「ばくうど悪夢」かと思ったら「ばくうどの悪夢」。
レタリングに凝るのは良いけど、最低限読めるようにして欲しい。
構成はちょっとかわっている。
プロローグで犯人の告白とその犯人の起こした事件が短く描かれ、その後登場人物一覧、本編の物語へと続く。
ちょっと謎を残したまま真ん中あたりで本編が終了し、役割が入れ替わった登場人物一覧、2回目の本編の物語と続く。
どちらの物語も始まってすぐにプロローグの事件が発生する。
最初の話は犯人捜し。
ホラーファンタジかと思っていたら、非現実部はすべて夢で、それが現実と繋がっているという分かりにくい構造になっているけれど、読んでいるうちに慣れてくる。
最後に犯人が明らかになってそのまま終わると思いきや、後日譚の中で不可解な出来事が起こり訳の分からないまま終了(ここも夢?)。
ちなみに劉が教室で死んだとき、夢流しの袋が彼の机の中に有ったんだから、部屋のベッドと壁の隙間に突っ込まれていたのはおかしい。
登場人物の役割が変わって仕切り直ししての話はオカルトっぽい内容で、最初の話に出てきた事柄がコピペのように出てくる。
後半は宮部みゆきが書きそうな世界だけど、出来はそこまでじゃない。
夢から覚めたらまだ夢の中で・・・って、しつこすぎる。
この構成の意味が分からないけど、最初の物語は片桐考朔の夢だったってオチなのかな?
最初の物語の中で犯人が明らかになったところで終わった方が良かったと思う。
それ以降は出来も悪いし無駄。
この構成を生かして何か考えていたのかもしれないけど、はっきり言って上手く行っているとは思えない。
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