タイトルから「血筋」の物語かと思っていたら、「ブラッドライン」とは隣国との戦争で互いに殺した相手をその境に並べたことから名付けられた「国境線」のことだった。
その特異な国境線、ブラッドラインで世界的な大スターのMが銃撃されるところから物語が始まる。
ブラッドラインを挟むアラルスタン共和国とラザン独立国、そしてアメリカ、ロシア、日本、ニューカレドニアでMについて立体的に語られていくけれど、とりとめの無い話が続いて、いったい何が言いたいのか段々分からなくなっていく。
Mの死の真相を探る物語かと思っていたのに・・・?
最後は本人の種明かしで終わるから結局はそこがこの物語のテーマだったんだろうけど、あまりに脈絡のない話が続くので、何だか分からなくなってしまい、読み進める興味も無くなってしまいそうになる。
何とか最後まで読んだけれど、途中の関係ない話は何だったんだ感ばかりが印象に残ってしまう。
最初と最後だけ話が続いていて、その間は主題とは関係ない話がひたすら続くという何とも言えない小説でした。
作者が言いたかったのは戦争は止めよう!!ってことだって言うことだけは良くわかった。
文芸社