toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「神と黒蟹県」 絲山秋子

2024年08月31日 | 読書日記

黒蟹県を舞台とした短編集。
最初の作品がイントロダクションのような内容だったので、そのまま話が続いていくのかと思ったら、次は全く関係の無い話で短編集と気づいた。
1作おきに「神」が登場するほか、登場人物達も微妙に重なったりしているけれどそれぞれの話は完全に独立している。

神が登場する話は何となく完結してる感じだけど、そのほかの話は最初の話と同様に中途半端な感じで終わっている。
短編集じゃなくて一つの長編、または話がもう少し繋がる感じの連作短編集って形にした方が良かったと思う。

今まで読んだ絲山秋子の作品の中では一番良かった、と言うかはじめて良いと思った作品。

 

 

 

 

 

2023.11.10

文藝春秋

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「息のかたち」 いしいしんじ

2024年08月30日 | 読書日記

人の吐く息が見えるようになった女子高生の物語。
最初のうちは面白く読んでいたけど、淡々と進んでいくだけの物語に飽きて来て最後まで読むのが辛くなってきた。
設定が上手く生かされていないし、何が言いたいのか良く分からなかった。

 

 

 

 

2024.7.23

講談社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ナリ検」 市川寛

2024年08月29日 | 読書日記

未知の世界の話だから現実とフィクションがどう入り組んでいる物語なのか分からないけれど、現状の検察と言う組織がこの小説の通りだったら怖いな。
実際は誇張された事実で、そこに著者が切り込んでいったと言うところ?

間違えを認めたくないと言うのは分かるけれどだから認めないというのはエンジニアの私としてはものすごく違和感、と言うか下の立場の人だったら可哀相に思える。
間違えは必ず有るからそれが分かった時は速やかに修正するのが当然だし、間違えたままにして置いたら前に進めない(完成しない)。
そう言えば、政治家も間違えを認めないけど。
認めなくても有耶無耶にできてしまえる人はそういうものなのかな。。
元検事の著者が書きたかったのはまさにそこだと思うけど。

ただ次席検事の主人公をはじめ、検察の人達が上司や部下に対して自分のことを俺とか僕とか言うのは不自然に感じるけどどうなんだろうか・・・。
記者会見の時はちゃんと私と言ってるのに。。

 

 

 

 

2020.8.31

日本評論社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「日本酒吞んで旅ゆけば」 山内聖子

2024年08月28日 | 読書日記

酒蔵訪問記と言った内容。
思いっきり著者の主観と好みで書かれているのが良い。

それぞれ(例外も有るけれど)前半が蔵の紹介と蔵元へのインタビューで、後半が蔵の近所の居酒屋で蔵元や関係者たちとの呑み会の話という構成。

蔵元によって正反対のことを言ったりしているけれど、みんなそれぞれポリシーを持って酒造りをしているのが良く分かり、そういう彼等の言葉は重い。

後半の居酒屋の場面では、店やつまみの紹介は全く余計。
小さいモノクロで何だか分からないような肴の写真は無い方がすっきりする。
会話と酒の紹介だけで充分。

最初に登場する赤武酒造の合理的な考え方は共感できるけれど、どんな種類でも甘口の酒が嫌いな人はいます(私)。

 

 

 

 

 

2024.7.31

イースト・プレス

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「いつか月夜」 寺地はるな

2024年08月27日 | 読書日記

寺地はるなの作品は面白いと思っていたけれど、「カレーの時間」から2作続いてちょっと期待外れ。

いかにも寺地はるなの世界という感じだったけれど、有って無いような良く分からないストーリがピンと来ない。
途中で色々入るちょっとした出来事が何かの伏線なのかと思っていたけれど全くそんなこと無くて、ちょっと意味が分からなかっらり。。
結局なんだか良く分かりませんでした。

彩夏(または熊、あるいはエリザベート・ネコスキー一世)のキャラが良かったから、もっと活躍させてほしかった。

 

 

 

 

 

2024.8.18

角川春樹事務所

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「常夏荘物語」 伊吹有喜

2024年08月26日 | 読書日記

良く有る郊外にある古いアパートを舞台にした物語のようなタイトルだけど、常夏荘と言うのは峰生という浜松の山奥にある村にあるお屋敷の名前。

伊吹有喜はずっと好きだったけれど、読み始めて「娘が巣立つ朝」に続いてまた合わない作品かも・・・と思いつつ読んでいくと最後の4分の1くらいで面白くなる。

主人公代わりながらが捉えどころのない話がグダグダ続くので、物語のテーマがさっぱり見えてこない。
その上冒頭に主人公達の家系図が載っているけれど、ここに書かれていない良く関係の分からない分家(?)の人達をはじめ、峰生と東京それぞれに登場人物が大勢いて整理が追い付かない。
半分混乱しながら読み進めると、ネコが登場する辺りからようやくそれぞれの登場人物像が分かってくると同時に話が見えて来る。
そこからは楽しく読めるけれど、すぐに終わってしまう。

読みながら理解しろ・・って書き方でなく、登場人物や物語の背景を早い段階で説明してもらえたら最初から楽しめたのかも。。

 

