平尾の周辺にいた人たちが、この本の為に彼について書いたものを、山中伸弥が編集した作品。
趣旨からして2割り増しくらいで書いているかもしれないけど、それを差し引いても平尾誠二と言う人はすごい人だったんだということが伝わってくる。
平尾をはじめて見たのは、日本選手権で新日鐵釜石対同志社戦だったと思う。
ボールを持って走っていた平尾がタックルしに来る相手選手を次々とステップでかわしていった。
それを見て「すごい」と思ったけれど、「たまたまだろうな」と考えていたら、その後もボールを持つと右に左にステップ踏んではタックルをかわしていく。
その時は、学生にしてはすごい選手がいるなぁ・・・くらいだったけど、数年後の日本選手権で神戸製鋼が出てきたとき、再びステップでかわす平尾を見て「あの時の・・・」と思い出した。
学生時代に比べさらにスピードとステップに磨きがかかったように見えた。
それ以来すっかり平尾のファン。
ファンとはいえ、彼のことは、滅多にないラグビーの試合の中継と、ナンバーなどの雑誌だけでしか知らなかったので、「華麗なステップのラグビー選手」くらいの認識しかなかったけど、この本を読んで彼の人となりを知ることができた。
イチローもそうだけど、一流の人は何に対しても一流なんですね。
講談社