上記の詩は長編です、前半をここにいれます。
以下、
>男が言う
夏が終わろうとする夜半には
奇妙な音が遠くから聞こえる
それは南からの風に乗り
黒い谷を渡り湿った森を過ぎ
寡婦が泣くに似て震えうねり
ふと消える
過ぎ行く夏に捨てられた
何者かが、風吹く流れに
置きざりの悲しみと嘆きを
か細くも、囁き託した恨み節だ
風が吹き流れるまま
谷に森にこの地に広がり
闇の底の街に虚しさを残す
男は続ける。この地の南
二十七㌔に松林がありその先は
砂浜と黒い波が騒ぐ海だ
砂浜には見捨てられたレールと
操車機があり、夜にだけ
夏の終りの夜にだけ気動車が動く
気動車は鼻先を
林に向けようとするが
レールはたわみ
操舵器からはこすれ音が軋み
砂にめり込むだけで動きはしない
役立たずの身体が
去りゆく夏をうらみ嘆いているのだ
あの音は死者の泣き声なのだ
砂にはまった気動車の悲鳴なのだ<
長いので中途で切りました。全文は左のブックマークの部族民HPに入ってください。
以下、
>男が言う
夏が終わろうとする夜半には
奇妙な音が遠くから聞こえる
それは南からの風に乗り
黒い谷を渡り湿った森を過ぎ
寡婦が泣くに似て震えうねり
ふと消える
過ぎ行く夏に捨てられた
何者かが、風吹く流れに
置きざりの悲しみと嘆きを
か細くも、囁き託した恨み節だ
風が吹き流れるまま
谷に森にこの地に広がり
闇の底の街に虚しさを残す
男は続ける。この地の南
二十七㌔に松林がありその先は
砂浜と黒い波が騒ぐ海だ
砂浜には見捨てられたレールと
操車機があり、夜にだけ
夏の終りの夜にだけ気動車が動く
気動車は鼻先を
林に向けようとするが
レールはたわみ
操舵器からはこすれ音が軋み
砂にめり込むだけで動きはしない
役立たずの身体が
去りゆく夏をうらみ嘆いているのだ
あの音は死者の泣き声なのだ
砂にはまった気動車の悲鳴なのだ<
長いので中途で切りました。全文は左のブックマークの部族民HPに入ってください。