 

 

 

2024.8.8

ポプラ社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「コヨーテの翼」 五十嵐貴久

2024年08月24日 | 読書日記

流石五十嵐貴久、最後まで面白く読めた。

複数の話が並行して進んでいると言うことで、あっちに行ったりこっちに来たりするのは仕方ないけれど、ちょっと細切れにしすぎ。
もう少し長く纏めてしてもらった方が読み易い。
最後のオチは要らなかった。

ゴルゴ13ばりの用意周到なスナイパーもCOVID-19の現実は予想外・・・。

 

 

 

2018.12.23

双葉社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ステイ・ゴールド」 池田久輝

2024年08月22日 | 読書日記

人物設定も良く物語はかなり面白かったけれど、完成度が低くてもったいない感じ。

まず、構成が悪すぎる。
時間と場面が無意味にバラバラにされていて、それが全く効果的でなくただ分かりにくいだけ。
そしてエピローグがイマイチ。

あと、携帯電話の通話履歴は端末から消しでも携帯会社の方にはちゃんと残ってるはずだし、スズキと再会する前ズボンのポケットに銃が有るって書いてあるのに会った後ボストンバッグから銃を取り出したっておかしくない?

 

 

 

 

2018.4.22

双葉社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「報われない人間は永遠に報われない」 李龍徳

2024年08月21日 | 読書日記

救いようのないタイトルに惹かれて読んでみた。

考えていることが理解できない二人の物語。
読んでいて少しも面白くないけれど、そんなに長くないので何とか最後まで行きつけた。

 

 

 

 

2016.6.30

河出書房新社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「新しい星」 彩瀬まる

2024年08月21日 | 読書日記

生きるのが辛いけれど、友だちに救われて一歩踏み出すと言う物語の短編集。

主要な登場人物は大学時代の合気道部の4人。
その中の誰かが主人公になっているけれど、それぞれの話は独立している。

今まで読んだ彩瀬まるのなかでは一番良かったし、完成度も高かった。
彼女の作品はもう良いかな・・って思っていたけれど、読んで良かった。

ただ、1行空いて場面が変わるところで、気づいたらびっくりするほど時間が経過してるところがいくつかあったけれど、そういうところは書き出しで分かるようにして欲しかった。

 

 

 

 

 

2021.11.25

文藝春秋

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「彼女のしあわせ」 朝比奈あすか

2024年08月20日 | 読書日記

三姉妹とその母の物語。
一人ずつ主人公が代わりながら物語が進んでゆく。

二女の章は分かり易いストーリが有ったけれど、他はただ日常を描きました・・と言う内容で、全体としていつもの朝比奈あすかの小説といったところ。

123ページの「社内RAN」は「社内LAN」でしょうね。

 

 

 

 

 

2010.5.25

光文社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「砂に泳ぐ」 飛鳥井千砂

2024年08月19日 | 読書日記

色々有ったけれど、カメラが好きになって、幸運も重なってやがてプロのカメラマンになっていく女性の物語。

ずっと導入部が続いていくって感じだったのが、最後の5分の1くらいのところで圭介と別れる場面からようやく物語が始まったな・・・と思えた。
実際それまでダラダラした感じだったのが、それ以降は話がしっかり進んでいく。
そこに至るまでの80%の部分を10分の1くらいに短くしたら名作になる。

 

 

 

 

 

 

2014.9.30

KADOKAWA

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「サマーレスキュー 夏休みと円卓の騎士」 二宮敦人

2024年08月18日 | 読書日記

パソコンを利用してインターネット上で展開されるゲーム(と言うか解放されたバーチャルスペースが有って、そこでただ自由に好きなことをすると言う遊び)内での物語。

現実と仮想空間が一体になっていて、足の下に違和感が有るとか、ありえない雹癌が結構あってファンタジだったっけ?と勘違いしてしまう。
ゲームをリアルに描くほど、違和感が増す。
どうせなら、PCじゃなくて振動が伝わったりする専用のゲーム機って設定にすれば良かったのに・・・。

一番最後のシーンはかえって安っぽくなってしまうため全く不要。
カットするか、別の形にして欲しかった。

 

 

 

 

2024.7.30

文藝春秋

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「とうへんぼくで、ばかったれ」 朝倉かすみ

2024年08月17日 | 読書日記

すべての登場人物たちの考え方に違和感だらけ。
最後まで読んでも、結局何なの?って感じだった。

短編集も含めてこれまで何冊か読んだけれど、どれも消化不良の感じ。
途中で辞めるほどつまらなくは無いものの、面白いと思えるものは無かった。
この作品で良かったのは、榎又が反面教師になる点。

 

 

 

 

2012.5.20

新潮社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「遠い面影」 鳥羽亮

2024年08月16日 | 読書日記

「はぐれ長屋の用心棒」シリーズも第49弾。
マンネリ感はあるものの、中毒患者は読まずにいられない。。

おゆきと彼女の店小鈴は今後登場しそう。

 

 

 

2020.8.10

双葉文庫

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする