toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「2005年のロケットボーイズ」 五十嵐貴久

2013年01月30日 | 読書日記
私が勝手に決めたロケット三部作の一つ(笑)
「夏のロケット」(川端裕人)は、高校時代の同級生が再び集まって自分達だけでロケットを打ち上げる話。
「下町ロケット」(池井戸潤)は、とある中小企業がロケットの主要部品を開発する話。
そしてこれは、高校生が人工衛星を完成させる話。
ロケット3部作と言っても、本当にロケットを打ち上げるのは「夏のロケット」だけなんだけど・・

この作品はちょっとご都合主義の展開だけど、そこそこ楽しめる。
ただ、プロローグとエピローグが本体の後日譚となっているけど、この部分は余計。
この後日談はあまりにもご都合主義すぎる。


双葉社
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「社会部特信記者」 島田一男

2013年01月27日 | 読書日記
先日読んだ「新科学捜査官」と一緒に買った本。

新聞社の社会部長の北崎が探偵役の推理小説。
携帯電話はもちろん、FAXも無く、車を使うのも特別な場合だけ・・という時代の話。
物語はそれなりに面白く出来ているけれど、社会部のメンバー間の会話が、話し言葉そのまんま。
ドラマの脚本みたいで、それなりにリアリティは有るけれどちょっと読みにくい。


青樹文庫
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ギフト」 日明恩

2013年01月26日 | 読書日記
短編の連作と言っていいのか・・。
最初はなんだかさっぱり状況がつかめないが物語が進むうちにだんだん明らかになっていく。
人の優しさや嫌な面を思い知らされ複雑な気分になる。
明生がけなげでいい味出しています。


双葉社
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「聖ジェームス病院」 久間十義

2013年01月26日 | 読書日記
あまり演奏されることは無いけどジャズのスタンダードと同じタイトルで読むことにした一冊。
作品中に登場するジャズバー「B♭」でこの曲がかかってる場面が出て来るから、そこから取ったんだろけど、曲のほうは「Infirmary」なのに対して、本のカバーには「Hospital」と入ってる。単にカバーをデザインした人がジャズに明るくなかったんでしょうけど、ジャズファンとしてはちょっと残念。著者も本が出来る前に確認したんだろうに・・・

最初セントジェームス病院で、いろんな事件が起きてどう関連していくのかと思っていると、何の関連も無い話だったりしながら一つの大きな話に集約していく。
病院、製薬会社、新聞社などが舞台になっているけど、ある話が途中ですっぱり切れて別の場面になり、最初の橋の続きがまた始まる・・と言う構成が多くてちょっとイライラしてしまうけれど、ストーリー自体は良く出来ている感じ。
最後にちょっと不満がないことも無いけど・・

光文社
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「失われた町」 三崎亜記

2013年01月20日 | 読書日記
30年ごとに一つの町が消失すると言う世界での話。
プロローグ(章のタイトルは「プロローグ、そしてエピローグ」)は町が消失する時の状況。
この内容がまるで理解できない。
プロローグに続く各章で、前回消失した直後からが語られ、この世界のシステムやプロローグに登場する人物の過去が徐々にあきらかになっていく。
エピローグ(章のタイトルは、エピローグ、そしてプロローグ」)は前回の消失の時が語れる。
つまり、エピローグ > 本文 > プロローグ、と言う時間の流れになっている。
時間の流れが逆なのに加え、独特のシステムが理解しにくいので、内容が分るのに非常に手間取る。
物語は面白いのに、明らかに構成に失敗している。
読むときは、プロローグは最後に読むことをお勧めします。
私も全て読み終わった後、プロローグを読み返して漸く理解できました。

集英社
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「誰かが足りない」 宮下奈都

2013年01月19日 | 読書日記
連作短編集と言うか、それぞれ独立した話が、プロローグに続くエピローグ(独立したエピローグは無く最後の話のラスト)に繋がるという構成。

それぞれの短編は主人公の一人称で内面的な話が多い。
どの話もそんなに面白い話ではない。
全体の構成は、面白いのにそれも生かしきれていないくて企画倒れ。


双葉社
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「新・科学捜査官」 島田一男

2013年01月18日 | 読書日記
島田荘司と間違って買った本(笑)。

科学捜査研究所の所員が、科学的に真犯人に迫るというタイトル通りのストーリ。
科捜研の元締めの科学警察研究所に捜査用の機械の売り込みに行ったことのある私にはちょっと思うところも有るけれど、内容が古すぎ。
92年発行の本だけど、そんなに科学が進んでるのかなぁ・・という感じ。
DNA鑑定は無く、血液型のみ(もちろんABO式だけではないけれど)の鑑定だし、暴力団の幹部の車には「カー電話」。
ストーリも古典的な推理小説といったところ。

