toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「うらぼんの夜」 川瀬七緒

2023年03月31日 | 読書日記
信仰と伝統に生きる排他的な集落に住む女子高生の夏休みの物語。

どうしようもない信仰と身動きできない伝統に縛られて生きていく人達が住む集落に東京から移住者がやって来る。
いつの話かと思ったらCOVID-19の登場で現代だと分かる。
いくらなんでも現代の日本でこの設定は無いだろうという横溝正史顔負けの異常な場所。

全てがひっくり返るラストにはびっくり。
川瀬七緒のイメージが・・・。




2021.6.30
朝日新聞出版
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「放課後ひとり同盟」 小嶋陽太郎

2023年03月30日 | 読書日記
登場人物が微妙にリンクするけれど、全く関係の無いという良く有るタイプの連作じゃない短編集。
どれも良く分からない人が出てきて、結末も良く分からないという、全体的に良く分からない話。




2018.4.30
集英社
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「羊子と玲」 植松三十里

2023年03月28日 | 読書日記
植松三十里お得意の(?)、(私の知らない人の)伝記。
今回は鴨居羊子と鴨居玲という下着デザイナーと画家の姉弟の物語。

どこまでが事実かは分からないけれどこれを読む限り、玲は周りの人に面倒かけまくりで、読んでいて嫌になる。
いくら才能が有るからって人間として最低。
事実なら仕方ないけれど、いかにも芸術家に有りそうな感じってことで書いたとしたらやり過ぎ。

どちらかというと羊子の方はサイドストーリ的な扱いになってるけれど、嫌な気分にさせる玲の話と逆にして欲しかった。



2023.2.18
河出書房新社
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「砂の宮殿」 久坂部羊

2023年03月26日 | 読書日記
最近の久坂部羊の新刊は面白い。
海堂尊と同じで、個人的に日本の医療制度の中で問題だと感じてることをサブテーマにしている。

ストーリは面白いんだけど、色々納得できないところも。
特に種村に騙される場面はおかしすぎる。
そもそもこれだけの病院だったら専任の事務職員がいるはずで、主人公の理事長である才所が病院のすべてに対応することはないんじゃないかな。
医者である才所だったら仕方なかったとしても、専門の事務職員だったら簡単に気づいたはず。

最後の大どんでん返しの種明かしはやっつけ感満載だし、エンディングは更に頂けない。
そこまで面白かったのに残念。




2023.3.17
KADOKAWA
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「小説落語協会騒動記」 金愿亭伯楽

2023年03月25日 | 読書日記
金愿亭伯楽って誰だろうと思って巻末の著者の紹介文を見たら金愿亭佳太だった。
80年に改名してたんですね。
金愿亭佳太と言えば、小学校の頃地元のローカルのラジオで土曜の午後の番組で県内の各地から中継をしていた人だったと思う。
近所に来たときは自転車に乗って見に行って、クイズに回答した思い出が・・。

本作は79年の落語協会分裂騒動を、フィクションや想像を交えてドキュメント風に描いたもの。
登場人物が多いのに、すべて仮名になっている上落語家の場合改名も有ったりするので結構混乱してしまう。

図書館で見つけた本だけど、巻頭の主要な登場人物一覧にネタばらしが書いてあった。
これから読む人のために・・・
永楽  文楽
美朝  志ん生
金生  円生
登喜蔵 正蔵
貴さん 小さん
金蔵  円蔵
羊生  馬生
朝光  志ん朝
禽吾  談志
金楽  円楽
桂馬  伯楽




2004.12.15
本阿弥書店
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「ギフトライフ」 古川真人

2023年03月24日 | 読書日記
三崎亜紀に星新一をブレンドしたような近未来の世界を描いて大失敗した感じの小説。
途中までは、その後が気になる・・という感じで読んでいたけど、だんだん読むのが辛くなるほどつまらなくなっていく。
主人公の行動原理も理解できないし、途中に挟まれる話の意味も分からない。
(私には読解力が無いの?)
ラストも納得できなくて結局何が言いたいの?という代物でした。




2023.2.25
新潮社
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「君と漕ぐ5」 武田綾乃

2023年03月23日 | 読書日記
関東大会からインターハイ、そしておまけでオリンピックも。

県大会は出来過ぎだったけど、関東大会は恵梨香の体調不良でほどほどの結果に終わる。
ただ、サバを食べたのは夕食だから朝になって発病するのはタイムラグがあり過ぎだし、一人だけ発病するというのもちょっと変じゃないの?

