toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「小さな場所」 東山彰良

2019年11月30日 | 読書日記
台湾の小さな町を舞台にした短編集。
雰囲気は全然違うけど、読んでいて小路幸也の「花咲小路」シリーズを連想した。

あまり私の好みじゃなかったけど、つまらないわけでもない。
まぁ65点といった感じかな。

もしかしたら著者の子供のころの話なのかも?




文藝春秋
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「まち」 小野寺文宣

2019年11月25日 | 読書日記
田舎から上京した青年の物語・・・と言っても前振りがずっと続いて、物語はいつ始まるんだろう?と思っているうちに終わってしまった感じ。

それなりにいろいろ有るけれど、ただ普通の日常を淡々と描いたという作品。
詰まらなくはないけれど、盛り上がりもない。





祥伝社
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「優しい水」 日明恩

2019年11月22日 | 読書日記
読み始めたら自然に辻村深月を読んでいる気分になった。
本を閉じて表紙の作者名を見ても頭の中で勝手に辻村深月に変換してるほど私の知ってる日明恩とは思えない内容。
どうしたって辻村深月です。

だんだん話が盛り上がって行ったと思ったら、終盤急展開のうえ物語の途中で終わってしまった。
これからどうなるの?
プロローグがその続きなのかな??

それにしても中学生にしてハニートラップを仕掛けるまゆは末恐ろしい。




徳間書店
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「さよなら、田中さん」 鈴木るりか

2019年11月17日 | 読書日記
先に読んでしまった「太陽はひとりぼっち」の前編にあたる物語。
5編からなる連作短編集。
最後の表題作のみ主人公が花実の同級生の三上に変えて変化をつけているが、これが一番良い。
「太陽はひとりぼっち」を読んだらこちらもぜひ読みたくなってさっそく読んでみたけれど大当たり。

「太陽はひとりぼっち」の時は文章の上手さに驚いたけれど、流石にこちらは書いたのが小学生の時(その後、大幅に改稿しているということだけど)と中学生時代(多分書き下ろしの3篇は)いうことで、それほどのすごさは感じなかった。
でも、先にこれを読んでいたらやっぱり驚いていたと思う。

文章の上手さでは「太陽はひとりぼっち」にはかなわないものの、ストーリも構成もしっかりしている。
主人公の花見は私と同じく父親の顔を知らないけど、そのまま元気に育っていって欲しいな。

それにしても小学生や中学生でこれだけの小説が書けるって、これからどんな作品を読ませてもらえるのか楽しみ。





小学館
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「太陽はひとりぼっち」 鈴木るりか

2019年11月16日 | 読書日記
初めて読む作者だけど、とにかく文章がうまい。
なんとこの作者は高校生らしいが、群ようこと言われたら信じてしまうほど、比喩と構成がよくできている。

表題作と、そのスピンアウトの短編が二編納められているけれど、表題作に比べて二編の短編はイマイチかな。
表題作は作者のデビュー作「さよなら、田中さん」の続編ということで、こちらもぜひ読みたい。
デビューはなんと中学生の時ということで、まさに天才少女。
中学生や高校生が書ける文章じゃないよ、ホントに・・・。




小学館
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「湖の国」 柏葉幸子

2019年11月11日 | 読書日記
ミトという少女が主人公のファンタジー。

前半は他人に成り代わる能力が有る人(?)とミトとの生活と謎解きミステリー。
後半は湖の国に迷い込んだミトの話。
そして最後に前半の物語がすべての伏線だったことが分かる仕掛け・・・。

特に子供向けという内容では無いと思うんだけど、すべての漢字にルビが振ってあって読みにくい。




講談社
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「白き手の報復」 渡辺淳一

2019年11月07日 | 読書日記
本屋に行きそびれたので、また15年以上前に読んで内容に記憶のない本の再読。

渡辺淳一らしい医療小説短編集。

表題作「白き手の報復」
綾辻行人みたいな不穏な雰囲気で物語が進み、あらまぁ・・のラスト。


「空白の実験室」
犯人捜しのミステリー。一番怪しい人も被害者になり謎が深まった後に意外な犯人。


「背を見せた女」
現在では成り立たない話・・・だと思う。ホラーで始まって意外な結末。


「少女の死ぬとき」
美少女に心臓マッサージする外科医と人工呼吸する内科医の会話。いろいろ考えさせられる内容。
「女の願い」交通死亡事故の時同乗していた男が、疑問を持って事故の真相に迫る物語。
面白いんだけど、そもそもただの学生が探偵役でそこまでできるのか現実味がない。

「遺書の告白」
癌で余命いくばくもない父親と家族の悲しい物語。


いずれも時代を感じる、
特に登場人物がみんなたばこを吸いまくるのが今ではあり得ない。







新潮文庫
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「蝶の羽ばたき、その先へ」 森埜こみち

2019年11月04日 | 読書日記
中学2年の始業式の朝、突然耳鳴りが始まった女の子が主人公。
突発性難聴と診断され治療をするものの、治ることなく片耳の張力を失ってしまう。
物語は日常生活での苦労や、手話サークルへの加入と同じ環境の人たちとの出会いと進んでゆく。
そして感動のラスト。

究極的にはパンフレットを広めたいと言うことなんだけど、読み終わったら検索してしまった。
そしたら本当に存在していた。
本の中で紹介しないところが憎い。

折角だから載せておきます。
http://sai-deaf.org/wp-content/uploads/2016/04/7d445db9bfd2a6019eb168bd15ed4b3a.pdf








小峰書店
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「競歩王」 額賀澪

2019年11月03日 | 読書日記
タイトルを見て将棋の話かと思ったら違った(笑)。

「タスキメシ」、「ウズタマ」、「完パケ」と読んできた額賀澪だけど、これが一番面白かったかな。。
主人公は競歩の選手では無く、選手を取材する小説家で話の中でも主人が、競歩選手とその物語を書く小説家の物語を書くというなんとも複雑な仕組みになっている。
メイキングを読んでいるような気分。
凝った作りの割りにはイマイチ大成功とは言えないかも。
でも物語自体はなかなか面白くて楽しかった。

会場が札幌になってしまって、終章が残念なことになっている。






光文社
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