光文社文庫
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「龍馬の船」 清水義範

2013年01月17日 | 読書日記
坂本龍馬の伝記風小説。
幕末のこの手の小説は池波正太郎でかなり読んでいるけれど、どれも池波ワールドのドラマが準備されている。
しかし、この小説は淡々と出来事が語られていくだけで、あまりドラマを感じない。
解説調の文章で内容は分りやすくいかにも清水義範という感じだけど、小説の出来は彼らしさを感じない。

集英社文庫
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「さよならドビュッシー」 中山七里

2013年01月16日 | 読書日記
クラシックの作曲家で好きなのは、サティーとドビッシー。
ジャズマンの間で(少なくとも私の周りでは)、この二人は比較的人気が有るような気がする。
この本は、タイトルにひかれて買った一冊。

ピアニストを目指す少女が、事故で障害を負ってしまうが、何とか再起してコンクールに出場するまでの物語。
この少女が襲われたり、殺人事件があったり、最初の事故が実は犯行かも知れないという疑惑が持ち上がったり・・と言うミステリーにもなってる。
少女が襲われる事件に関しては、いかにも怪しそうな人が一人いるけど、事件が起こった時にすぐに真犯人の想像がついてしまった(そしてそれが正解だった)。
最後にどんでん返しで全て解決という構成だけど、ちょっとこれは反則じゃないの・・という感じ。
少なくともこういう結末なら三人称で書けよ!って言いたくなる。
コンクールの結果もできすぎでなんだか安っぽい感じ。
それまでのストーリが良く出来てるだけに、この最後はちょっと・・

演奏場面では音楽用語が多用されるけど、一般に人にはなじみが無いからちょっと理解しにくいかも。
理解できなくてもストリーには何も影響ないから構わないけど、理解できると作者のその曲に関する考え方がわかって面白いかも。

私としては主治医の新条先生が好きなんだけど、最初の場面しか登場しない(最後にコンクールを見に来るけど・・)からもっと活躍して欲しかった。


宝島社文庫
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ミス・ジャッジ」 堂場瞬一

2013年01月14日 | 読書日記
大リーグに移籍したピッチャーと、その先輩で審判をやってる男の話。
どちらも自分勝手で協調性が無くていやな奴。
もう少し大人になったら・・って思わせるような行動ばかり。
両者が考えていることは最後まで理解できないけど、小説としては面白い。
野球に興味の無い人でも充分楽しめます。


実業の友社 1700円
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「鴨川ホルモー」 万城目学

2013年01月13日 | 読書日記
これもアビーロードのジャケットをパクったカバー。
どっからこんな発想が生まれたのか、突飛な物語。
京都大学のとあるサークルの話だけど、進むうちにどんどん変な方向に進んでいって目が離せなくなる。
ちなみに、京都大学では(京都では?)、学年を表すのに○回生と言うらしい。
上級生は上回生。
そんな言い方始めて聞いたから気になって仕方なかった。


産業編集センター 1200円
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「まほろ駅前番外地」 三浦しをん

2013年01月12日 | 読書日記
多田便利軒の続編ということらしいけど、内容はちょっと違う。
前作で登場した人達がそれぞれ主人公になって内面を描いたような話が多く、前作のようにユーモア小説と言う感じではない。
個人的には中途半端な感じで、前作のほうが好み。
なんだか含みを持たせた終わり方で、続く・・・と言う感じ。

文藝春秋 1500円
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「あずさ松本駅殺人事件」 中津文彦

2013年01月11日 | 読書日記
推理小説としてはそこそこ面白いけど、最後にまとめて謎解きをするというスタイルはやっぱりねぇ・・


光文社文庫 514円
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「博士の本棚」 小川洋子

2013年01月10日 | 読書日記
雑誌や新聞に掲載された書評とエッセイの作品集。

掲載されたときの状態のせいかも知れないけど、書評に関しては基本的な説明が抜けて意味が理解できないものが多い。
そのためか、「これ読んでみたい!」と思うことがあまり無かった。

彼女のエッセイは始めてで、何が言いたいのか良く分らないものも有るけれど、ものの見方がかなりユニークで面白い。
お気に入りは、テレビのリモコンに付いてる不明のボタンが、押すとテレビの中で何が起こるか分らないから押せないと言う話と、ハエ取りリボンの話。


新潮社 1500円
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「植物図鑑」 有川浩

2013年01月10日 | 読書日記
注:空腹の時に読んではいけません。

「阪急電車」に山菜を摘みたがる女の子が登場するけれど、この話はやたらに山菜に詳しく、野草料理が得意な男性と、料理もアウトドアもまったく興味が無い女性の話。
男性に影響されてどんそん植物に詳しくなっていく女性の態度が素直で可愛い。
この男性が野草で作る料理が美味しそうで、春になったら渓流釣りの途中で山菜を摘んで帰って実際に作ってみたくなる。
恋愛小説と料理と1粒で2度美味しい本です。


角川書店 1500円
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする