toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「SFショートストーリー傑作セレクション 怪獣篇」 日下三蔵編

2020年08月31日 | 読書日記
怪獣がテーマのSFアンソロジーと言うことで、収録作品は下記5作。

筒井康隆「群猫」
眉村卓「仕事ください」
星新一「弱点」
福島正実 「マタンゴ」
小松左京「黴」

「怪獣篇」と言う割には怪獣らしきものが登場するものは「弱点」くらい。

「群猫」は地下の下水道に閉じ込められて独自の進化を遂げた動物が大雨の時に発見される話。
「仕事をください」は主人公の思考が生み出した奴隷の話。
「弱点」は発見された謎の物体が、宇宙からやってきた生物の卵だったという話。
「マタンゴ」は無人島に漂着したらキノコの世界だったという話。
「黴」は宇宙からやってきた謎の物体が金属を食べて成長していく話。

どれも今の感覚からすると古臭さは否めない。
中では「黴」が一番の習作。まさに今の「新型コロナ禍」と通じるところが有る。
小松左京って未来を見通しているところが有るのかも・・。

子供向けと言うことかやたらとルビが多くてちょっと読みにくい。
子供向けと言うには内容が子供には難しいだろうな・・と言うのも有るけど。




汐文社
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「いい奴じゃん」 清水義範

2020年08月28日 | 読書日記
25歳の青年の友情と恋愛の物語。
文章は紛れもなく清水義範だけど、内容はあまり彼らしくない。
面白くないわけではないけれど、清水義範の小説としてはイマイチな感じ。
ラストも「何それ・・・?」と言う展開。



講談社
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「令夢の世界はスリップする」 はやみね かおる

2020年08月23日 | 読書日記
この前に読んだ本はタイムスリップして過去に行った青年の話だったけど、今度はパラレルワールドをスリップする女子中学生の物語(全くの偶然です)。
1学期の終業式の日に目を覚ますとスリップしていた令夢が学校に行くと落書きされているところからストーリが始まる。
いわゆるライトミステリーで、それなりに面白いんだけど、途中でインタルードのように何度か登場するクイーンたちの話は何なんでしょう?
それにそもそもパラレルワールドをスリップする意味が全くないんだけど・・・。




講談社
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「1981年のスワンソング」 五十嵐貴久

2020年08月22日 | 読書日記
2014年に29歳の青年が、生まれる前の1981にタイムスリップしてしまう。
ひょんなことから音楽の仕事に携わるようになり、その時代にはまだ生まれていない曲を提供するようになる。
81年当時の曲や2014年までの曲が色々登場するけれど、ほとんどジャズしか聞いてこなかった私には歌手も曲名も聞いたことのないものばかり。
当然タイトルの「スワンソング」と言う曲も初耳でした。(話の中では「アーチストの最後の曲」という意味どうと紹介されているけど、調べたら2009年の曲とありました。)
さすがにサザンオールスターズとか松任谷由実は知っていて曲もいくつか聞いたこと有るけれど、他はさっぱり。。
でもストーリを理解するのには関係ないので読み進めることはできた。

終盤までの展開は別に未来から来たって言う設定じゃなくても成り立つストーリだけど、そこまでの話とは全く関係のないラストの場面に設定が生きてくる。
でも、その場面は余計だな。。。。





幻冬舎
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「荻窪シェアハウス小助川」 小路幸也

2020年08月17日 | 読書日記
いつもの小路幸也らしく、会話内に登場する放火犯以外に悪い人は出てこない。

元クリニックだった建物がシェアハウスとして生まれ変わり、そこの院長先生だった人が管理人となっていた。
リニューアルを手掛けた不動産会社の担当者が厳選した入居者たちと元院長の共同生活が始まる。
明らかになる意外な関係や事件を通して絆が深まって行く。

