toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「おれたちを齧るな!」 椎名誠

2019年12月28日 | 読書日記
「わしらは怪しい雑魚釣り隊」最新刊。

雑魚釣り隊のメンバーも30人を超え、とうとう雑魚釣り隊の中に「釣り部」ができて、じゃあ雑魚釣り隊は何する集団なんだ?という展開に。
こんなの読むと、今すぐ釣り道具とキャンプ道具を準備して出かけたくなる・・・・。





小学館
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「ノッキンオン・ロックドドア2」青崎有吾

2019年12月27日 | 読書日記
3年半ぶりの続編。
前作は可もなく不可もなく(というよりイマイチ)だったけど、今回はどうだろう・・・と読んでみた。

ちなみに前回(2016年04月22日)の感想は、
 良くあるライトミステリー連作短編。
 特徴は探偵が二人で一人前というところ。
 登場人物のキャラ設定、ストーリ、謎解きすべてにおいてイマイチ。

流石に2作目ということでブラッシュアップしていた。
登場人物たちのギャグも決まってるし、謎解きも洗練されている。
ただ、前回と違って前半は殺人事件を警察とは別に独自に扱うという方向になっていて、その展開がちょっと不自然。
それと倒理の他人に対する口の利き方も生意気すぎる。

二人の探偵と穿地(と新しく登場した美影)のなれそめや、氷雨と倒理が一緒に探偵事務所を始めたいきさつなどが明らかにされるけど、せっかく面白くなってきたのにこれで終わりということなのかな?
そうだったらちょっと残念。できたら続編を読みたいけれど、どうでしょう?




徳間書店
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「北海タイムス物語」 増田俊也

2019年12月23日 | 読書日記
タイトルから想像される内容と、先に読んだ巻末の北上次郎の解説から期待いっぱいで読み始めた。

新卒で北海道の新聞社に就職した青年の成長物語で、内容的には良く有るパターン。
ところが、会社は思いっきりブラックだし、同僚の人達もまともじゃない人ばかり。
おまけに主人公の野々村が、思いっきり後ろ向き。
不本意で入社したので最初から他社への転職を考えているし、配属先にも不満でやる気なし。
そのうえ、毎日通勤にタクシーを使うし、飲んだくれて金欠になりサラ金に手を出す始末。
何のこだわりか、やめろと言われてるのにかたくなにスーツ通勤に拘って、周囲の反感を買う野々村。
あまりに退廃的で、楽しみで読み始めたのに、だんだん読むのが辛くなってくる。

しかし様々な出来事をきっかけに、苦手だった先輩達のことを一人ずつ見直して徐々に会社になじんで行く。
最後には、大嫌いだった指導先輩の権藤の退職を機に、彼に教えを乞ううちに打ち解けて一人前の新聞人に成長してゆく。

それまでの野々村と、権藤の教育が始まってからの彼の変化を大きくするためなのかもしれないけど、あまりに前半はやりすぎで現実感が乏しい。
また権藤がどんなにすごい人か強調するため、彼の知識はすごすぎて不自然。
全国にある地方紙の詳細まで全て知ってるなんてありえない…。

ストーリが面白いので全体的にもう少しリアリティがあるようにすれば完ぺきだったのに。。




新潮文庫
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「ぷくぷく」 森沢明夫

2019年12月15日 | 読書日記
祭りの夜店で手に入れた金魚と暮らす女性の物語・・・だけど主人公(というか主な語り手)は金魚。
この設定がいつもの森沢明夫らしくない展開になっている原因かな。

時々主人公が女性に代わるけれど、彼女が友人と一緒に部屋で飲みながら語り合う場面は完全に森沢明夫ワールドで、ホッとする。

良い人しか出てこなかったり(アクセント的に一人意地悪な先輩がいるけれど)、わかりやすいハッピーエンドの展開など、全体的にはいつもの森沢明夫。
ただ、最後に彼女の恋人が、実はこの小説を書いたというオチは良く有るパターンで止めてほしかった。





小学館
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「魔法使いと最後の事件」 東川篤哉

2019年12月13日 | 読書日記
大倉崇裕の「警視庁いきもの係」シリーズを彷彿させるライトミステリー。
魔女である刑事の家の家政婦(のちにその刑事と結婚して妻となる)の力を借りながら事件を解決する刑事のお話。

奥様は魔女とか美人で変わり者の上司という設定からしてリアリティが無いけれど、「警視庁いきもの係」よりはミステリーになってる。
さらっと読めるけれど、「警視庁いきもの係」ほどでないけれど、同じギャグをしつこく繰り返すところがちょっと。。
これもシリーズものらしいけれど、タイトルから最終巻なのかな?





