鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

魚尽図鐔 如竹 Jochiku Tsuba

2014-11-05 | 鍔の歴史
魚尽図鐔 如竹


魚尽図鐔 如竹(花押)

赤銅石目地高彫色絵象嵌。石目地と述べたが、石の表面のようなざらついた感じはない。金工の分野では、鏨で細かく付いたような地模様仕上げの表面処理をすべて石目地と呼んでいる。似た風情がありながらも腐らかしとは分けている。前回に紹介した常重の虎の背後は、見方によれば岩石の肌のようにもなるが、石目地である。如竹の子の手の石目地は、織物の縮緬に擬えて縮緬石目地などとも呼ばれることがある。鐔の切羽台を含めた全面に石目地を加え、魚をくっきりと浮かび上がらせている。□