toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「医学のひよこ」 海堂尊

2022年11月30日 | 読書日記
シリーズ3部作のうちこれだけ未読だったので読んでみた。
でも1作目の「たまご」は2014年、完結編の「つばさ」は昨年7月に読んでいて内容をほとんど覚えていないので物語が繋がらない。
シリーズ物は順番に、そして出来たら間を置かずに読まないと・・・。




角川書店
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「タングル」 真山仁

2022年11月30日 | 読書日記
理想を追いかける人たちと、彼らを利用して自分の都合を優先する実力者の闘い。
細かいところは色々有るけれど、面白くて一気読みだった。

個人的にはカタカナの名前の人は最後まで覚えられなくて、冒頭に登場人物一覧が有って助かった。

ところで、廣岡が釣った20cmに満たない鱒を「かなりの大物」って・・・。
そんなのは写真も撮らないチビですって。




小学館
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「ばくうどの悪夢」 澤村伊智

2022年11月29日 | 読書日記
「ばくうど悪夢」かと思ったら「ばくうどの悪夢」。
レタリングに凝るのは良いけど、最低限読めるようにして欲しい。

構成はちょっとかわっている。
プロローグで犯人の告白とその犯人の起こした事件が短く描かれ、その後登場人物一覧、本編の物語へと続く。
ちょっと謎を残したまま真ん中あたりで本編が終了し、役割が入れ替わった登場人物一覧、2回目の本編の物語と続く。
どちらの物語も始まってすぐにプロローグの事件が発生する。

最初の話は犯人捜し。
ホラーファンタジかと思っていたら、非現実部はすべて夢で、それが現実と繋がっているという分かりにくい構造になっているけれど、読んでいるうちに慣れてくる。
最後に犯人が明らかになってそのまま終わると思いきや、後日譚の中で不可解な出来事が起こり訳の分からないまま終了(ここも夢?)。

ちなみに劉が教室で死んだとき、夢流しの袋が彼の机の中に有ったんだから、部屋のベッドと壁の隙間に突っ込まれていたのはおかしい。

登場人物の役割が変わって仕切り直ししての話はオカルトっぽい内容で、最初の話に出てきた事柄がコピペのように出てくる。
後半は宮部みゆきが書きそうな世界だけど、出来はそこまでじゃない。
夢から覚めたらまだ夢の中で・・・って、しつこすぎる。

この構成の意味が分からないけど、最初の物語は片桐考朔の夢だったってオチなのかな?
最初の物語の中で犯人が明らかになったところで終わった方が良かったと思う。
それ以降は出来も悪いし無駄。
この構成を生かして何か考えていたのかもしれないけど、はっきり言って上手く行っているとは思えない。




角川書店
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「あなたの空洞」 伊藤たかみ

2022年11月26日 | 読書日記
4つの作品を収めた短編集。

「八月の路上に捨てる」が全く合わなかったから期待していなかった。
読んでみたら最初の2作はイマイチだったけど、「母を砕く日」と表題作は比較的良かった。




文藝春秋
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「アルルカンと道化師」 池井戸潤

2022年11月25日 | 読書日記
体裁も出版社も違うから違うシリーズかと思ったけど半沢直樹シリーズだった。
「銀翼のイカロス」を読んだのがもう5年も前だったけど、読み始めたらすぐに関係を思い出した。

タイトルを見たとき「アルカン」かと見間違えて、有機化学の話かと思ったら全く違ってた(笑)。

いつものように最後にやり込めてスカッとさせる構成。
強い後ろ盾だった中野渡が頭取を辞任してしまい心配してたけど今回はお客さんに助けられた。




講談社
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「今はちょっと、ついてないだけ」 伊吹有喜

2022年11月24日 | 読書日記
主人公が代わりながらの連作短編集。
どの話も、森沢明夫の出来損ないのような感じでイマイチだったけれど、全体を通して一つの物語になったらちょっと良い話だった。
それぞれの短編にタイトルを付けないで、そのままの構成で第1章・・・という体裁になっていれば最初から長編小説と思って読んだのにな。。




光文社
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「万事オーライ」 植松三十里

2022年11月23日 | 読書日記
油屋熊八の伝記。
全く知らない人だったけど、文字通り波瀾万丈の一生を送った人らしい。
お粗末すぎる表紙で読む気が失せるけれど、内容は素晴らしいお勧めの一冊。

それにしてもどうしてこんな表紙にしたんだろう。
誰も反対しなかったのかな・・・?