最後の展開は突飛すぎて、個人的には受け入れがたいかも。。






新潮社
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「瀬戸際の渓魚たち 東日本編」 佐藤成史

2020年08月14日 | 読書日記
フライの雑誌ではおなじみの佐藤成史氏が、彼のライフワークとともいえる渓魚や渓魚の住む環境について書いた本。
多分、昔書いた本にちょっと手を加えて再発したか、色んなところに書いたものを寄せ集めてまとめたもので、どこかで読んだことのあるような話が結構有った。
また、本書は「東日本編」となっているけれど、第16章から始まっているので、「西日本編」の続きと言う位置づけらしい。

純粋な釣行記のような話も有れば、専門用語が飛び交う学術的で理解困難な話も有って一貫性はないものの、どの話も読むと明るい未来は絶望的と言う感じで、悲しくなるばかり。
せめて私が渓流でフライを振っている間は今の状態が維持されていることを願うばかり。




つり人社
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「チーム・オベリベリ」 乃南アサ

2020年08月13日 | 読書日記
厚さが5cmも有って、とにかく重くて読んでると腕が疲れる本。

明治時代、北海道に渡り帯広を開拓した人たちの物語。
伊豆の富豪の息子が晩成社という会社を作って、地元の農民を中心に開拓団を作って帯広に渡り農地を開拓してゆく過程を、晩成社の3人の幹部のうちの一人の妹であり別の幹部の妻となった女性の視点から描いている。
乃南アサだからミステリーかと思ったら、史実に基づいた小説だった。

ようやくわずかな農地ができて作物を植えても、早霜、遅霜、バッタの害、日照不足などでなかなか思うように開拓が進まない状況で苦労する様子が描かれている。
さらに晩成社の代表(立場は副社長)の社員(開拓農民)を逆なでするような行動も有って、逃げ出す人たちもいて、困難は続いてゆく。

最後はわずかな希望が見えたところで終わる。
こういう構成も小説として有りかもしれないけど、長い物語を読んでいった立場としてはもう少し先まで書いて欲しかった。。。





講談社
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「源九郎仇討ち始末」 鳥羽亮

2020年08月04日 | 読書日記
「はぐれ長屋の用心棒」第45巻
ちなみに44巻は未読(未入手)

源九郎の道場仲間の安川錬次郎が暗殺され、その子供の姉弟が長屋に源九郎を訪ねてくる。
いつものように用心棒たちで仇討ちの手伝いをすることになるけれど、前にも同じような話が有った気が・・・。





双葉文庫
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「跳べ、暁!」 藤岡陽子

2020年08月03日 | 読書日記
転校してきた女子中学生が女子バスケットボール部を立ち上げるところから物語が始まる。
敷村良子の「がんばっていきまっしょい」では女子高生がやっぱり女子ボート部を立ち上げるところが出発点だったけど、割と簡単にクルーチームができて試合の場面ばかりになって行くが、こちらはメンバー集めやチームの成長が物語のメーンになっていて、個人的にはより面白かった。
三浦しをんの「風が強く吹いている」と似た構成だけど、ご都合主義度はこっちの方が低く、立ち向かわなければならない困難度が高い。

青春物に良く有る、友情と成長の物語だけど、決して安っぽくなく、大人でも感動しながら楽しめます。







ポプラ社
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「用心棒たちの危機」鳥羽亮

2020年08月02日 | 読書日記

「はぐれ長屋の用心棒」第43巻

今回は用心棒たちが盗賊に間違えられ御用聞きに探られて、ついには長屋の住人が一人捕まってしまう、
容疑を晴らそうと、本物の盗賊を捕まえようと動き出したところから、用心棒たちと盗賊の戦いが始まる。
盗賊の一人を捕まえていつものように長屋に連れ帰って仲間のことを聞くのは良いけど、すぐに引き渡さなかったため、その後大変なことになる。
そうなることは予想がついていたのに何故そうしなかったのか・・。
まあ、そうしたらそこで話が終わってしまうから、不自然な展開にしたんだろうけど。。

その後も(順調に)一人ずつ捕まえて行き、最後はいつもの展開。
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