週刊新潮 2013年10月3日号 370円
「徳州会の職員は一般の病院より高いとは言えない給料で必死に僻地医療に取り組んでいる。が、それを尻目に徳田一族はひたすら豪華な生活を送ってきました。」
そう憤るのは、徳州会の関係者だ。徳田虎雄氏は一つ下の秀子夫人との間に２男５女をもうけているが、「中でも長女と次女は職員には厳しく経費削減を徹底させる一方、自分達は都心の高級マンションに住み、ゾロ目のナンバーのレクサスやアルフォードなどを乗り回している。
でもこれは「カブトク」という会社を道具に、徳州会にパラサイトして得たものなのです。」(同)
「カブトク」とは、千代田区にある株式会社「徳州会」のことだ。
虎雄氏が全株を持ち、社長は長女の越澤徳美氏(49)。取締役にも次女のスターン美千代氏(49)はじめ虎雄氏の子供が並ぶファミリー企業である。
「全国各地の徳州会病院が薬や医療機器を調達する際、本部の指示でこの会社を間に挟むことが義務づけられている。その結果、カブトクには常に５～２０％の仲介手数料が入る。もちろん病院は直接業者から仕入れた方が安く済むのですが、本部の意向に逆らえるハズもない。
確かに医療法人には株式会社が必要なケースもありますが、このトンネル会者は、年間８００億もの売り上げを誇り、ファミリーは多額の役員報酬を得てきました」(同)
マンション売買の差額
しかし、虎雄氏は「子孫に美田を残さず」と述べてきた身。その裏ではこっそり 「濡れ手で栗」のシステムを作っていたのだから底が知れるというものだが、彼の病を境に、ファミリーのタカリ体質はより顕著になってきたという。
別の関係者によれば、「理事長がＡＬＳを発症すると、遺産が気になったのか、父を怖がって敬遠していた子供達が急に近付いてくるようになった。
理事長も家族の言う事を信じるようになり、逆に古参の幹部を遠ざけるようになったのです。
そんな中、徳美さん夫妻は理事長に内緒で、カブトクから年１億８００万円もの報酬を受け取れるようにしてしまいました」
もっとも、これに気付いた虎雄氏は激怒し、一昨年、報酬は計４５００万円に減額された。
が、懲りない徳美氏は今度は別の方法で会社を食い物にしたというのだ 。
「彼女が当時住んでいたのは、約１億９０００万円で購入した千代田区内のマンション。
これを一昨年、経年劣化があるにもかかわらず、はるかに高い２億５０００万円でカブトクに買い取らせているんです」(同)
オマケに彼女は転居先もやはりカブトクの物件で、付き３０万円で借りているという。しかし相場では賃料１００万円はくだらないというから、この差額も彼女の懐を潤わせているワケなのだ。
「実は美千代さんも似たようなことを行っている。３年前、彼女は元麻布のマンションをまずまずカブトに約２億で交わせ、そのわずか４ヶ月後には今度は自分の個人会者に１億４０００万円で転売させています。こんな短期間で６０００万も値が下がるなんてありえませんから、自宅を安く手に入れるためにカブトクを利用したということでしょう」(同)
当の２人に見解を質したが回答はなし。しかし、赤貧洗うがごとき生活から抜け出した虎雄氏の努力が 「金の亡者」を作り出す結末しか生まなかったのだとしたら、何たる皮肉と言えるのか。
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