toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「東京零年」 赤川次郎

2015年08月31日 | 読書日記
私の知ってる赤川次郎とは全く違う作風の小説。

過剰に管理された国家権力が、それを維持することを最優先に活動する近未来日本。
そこで最高権力に近いところにいた人間とその家族、そして彼に抹殺された人間達のドラマ。

前半は何がなんだか良くわからないが、急に過去の回想になり全体像が分かってくる。
異常な設定でだけど割と平凡な結末で少々物足りない感じ。
ただし、そこに至るまでのストーリは面白く読める。




集英社
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「約束」 水谷修

2015年08月29日 | 読書日記
不良少女の亜衣が著者である先生の力で改心して、幸せな生活を送り始めたとき不治の病に冒されていることが発覚し亡くなるまでを亜衣の視点と先生の視点から交互に描いていったドキュメンタリー風の物語。

感動的な話だけど、前書きと第一章にしつこいくらい経緯と概略を書いているので全体を読む前に内容が想像ついてしまう。
著者としてはそれだけ思い入れがあって、どうしても最初に書いておきたかったのかも知れないけど、ちょっと残念。

良くあるパターンの話だけど、実話に基づいている分感動も大きい気がする。
逆に実話だけに書けなかったことも色々有ったと思う。



日本評論社
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「記憶破断者」 小林泰三

2015年08月28日 | 読書日記
すぐに連想するのが「博士の愛した数式」。
博士と同じく数十分しか記憶が持たない(博士は80分)主人公の二吉が、他人の記憶を書き換えることができるためやりたい放題の雲英と対決する物語。

二吉の記憶が持たないため、常にリセットされてしまうのでその都度同じことを繰り返さなければならないことはわかるが、いちいちコピペのように書かれるといい加減嫌になってくるが、ストーリ自体はスリリングに展開する。
京子が余りにも無防備に雲英に二吉の秘密をもらしてしまうことや、最初にちょっと登場しただけの徳さんがいきなり登場して危機を救うなど、終盤の展開が少々強引なところが有るけれど、最後まで楽しめる。




幻冬舎
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「姫神」 安部龍太郎

2015年08月26日 | 読書日記
遣隋使を何とか成功させようとした人々の話。

それなりに感動の物語なんだけど、背景や人間関係が理解できないところがあって、イマイチ感が大きい。

ストーリは第一章から順に第五章に進んだ後、序章、終章の順に進んでいくけれど、第五章の続きを冒頭に持っていった理由が不明。
いきなりなんだかサッパリ分からない話を読まされて、終盤にようやく話がつながって理解できる構成のため、より分かりにくくて序章だけでくじけそうになってしまう。



文藝春秋
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「三匹の犬と眠る夜」 落合恵子

2015年08月25日 | 読書日記
レモンちゃんも70歳。

「スプーン一杯の幸せ」の頃から彼女のエッセイは欠かさず読んでいるけれど、これはその最新刊。

一時期、エッセイも小説も過激に主張していた彼女。
このエッセイではオブラートに包んだ表現になっているものの相変わらず当時とぶれていない。
その分、内容により共感できる気がする。




平凡社
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「ふちなしのかがみ」 辻村深月

2015年08月23日 | 読書日記
ライトホラーと言った感じの短篇集。
辻村深月の原点みたいな物語集。
シュールな話やファンタジーっぽい話など、バラエティに富んでいる。




角川書店
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「「人体の謎」未解決ファイル」 日本博学倶楽部

2015年08月23日 | 読書日記
未解決ファイルというの何を指しているのか分からないけれど、内容は人体についての様々な雑学集。
科学的な雑学は大好きなので面白く読めたけれど、2009年発行の本なので情報がちょっと古い。



PHP文庫
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「鍵のない夢を見る」 辻村深月

2015年08月22日 | 読書日記
自意識過剰だったり、変な拘りを持っていたりする人が主人公、もしくは主人公の恋人の短篇集。
どの作品も面白く読めるんだけど、後味が悪い。



文藝春秋
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「芥川賞の謎を解く」 鵜飼哲夫

2015年08月21日 | 読書日記
芥川賞の主に選考に関する話題をいろんな切り口で解説した本。
タイトルとは関係なく、謎があってそれを解明するという内容ではない。
歴史や裏話満載で、大変興味深く読めた。
受賞作品や、候補作品には未読の本も沢山あって、みんな読みたくなってしまう。



文春新書
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「為吉」 宇江佐真理

2015年08月19日 | 読書日記
タイトルが「為吉」となっているけれど、副題の「北町奉行所ものがたり」の通り、為吉が全く登場しない話や少ししか登場しない話もある短篇集。

全体としては不幸な生い立ちで、奉行所の中間だった為吉が臨時廻り同心の坪内半右衛門の計らいもあって、岡っ引きの田蔵の娘婿になって下っ引きとして活躍するようになるまでの物語になっている。
それなりに面白いけれど、イマイチ感が・・・




実業之日本社
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「キラキラネームの大研究」 伊東ひとみ

2015年08月16日 | 読書日記
漢字の歴史や、文化人類学などを通して、なぜ今キラキラネームを付ける親が多いのかを考察した本。
理路整然とまとめていてわかりやすいし、雑学的内容も多く、最後まで楽しく読める。


新潮社
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「金魚姫」 荻原浩

2015年08月15日 | 読書日記
例えば、深水黎一郎の「テンペスタ」のような、突然一緒に暮らすようになった他人と徐々に心が通い合うようになっていくという良くある物語だけど、荻原浩にしては珍しく設定がファンタジーチック。
余りにも奇抜な設定で、最初着いて行けなかったけれど、理解できてからはいつもの荻原ワールドを堪能できる素敵な小説。
物語の間に挟まる脈絡のないいくつもの話が最後にみんな繋がってやれやれ。




角川書店
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「光待つ街」 辻村深月

2015年08月11日 | 読書日記
3つの中編小説からなる本。

最初の2篇は「全部を書かないけど、理解しろよ」みたいな書き方で理解しにくいし、辻村深月にしては内容もイマイチ。
最後の「樹氷の街」は面白かった。




講談社
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「神去なあなあ夜話」 三浦しをん

2015年08月08日 | 読書日記
タイトルから分かるように「神去なあなあ日常」の続編。

神去村の生活と山の仕事になれできた勇気の日常と、勇気と直紀の恋愛話の巻。

登場人物は良い人ばかりで、村の生活も楽しそうでなにより。
山太と繁ばあちゃんのキャラが最高。



徳間書店
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「真昼の心中」 坂東眞砂子

2015年08月06日 | 読書日記
坂東眞砂子の遺作となる7編の短篇集。
江戸時代の様々な立場の女性の恋愛物語。
これを読むと女性が怖くなる。



集英社
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