PHP研究所
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「青天」 井上祐美子

2022年11月22日 | 読書日記
進士の包希仁が知事として任地で、また巡検使として訪れた場所で事件を解決する物語。
馴染の無い昔の中国が舞台だけど、もっと馴染の有る設定にしてもらえたらもっと面白く読めたのにちょっと残念。





中央公論新社
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「時限感染」 岩城一麻

2022年11月21日 | 読書日記
私にとっては面白くない本が2冊続いた後の当たりの1冊。

オリンピックを前にした2019年に公表されたウィルスによるテロ。
実際には自然発生による(?)SARS-CoV-2のおかげでオリンピックが延期になってまさに「事実は小説より奇なり」だったけど。。
(ちなみにこの小説の初版は2018年発行)

途中で読者に対する日付のトリックを示唆しているけれど、鎌木と桐生が南研究室の見学をしたとき大量培養の設備は無かったのに、それ以前に門伝が使っていた設備は何だったんだ??

鎌木だけが知った内容で真相に明らかになって行き、読者はそれを同時に知らされることになるんだけど、読者にも推理させてもらえる余地を与えてもらいたかったな。。
そんな感じで最後は怒涛の種明かしって感じでちょっと残念。




宝島社
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「蝶結び」 犬飼六岐

2022年11月20日 | 読書日記
良く有る連作短編の時代小説かと思っていたら、3作目あたりから話が一つになって長編小説になる。
短編のメーンストーリの間に何の関係も無い話が挟まっていて、最初は何のことかさっぱりわからなかった。
どこか見落としたのかとちょっと読み返してみたりしたけど、ずっと謎のまま。
それがいつの間にか長編のメーンストーリになって行くと言う変わった構成。

一つ一つの短編物語も詰まらなくは無いし、全体を通しての物語も伏線をきちんと回収してちゃんと出来でいるけれど、それほど面白くない。
そもそも孫四郎の行動原理がイマイチ理解できない。
しかも構成が物語の流れを無視してバラバラだったり、突然場面が切り替わっと思ったらいつの間にか物語が進んでいたりと言う書きばかりで読みにくい。

どうもこの作者とは相性が悪いみたい。




角川書店
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「太陽・惑星」 上田岳弘

2022年11月18日 | 読書日記
太陽の出だし、面白かったのでかなり期待して読み始めたのに・・・。
何が言いたいのかさっぱりわからず。

惑星の方は冒頭読んだだけでそれ以上読む気にならなかった。。




新潮社
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「ひゃっか!」 今村翔吾

2022年11月16日 | 読書日記
良く有るタイプの高校生が主人公の青春小説だけど、上出来な作品。
貴音が旅回り一座だって言うのをなかなか明かさないけれど、すぐにそうだと思った。
以前読んだ小説で同じ設定が有ったし、割と良く有るパターン。

先の展開はほとんど読めるし、思った通りの展開になっているし、かなりご都合主義だけど、全く気にならない素晴らしい作品。



文響社
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「ブルーネス」 伊与原新

2022年11月15日 | 読書日記
良く有るプロジェクト物語。
定石通り前半はメンバー集め。
メンバーが揃ったところで、後半は製品開発と資金繰り、そして政治的駆け引きとこの手の小説の典型的なストーリ展開。

著者自身が研究者と言うことで科学的な話にはリアリティと説得力が有るし、最初から結末が見えていて、その通りの展開になるものの最後まで楽しく読める。
この手の物語はたいていそうだけど、最終的にはご都合主義で問題が解決していくが、物語の最後に開発した装置を設置した帰りに・・・と言うのはあまりにも。。




文藝春秋
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「雲を紡ぐ」 伊吹有喜

2022年11月12日 | 読書日記
私の中では伊吹有喜の一番の作品。

不登校の女子高生が家出して、遠くに住む父方の祖父の下でホームスパンの職人の修業を始める物語。
周りの人に支えられて、職人として歩き始める主人公の美緒の成長する姿が描かれている。

サイドストーリ的に美緒の両親と母方の祖母の話が出てくるけれど、そこは余計かも・・。

色んな小説(主に児童向け)の話が出てくるけれど、ほとんど知らないものだった。






文藝春秋
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「清浄島」 河崎秋子

2022年11月09日 | 読書日記
史実に基づくフィクションとのことだけど、事実と創作の境は全く分からない。
単純に小説として素晴らしい作品だと思う。

専門的なところも良く調べてあり、不自然さは全く感じない。

次郎とともに関しては、根絶が決定された時点で伏線になるんだろうな・・・と思ったらその通りでした。




双葉社
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