インターハイは思った通りの展開だけど、ライバルはおなじみのメンバーばかり。
全国大会なんだから、関東以外にもすごい選手がいると思うのだが・・・。

「ドカベン」のように永遠と続いていくかと思っていたけど、残念ながらこれが完結編。
とって付けたようなオリンピック場面のエピローグ。
他の作品でも同じような校正だったけど、ちょっと安易すぎないか?
ここで完結しないで欲しかった。
舞奈の大学生編に期待します。






2023.2.1
新潮文庫NEX
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「晴れ、時々くらげを呼ぶ」 鯨井あめ

2023年03月21日 | 読書日記
登場人物の考えていることや行動原理が理解できないけれど、何故か最後まで面白く読めるという不思議な小説だった。




2020.6.15
講談社
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「温泉妖精」 黒名ひろみ

2023年03月19日 | 読書日記
何がしたいのかまるで理解できない女性の物語。
後半に登場する男性の行動原理も分からない。





2016.2.10
集英社
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「田舎のポルシェ」 篠田節子

2023年03月18日 | 読書日記
「田舎のポルシェ」「ボルボ」「ロケバスアリア」の3篇の中編小説。
どの話も車で一緒に旅する人との交流を描いた作品だけど・・・。
どうもこの作者は私には合わないかも。。





2021.4.15
文藝春秋
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「心淋し川」 西條奈加

2023年03月17日 | 読書日記
安定の西條奈加の時代小説。
心淋し川のほとりの長屋が舞台の連作短編集。
どの話も、「ここで終わるの?」というその後が気になるエンディング。
そして最後の話にはそれまでの話の後日譚が少しだけ出てきて、全てが完結するという仕組み。





2020.9.10
集英社
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「テーラー伊三郎」 川瀬七緒

2023年03月15日 | 読書日記
典型的なプロジェクト物。

登場人物は敵も味方も曲者だらけ。
そんな中、それぞれ才能を持った仲間を集めてプロジェクトを進めていくというストーリ展開。
曲者の個性を上手く使ってドタバタになるギリギリでとどまっている感じ。

最後に相馬と真鍋とは和解するかと思っていたけれど対立したまま。
これは続編の布石?

物語の先が気になって、メーンストーリ以外の余計な話が入ると、伏線だったりするものも有るけれど、ちょっとイラっとするくらいだった。

ただ、コルセットを店頭に飾ったくらいで、騒ぎになったりはしないと思うけど・・・。






2017.12.8
KADOKAWA
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「調律師」 熊谷達也

2023年03月13日 | 読書日記
熊谷達也はどこかで納得できなかったり、違和感が有ったりする箇所が必ず有ったけれど、これは最後まで問題無く読めた。
最後のファンタジの展開は全く許容範囲。

人情ものの時代小説短編集の舞台を現代に置き換えたような作品だったけど、あとがきにも有るように最後の二編は趣が変わる。
そのおかげで完結したような最後になってしまったけれど、最初の流れで続編が出ないかな。。





2013.5.25
文藝春秋
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「恋する創薬研究室」 喜多善久

2023年03月12日 | 読書日記
大学修士課程で創薬の研究をする花奈の物語。
どちらがメーンストーリなのか判断できないけれど研究とラブストーリ、そして余談のようなミステリ。
最後まで面白く読めた。

大学の時、散々化学実験をやってたから何の説明が無くても大丈夫だったけれど、縁のない人、特に文系の人は理解できたんだろうか?





2013.10.10
幻冬舎
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「君に光射す」 小野寺史宜

2023年03月11日 | 読書日記
小野寺史宜はいまいちピンと来ない作品が多いけれどこれもそんな感じ。
導入部が続いて、いつ本編が始まるのかと思って読んでるうちに終わってしまった感じ。
登場人物達の会話での言葉遣いも不自然だし、行動に違和感のあるところが多い。

表紙のイラストが本文の描写と合ってないのが気になる。





2023.2.25
双葉社
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