文藝春秋
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「別れの季節」 諸田玲子

2019年12月09日 | 読書日記
安定の「お鳥見女房」シリーズ。

秋も源太郎も結婚し、源太郎に家督を譲った石塚家は小田原に帰って行く。(だから「別れの季節」)
黒船がやってきて日本も大きく変わろうとしているなかで珠世の周囲も変化してゆく。




新潮社
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「花咲小路三丁目北角のすばるちゃん」 小路幸也

2019年12月07日 | 読書日記
子どもの頃、土曜の午後に「母さんは28年型」って言うアメリカのドラマをやっていた。
学校から帰って、昼ご飯を食べながら見た記憶が有る。
内容は良く覚えてないけど、設定は亡くなった母親が車になっていて、息子と繰り広げるドタバタだったような。。。

この本の主人公のすばるの父親も亡くなって車になっていて、高校を卒業したすばるはその車に住んでいるという設定。
だからすぐに「母さんは28年型」を連想した。

読み始めてすぐ、このシリーズもマンネリか?と思ったけれど、読んでいくとやっぱりそうでもなくて安心。
でも一つだけ気になったことか・・。
私は本条克紀と同じ境遇なんだけど、父親が探し当てて何も言わなければかかわることがなかったと言ってるけど、そんなことはありません。
父親が亡くなると相続の手続きのため嫌でもわかります。
私の場合は、父が生きている間は全く知らなかったけど亡くなった後に存在すら知らなかった妹が相続の手続きのために私を探したことによって、はじめて巡り合いました。
だからこの兄妹も父親が生きてるうちに何もしなかったとしても、巡り合っていたはずです。






ポプラ社
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「なぞの転校生」 眉村卓

2019年12月06日 | 読書日記
眉村卓が亡くなったというニュースを見て本棚から引っ張り出して読んだ。
奥付からすると40年ぶりくらい。
内容は全く覚えていなかったし、今から思えばすべてが古臭いけれど、面白さは変わらない。

同録されている短編の「侵された都市」なんか30年後の未来にタイムスリップする話だけど、その30年後が1999年。
もう過ぎてるじゃん・・・(笑)。

そして、なんと解説を書いているのは手塚治虫。





角川文庫
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「犯人は、あなたです」 新堂冬樹

2019年12月04日 | 読書日記
ここのところ大当たりが有ったし、当たりも続いたりして、外れはずっと無かったのに久しぶりの外れ。

サザエさんをパロディにしていて、作中でもサザエさんを下敷きにしてることを隠していない。
作者自身は面白いと思っているんだろうけど、まったくの空回り。
バラバラ殺人事件の犯人捜しのミステリーのはずなのに、ひたすらサザエさんネタばかり。
とにかくパロディのレベルが低すぎて全く笑えない。

終盤ガラッと変わって脇坂宗五郎の記者会見となるけれど、そもそも何が問題なのか、それほど大騒ぎするようなことなのか理解できない。

記者会見を受けてのワイドショーも、同じ流れで登場人物が無意味に大騒ぎしてるだけ。
ただ一点だけ、テレビを批判するところだけは共感できた。

結局、犯人もわからないまま終わるし、なんだこれ・・・のお粗末な小説。





河出書房新社
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「坂の上の赤い屋根」 真梨幸子

2019年12月01日 | 読書日記
回りくどくてわかりにくい構成で、なかなか話の本筋が見えてこないが、要するに娘が恋人とともに両親を殺害する事件が有って、その真相に迫っていくという物語。

様々な人の意見を並べて事件の様相を徐々に明らかにしていく・・・という良く有るパターン(そしてその多くは、そのやり方がそれほど効果的でなく物語をわかりにくくしているだけ)の話なのかと思っていたら、途中からとんでもない方向に・・・。

それまで物語の主人公でホームズ役だったライターが実は犯人?というとんでもない展開に。
そこからは、それまで話を聞かれた中の一人だったイラストレータが主人公になって物語がが進む。
ところがこのイラストレータがちょっと馬鹿すぎてイライラしてしまうが、このあたりから俄然面白くなっていく。

果たして本当にライターが犯人なのか・・?そんなことが有るのか??と思いながら読み進めると今度はイラストレータとライターが対面。
そこからは思いもよらない驚きの結末にまっしぐら。

伏線も見事に回収されて最後はやられた感満載。





徳間書店
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