーに分かれています「祈りのかたち」、大神神社の山の神、土偶・銅鐸が祈りの形として説明されています。次のコーナーが旧石器・縄文の出土品、3番目に古代・古墳・近世の信仰祭り。最後のコーナーが神道祭祀の発展。すべて見応えのある展示内容です。別コーナーに特別展示と國學院の歴史があり全体を興味深く回れました。
私としての雑感を、
前述で土器も祈りの形としての展示があります。その例が「火焔土器」歴史の教科書にも、岡本太郎さんにも引用されているあの土器がどーんと「祈り」の形。土器が祈りとは考えたこともない。火焔土器の高ぶる炎は装飾でも職人のおごりでもなく「祈り」であった事に意表をつかれました。まさに「フォークだぞと見送り気分で待っていたら、ど真ん中直球160キロで勝負に来たクルーンに手も足もでなかったX本みたい」でした。まさに畏れいりました。
私は言葉として「祈り」を上手く使いたいと願う一人ですが、「♪ウナギくうは何の祈りぞ…」(茂吉)よりも上手く使えません。そこで火焔土器の使い方で「ウナギ」を超す祈りをつかえるかなと戦略を変える契機になりました。
ほかにも石枕(姉ヶ崎出土・重要文化財)に心を奪われました。石枕とは古墳玄室から発見されます。死者に永遠の眠りを安堵するために不変の滑石製、周囲に立花とよばれる装飾の石杭を巡らせます。もがりに使われたという説もあるが、やはり古墳玄室で最終安堵の時に使った物だと思います。そして立花とされる石杭が星に見えてしまう。死者の頭の周囲に石の星を並べ「ここが黄泉の星辰だ安心して眠れ」という言ってる気がしてならない。この石枕を見て死者が、もがりを経てどのように葬られたか想像できました。石枕に頭を乗せたら冷たそうです、死者も冷たいと感じて引導渡されたのでしょう。
最後に、折口信夫の箱根山荘の書斎(復元)を見ました。6畳ほどの小さな和室、絶景の窓の下に作りつけの長棚、中央には文机、掛軸。学者として文人としての小さな城を盗み見たようで、恥ずかしくあり羨ましかった。これほどに落ち着いた作業場は見たことがない。私もこんなのが欲しいが先立つものがない。たとえ金があっても折口と違って五月蠅いのがついて来る、コリャ無理だ。
展示内容は全体のテーマとして「信仰と祈り」。信仰は言葉通りですが、祈りという語で祭式、祭具、祭場など形あるものの展示です。
4コーナーに分かれています「祈りのかたち」、大神神社の山の神、土偶・銅鐸が祈りの形として説明されています。次のコーナーが旧石器・縄文の出土品、3番目に古代・古墳・近世の信仰祭り。最後のコーナーが神道祭祀の発展。すべて見応えのある展示内容です。別コーナーに特別展示と國學院の歴史があり全体を興味深く回れました。
私としての雑感を、
前述で土器も祈りの形としての展示があります。その例が「火焔土器」歴史の教科書にも、岡本太郎さんにも引用されているあの土器がどーんと「祈り」の形。土器が祈りとは考えたこともない。火焔土器の高ぶる炎は装飾でも職人のおごりでもなく「祈り」であった事に意表をつかれました。まさに「フォークだぞと見送り気分で待っていたら、ど真ん中直球160キロで勝負に来たクルーンに手も足もでなかったX本みたい」でした。まさに畏れいりました。
私は言葉として「祈り」を上手く使いたいと願う一人ですが、「♪ウナギくうは何の祈りぞ…」(茂吉)よりも上手く使えません。そこで火焔土器の使い方で「ウナギ」を超す祈りをつかえるかなと戦略を変える契機になりました。
ほかにも石枕(姉ヶ崎出土・重要文化財)に心を奪われました。石枕とは古墳玄室から発見されます。死者に永遠の眠りを安堵するために不変の滑石製、周囲に立花とよばれる装飾の石杭を巡らせます。もがりに使われたという説もあるが、やはり古墳玄室で最終安堵の時に使った物だと思います。そして立花とされる石杭が星に見えてしまう。死者の頭の周囲に石の星を並べ「ここが黄泉の星辰だ安心して眠れ」という言ってる気がしてならない。この石枕を見て死者が、もがりを経てどのように葬られたか想像できました。石枕に頭を乗せたら冷たそうです、死者も冷たいと感じて引導渡されたのでしょう。
最後に、折口信夫の箱根山荘の書斎(復元)を見ました。6畳ほどの小さな和室、絶景の窓の下に作りつけの長棚、中央には文机、掛軸。学者として文人としての小さな城を盗み見たようで、恥ずかしくあり羨ましかった。これほどに落ち着いた作業場は見たことがない。私もこんなのが欲しいが先立つものがない。たとえ金があっても折口と違って五月蠅いのがついて来る、コリャ無理だ。