toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「旅は道づれきりきり舞い」 諸田玲子

2021年12月31日 | 読書日記
「きりきり舞い」シリーズの第3弾(最終巻?)。

舞が尚武と結婚するものの、尚武が一緒に住むようになり、尚武が寝起きしていた会所が舞の踊りの稽古場になった以外は基本的に変わらない。
今回も色んなことが起ってきりきり舞い。

このシリーズは設定が上手くできているので、ドタバタな内容でも何となく上手くまとまってしまう。






光文社
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「きりきり舞い」 諸田玲子

2021年12月30日 | 読書日記
振り返ってみたら2014年に読んだ「相も変わらずきりきり舞い」はシリーズ物だったらしく、この本はその第1巻。
ほとんど覚えていないけど、登場人物の謎が分かった。





光文社
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「新元素ニホニウムはいかにして創られたか」 羽場宏光

2021年12月29日 | 読書日記
元素についての基本的な説明から始まって、ニホニウムの合成(発見?)からその意義など、非常に分かり易く書かれている。

第2章までの内容は、工学部の卒業生としては流石にほとんど知ってることだけど、始めた聞いたり忘れてたりしたことも多くて勉強になった。

第3章は元素を人工的に作る内容だけど、〇番目の元素を作ろうとしてつくるわけだからそれを「発見」と言うのはちょっと違和感がある。
学会ではそう言ってるのだろうか・・・?

第4章まではそれ以降の話を理解するための予備知識や歴史的背景など説明になっている。
基本的に高校までに学習する内容プラスアルファを分かり易く解説しているので、中高生でも容易に理解できると思う。

第6章からいよいよ本書の核心であるニホニウム合成プロジェクトの物語。
ここからノンフィクションの物語として俄然面白くなっていくが、内容も難しくなって一部理解が追い付かないところも出てくる。
高校までに物理化学を採っていない人にはちょっと苦しいかもしれないけれど、全てを理解しなくてもプロジェクトの成功物語として十分楽しめる。






