toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「つながりません」 長岡弘樹

2020年06月30日 | 読書日記
連作短編集。
一話ずつ主人公は変わっていくけれど、微妙に話が繋がっていて、それぞれの話に脇役で登場する映画のスクリプター(記録係)の女性が主要な役割を果たす。

映画にはまるで興味が無いので良く分からないことが多いけれど、業界用語(「ジャーゴン」と言うらしい)はコンサートと共通するところが結構あることが分かった(笑)。

サブタイトルに「スクリプターの事件File」とあるけれど、事件と言うほどのことでも無いものもあって、単にスクリプターの真野韻(まのひびき)が優秀で鋭いというお話と言う感じ。
中にはこじつけみたいな話もあり、設定の良さを生かし切れていない感じでちょっと残念。

ところで第6章はどう解釈したら良いんだろう?
それぞれが独立した短編集の体裁だけど、各話は第〇章となっているし、最後の第7章まで行くと一つの長編として完結するようになっている。
良く有るパターンではあるけれど、取って付けた感じではなくそこは上手く纏められている。
第7章から推察すると、第6章は韻の仕組んだ完全犯罪ということなんだろうな。





角川春樹事務所

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