東京化学同人
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「やまのめの六人」 原浩

2021年12月26日 | 読書日記
読み始めてすぐに思ったのは「綾辻行人の世界に似てる」。
物語から感じる匂いが綾辻行人と同じ。

読み進めていくと、ちょっと雰囲気が怪しくなって行く。
いろんな話を寄せ集めて一つの物語に作り替えたといった感じで、何の話なのか分からなくなっていく。
物語が進むにつれいろんなことが次々と起こって、ちゃんと最後に収束するのか心配になる。


~~~~~~  以下半分ネタバレ  ~~~~~~~~~~~~~

いくつかの謎は解決されるものの最大の謎、何故一人増えたのか・・・。
この謎は解決したの?
灰原はいったい何だったの??
最後のオチは分かったけれど、結局「やまのめ」あるいは「おんめんさま」は何なのさ。
京極夏彦の長いミステリーを読んで最後に?となったのと同じ気持ち。

あと死んだはずの人間が実は生きていたというパターン、多過ぎ。。



角川書店
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「人形姫」 山本幸久

2021年12月25日 | 読書日記

180年続くひな人形工房を継いだ恭平の物語。

恭平は高校時代ボート競技をやっていた縁で、ボランティアで母校のボート部のコーチもやっている。
その関係でボートに関係する場面が色々登場するけれど、現役でボート競技やってる私はちょっとうれしくなる。

物語は大きなテーマがあるわけじゃなくて、後継者問題や主人公の恋愛、ボート部の顧問と弟子の恋愛、ボート部長の進路などサイドストーリ的な話がたくさん集まっているという感じ。
それが却って現実っぽい。
どの話もみんな途中で終わっていて、その後が気になる。。
続編ができるのかな?

山本幸久の中では一番良かった。

ただ、国立大学には「スポーツ推薦」って言うのは無いと思うけど・・・・(少なくとも母校にはありませんでした)。
あえて「国立」と設定する必要は無いと思うし。






PHP研究所

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「女性失格」 小手鞠るい

2021年12月22日 | 読書日記
ある女性の半生を一人称で語る形の小説。

「はしがき」と「あとがき」を書いた作家に託された女性の3冊に渡る手記がそのまま3章になるという形式をとっているけれど、そのになんの意味や必要性が有るのか理解できない。
主人公の秋山葉湖をはじめ登場人物がみんなどこかおかしい人たちばかりで共感できる部分がほとんどない。

小手鞠るいは当たりと外れがあるけれど、これは外れ。。






文藝春秋
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「四十過ぎたら出世が仕事」 本城雅人

2021年12月20日 | 読書日記
中堅広告代理店の、40歳(一人は39歳)の課長(一人は課長待遇)の3人とその上司がそれぞれ主人公の連作短編集のような長編小説(意味通じてる?)。
それぞれの生き方を描きながら全体の物語も徐々に進んでいき、最後に上司の編で完結する形で上手くまとまっているけれど、広告代理店のその後の話も読みたかったな。

本城雅人は「代理人」に続いて2冊目だけれど、こっちの方が断然面白いし完成度も高い。
ただタイトルは初出の「不惑になれば」の方が内容と合っていたと思う。





祥伝社
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「日本列島地名の謎を解く」 谷川彰英

2021年12月16日 | 読書日記
日本各地の地名でユニークなものを動物の名前、数字、・・・などカテゴライズしてそれぞれの由来を解説する本。
中には、地名に関連したエッセイと言った感じの項も有るけれど・・・。

地名の由来は地形や歴史的背景など様々だけど、この本のすごいところは文献に頼るだけでなくて現地に出向いて調査検証していること。
一般的に言われている定説を実地検分して間違いを指摘している個所も有る。

元々雑学好きで知っている内容もいくつか有ったけれど、ほとんどが初めて聞いた話だった。
(そもそも知らない地名も多かったけれど・・・・)

初出時の文字数制約のためだと思うけれど、説明が中途半端と言うか足りなくてイマイチ分かりにくい項も有るので、本にまとめるにあたってその辺りを見直してもらえたらもっと良かった。
文字による説明だけでなく、地図や写真・図などで補足的な説明が有れば申し分ない。
あと、ある項で取り上げた話題が他の項で触れられるところがいくつかあるけれど、これも本にする時に直して欲しかった。

この本での一番の収穫は広島カープは何故「鯉」なのか分かったこと。





東京書籍
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「マイブラザー」 草野たき

2021年12月15日 | 読書日記
登場人物達の行動原理が理解できなかったりするけれど、そもそもの設定がちょっと歪んでいるせいか全く気にならずにスーっと読めた。

最後までナンセンス路線で行くのかと思っていたら、意外な展開になっていき気づいた時には幼馴染達の友情と成長の物語になっていた。
この展開は予想外。

読後感は良かった。
この作者ははじめて読んだけれど、侮れないなと思った。。







ポプラ社
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「いいかげんなロボット」 鈴森康一

2021年12月14日 | 読書日記
ソフトロボット学の入門解説書。
ロボットの開発設計の長年携わってきた私には、従来のロボット技術と比較しながら解説しているので非常に良く理解できた。
ソフトロボットの素晴らしさも良く分かったが、それを強調するあまり従来のロボットや材料などについての批判的と思えるような記述は頂けない。
まるでソフトロボットが特別な存在のように書いてあるけれど、従来のロボットでもハンドリング部などに技術は使われている。

ソフトロボットは従来のロボットと補完しあいながら、または融合して従来のロボットの一部となっていくと思うが、そのような未来には触れられていない。
また同じ内容の記述が何度も繰り返されてちょっとうんざり・・・。




化学同人
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「奈落の顔」 澤田ふじ子

2021年12月11日 | 読書日記
はじめと読んだけれど、シリーズ物の1巻らしい。
良く有る時代小説の連作短編集だけど、江戸では無くて京都が舞台。
ストーリ自体は面白いが、とにかく余計な台詞が多い。
何の意味もない会話や、同じ内容を繰り返す会話が頻繁に出てきて、物語がなかなか進まない。
そのうえその会話が関西弁(京都弁?)なので読みにくくて仕方ない。





中央公論新社
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「樽とタタン」 中島京子

2021年12月07日 | 読書日記
子どもの頃に毎日通っていた(預けられていた)喫茶店を舞台にした連作短編集。
タルトタタンにかけた題名だと思うけれど、これを読むまでタルトタタンと言うものを知らなかった(最後の物語に登場する)ので何故主人公のあだ名が「タタン」と命名されたのか分からなかった。

それぞれの話は喫茶店の常連さんたちの話だったりするけれど、ストーリ自体はどうってことはなくただタタンが当時の出来事を思い出して記述したという形になっている。





新潮社
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「駆け入りの寺」 澤田瞳子

2021年12月06日 | 読書日記
宮中言葉と言うのか、とにかく何てしゃべっているのかさっぱり分からないうえ、登場人物達も複雑で混乱するばかり。
せめて巻頭に登場人物の一覧表でもつけてくれたら少しは理解できたかも・・・。





文藝春秋
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「千年鬼」 西條奈加

2021年12月05日 | 読書日記
連作短編集。
作品の最後に後日譚のようなおまけが付いているものも有るが、それがちょっと意味不明だったりする。
読み進めていくと段々分かるようになるけれど、どうせなら時間順に並べてもらえると分かり易くてうれしい。
(最後の一篇はちょっと構成が異なる)

各物語は、それぞれタイプの違った話だけど、どれもちょっと悲しいけれど幸せな最後と言った感じ。
そして、最後の物語は大きな感動で終了する。

ちなみに、時間順に並べ替えると多分次の通り。(一部前後するかも・・・)

「小鬼と民」「千年の罪」「鬼姫さま」「隻腕の鬼」「三粒の豆」「忘れの呪文」「最後の鬼の芽」。

読み返すことが有ったら、上記の順番で読むことにしよう。





徳間書店
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「さくらの丘で」 小路幸也

2021年12月04日 | 読書日記
小路幸也と言うより、小川糸か中島京子と言った感じの物語。
過去と現在が交互に語られる構成は、結末に持って行くために仕方なかったとしても、それぞ乃の物語をこんなに細切れにしないでもう少し長めにして欲しかった。
物語に入って行ったと思ったら切り替わってしまいまた気持ちがリセットされてしまう。

ストーリ自体はとても良かった。






祥伝社
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